2020.10.16

分からないから不安になる(うつ病の診断を受けてから)

うつ病シリーズ第2弾です。
うつ病の診断を受けた人はどのような思いを経験するのでしょうか。当然一人ひとり感じ方は異なりますが、うつ病を抱えた人の気持ちを理解するための参考になるよう取り上げてみたいと思います。
物事に対する捉え方は人それぞれで、ネガティブ思考な人もいるものです。しかし、うつ病の人は単にネガティブ思考なのではなく、物事の受け取り方が合理的ではなく、ゆがみを持っていることが特徴です。この思考は病気より引き起こされる感情であって本人のせいではありません。「弱くなってはいけない」「頑張ればできる」と励ますことは厳禁です。担当医に相談しながらサポートすることが大切です。

今回は以下の流れでうつ病を診断された人の気持ちを見ていきたいと思います。
うつ病になると、今までの日常が送れなくなります。会社員は仕事ができず、主婦は家事ができなくなるのです。そのような社会的な「位置」を失ったことを徐々に感じていきます。
本人が感じていること
●自分は社会に取っていらない人間ではないか
●薬を飲んでも、意欲がわかない、これでいいのか
●寂しくて仕方ない
●孤独ってこういうことか
●寝ていることしかできず、家族に申し訳ない
●元の自分に戻りたい
うつ病と診断されると、医師に「しばらく休んでください」と言われます。通常の休みは、友達と出かけたり、買い物や散歩をしたりと自分の好きなことをして過ごします。しかし、うつ病になると考えることすら億劫で、患者はどのように時間を潰したらいいのか、どうしたら休んだことになるのかわかりません。何もせずボーっとするしかない中で次第に、これが休むことだと理解していきます。
うつ病と診断されると、医師に「しばらく休んでください」と言われます。通常の休みは、友達と出かけたり、買い物や散歩をしたりと自分の好きなことをして過ごします。しかし、うつ病になると考えることすら億劫で、患者はどのように時間を潰したらいいのか、どうしたら休んだことになるのかわかりません。何もせずボーっとするしかない中で次第に、これが休むことだと理解していきます。
うつ病になって長くなると、自分の性格がわからなくなってきます。うつ病で休養していると、学校、会社、家族、病院など様々な環境から、そこへ行けばきっと傷つくだろう、嫌な思いをするだろうという後ろ向きな思いから逃げてしまっている自分がいることに気がつきます。本人はもともと自分がそういう性格だったのか、病気の症状だったか分からなくなってしまいます。おそらく、本来はそういう性格ではなかったと考えていいと思います。病気のために性格が変わったように感じるだけです。

それでも性格のせいか病気のせいか分からなくなったら、うつ病になる自分が同じような状況に置かれたとき、どう行動していたか考えてみてください。もしも、昔と今の行動が変わっていなければ、それは病気のせいで性格が変わったからではなく、もともとのあなたの性格です。一方、昔と今で変わっていたとしたら、それは病気のせいで性格が変わったからではありません。
病気の回復のためには担当医とのコミュニケーションが大切です。うつ病の人自身もそのことはよく理解している人も多いですが、それが分かっているからこそ上手く状態を伝えることができない自分が嫌になってしまっていることがあります。

本人が感じていること
●先生が忙しそうだからなんだか悪いな
●頭の中が混乱していて、何を聞いていいかわからない
●薬さえもらえばいい
●早く家に帰りたい
●私の悩みなんていうほどのことではない
●私のいうことを先生が分かってくれない、聞いてくれない
●わがままな患者と思われたくない
●待合室に人がいっぱいで自分にだけ時間を取ってもらえない
精神疾患の治療には薬が用いられます。しかし、薬への不安や心配から薬を指示通りに飲めない方もいらっしゃいます。依存性の問題、副作用の問題、脳に働きかける作用などがあることから、薬の服用を躊躇してしまいます。しかし医師の指示通りに飲まないと、医師は薬が効いてないと思い、薬を増量したり、追加したり、変更したりしながら対処するため、結果さらに不安や心配を仰いだり、良くならなかったりと悪循環に陥ってしまう可能性があります。不安や心配は素直に医師に伝えることが大切です。
本人が感じていること
≪心配≫
●薬が自分に合っているか不安
●薬自体が体に負担をかけていると思う
●薬の副作用に関する報道を見て怖くなった
●薬のせいで性格が変わりそう
●いつまで飲めばいいのか
≪信頼≫
●薬を飲むと楽になる
●薬を飲まないと調子を崩す
●最近の睡眠薬は依存性がないと聞いた
うつ病自体もとても苦しい病気ですが、再発も苦しさの一つです。治療の効果が少しずつ現れ、明るさを取り戻しつつあるところに再発するからです。もう一生治らないのではないかと落ち込んだり、薬が増えると心配になったりします。人によっては再発したことに気づかない人もいます。
病気を発症したばかりの時には、本人も自分がどんな状態にあるのか分からないことがほとんどです。自分の状態が客観的にみれるようになるのはある程度時間が経ってからです。今までの生活ができなくなり、病気のために何もできずに、未来も見えない、そのような中で非常に落ち込んで行きます。

うつ病は外見からは分かりにくい病気です。性格のせいだと誤解れることもありますし、うつ病と伝えても相手がうつ病についてよく分からずに何も改善されないまま仕事を任せてしまうかもしれません。

今回は診断を受けてからうつ病の人がどんな気持ちを体験するか参考になるようにまとめました。うつ病は周囲のサポートが必要です。困ったときは遠慮なく担当医に相談しながらサポートしていきましょう。

参考文献:大野裕・NGO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)(2011)「うつ病の人の気持ちがわかる本」講談社

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