2020.10.30

夫婦が歩む家族の危機

夫婦として関係を築いた二人は、その後数十年にも及ぶ生活を共にします。その中でどのようなことが起こるかは夫婦によって異なりますが、多くの夫婦が共通してたどるいくつかの段階があり、その段階において危機と超えるべき課題があることも知られています。今回は、危機とは何か、夫婦関係における2種類の危機について説明していきます。
(1)危機=危険+機会
私たちは日常的に「危機」という言葉を使いますが、夫婦の関係においても危機は存在します。「危機」の「危」は「危険」の「危」であり、「危機」の「機」は「機会」の「機」と考えることができます。つまり、夫婦における危機というのは、それによって自分やパートナーが苦しみを味わい、家族や人間関係が壊れてしまう危険性がある一方で、それを乗り越えることが出来たら、以前よりも成長し、関係が良くなる機会になるかもしれないということになります。
(2)危険を乗り越えるためには変化が必要
危機に直面した時、人はそれまでのやり方を繰り返したり強めたりすることで乗り越えようとしますが、それでは上手くいきません。そこで必要なのは、何らかの変化です。つまり、今までとは違う見方、考え方、対処の仕方、工夫が必要となります。
パートナーを変えようと頑張るほど、パートナーはかえって変化を拒むことになりがちです。むしろ、今までの自分自身を少しでも変えてみてください。そうすると、自分自身のパートナーへの接し方が変わり、結果的にパートナーも変化しやすくなります。そして最終的には二人が変わると、危機を乗り越えることができるようになります。

どうしたらよいのか見つけることは容易なことではありません。試行錯誤の連続で、無力感や怒りに圧倒されることもあるでしょう。二人だけで解決できないときは、第三者に頼ってみることも一つの方法です。
夫婦が直面する危機は大きく2つに分けることができます。

(1)発達的危機(多くの夫婦が直面する予測可能な危機)
一つ目は発達的危機です。これはどの夫婦も直面しやすいもので、ある程度は予測できるものです。予測できるとは言っても必ずしも多くの人がこれから起こりうる危機を意識しているわけではないので、危機に直面した時には強い不安に襲われたり、大きく動揺したりすることも珍しくありません。また、予測できることは、必ずしも解決されやすいということを意味しているわけでもありません。例えば、子どもが生まれる、子離れをするなどがこの危機に当たります。これについては、また詳しくお話します。
(2)状況的課題(一部の夫婦しか経験しない予測不可能な危機)
もう一つは状況的危機です。これは一部の夫婦しか経験しないものです。例えば、親が若くしてなくなる、子どもの死、障害、失業、事故、災害などがこれに当たります。それゆえに、当事者の苦しみは身近な人にも専門家にもなかなか理解してもらえず、適切なサポートを受けることが容易ではありませんし、時にはトラウマという深刻な状態に陥ることもあります。

例えば、子どもの死は夫婦にとっても最も衝撃的な出来事の一つであり、端からみればそういう時こそ、夫婦で協力して乗り越えなければならないと思うかもしれません。しかし、実際には喪失体験に対する反応の仕方や対処の仕方は夫と妻とでは異なることが珍しくなく、子どもを失った悲しみを共有することは非常につらく苦しく困難なこともあるのです。

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参考書)野末武義著「夫婦・カップルのためのアサーション」


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