2020.11.02

大人の発達障害(発達障害とは)

発達障害と一口に言ってもその特性は少しずつ異なります。大人になってから発達障害に気づく人も少なくありません。発達障害とは生まれつきのものです。それが目立って子どもの頃から発達障害だと分かる場合もあれば、苦労しつつも何とか周りに合わせてきたので大人になってから分かる人もいます。
■発達障害だと知能は低いのか
発達障害に対して誤解されやすい点としてあげられるのは、発達障害=知的能力が低いと思われてしまうことです。発達障害を持っているからといって、知的能力が低いとは言えません。発達障害を持つ子どもは、対人関係や注意力などの発達がゆっくりしている一方、学力などには問題がなかったり、場合によっては優れた面があったりするなど、発達にアンバランスがあります。この能力のアンバランスさに上手くいかないことが起こると、知的能力が低いと思われたり、時には性格や育て方の問題だと誤解されたりするのです。
■主な発達障害
主な発達障害として「自閉症スペクトラム障害」「ADHD(注意欠如・多動性障害)」「LD(学習障害)」があります。
言語・認知能力にはあまり遅れはないが、社会性やコミュニケーション社会的想像力に自閉的症状が見られます。具体的な行動を特徴ごとに記します。

■社会性の障害
友達と上手くかかわれない。友達とトラブルになりやすい。など
■コミュニケーションの障害
一方的でまとまりのない話をする。大人びた言葉使い。冗談を真に受ける。表情が乏しい。など
■社会的想像力の障害
他人の感情が理解できない。経験したことがないことを想像できない。こだわりが強い。など
主な特徴として、不注意、多動性、衝動性が見られます。特徴ごとに具体的な行動を記します。

■不注意
ケアレスミスが多い。いつも物を探している。整理整頓が苦手。すぐに気が散る。集中力が持続しない。など
■多動性
じっとしていられない。落ち着きがない。授業中や食事中もすぐに席を立つ。手や足をいつもそわそわ動かす。椅子の上で体を動かす。静かにしているのが苦手。など
■衝動性
順番を待てない。せっかち。おしゃべり。友達にちょっかいを出す。など
知的能力には一切遅れはないにも関わらず、読む、書く、計算、推論、運動など、ある特定の分野を苦手としています。

■読字障害
字を読むことに困難がある。
■書字障害
字を書くことに困難がある。
■算数障害
計算をすることに困難がある。
■大人になってからどう気づかれるか
発達障害は従来子どもに見られる症状というイメージがありましたが、近年では大人の発達障害が注目を浴びるようになってきました。子どもの頃には、知的な能力の高さでやってこられた人も、大人になり仕事をするようになると、それでは十分まかない切れないことが起きてきます。もともと持っていた発達障害に由来する困難さが顕在化してきます。ADHDや自閉症は単独で起こることもあれば、合併する場合もあります。

ケース1)
発達障害の子どもの親として医療機関に関わるようになり、自分にも発達障害の特徴があることを指摘された。

ケース2)
有名大学を出て希望の会社に入社し、仕事はできるようになってきたが、同僚や上司とのつきあいで悩んでいる。みんなに溶け込めない、浮いている。飲み会に行くのも苦痛で、出社拒否気味になってしまう。
ケース3)
仕事の手順を教えてもらってもミスが多く、同じことを何度も注意されたり、言われたことをすぐ忘れてしまうので、まわりの人にあきれられている。

ケース4)
結婚後もフルタイムで働いている妻。子どもも出来て、家事や育児にいつも追われている。片付けができず、常に散らかっていて、いつも探し物や忘れ物であたふたとしている。
■大人と子どもの発達障害の違い
子どもでも大人でも、発達障害の特徴そのものは同じです。ただ大人になると要求されるレベルが高くなるので、問題が大きくなりがちです。
ADHDの場合は、思春期になるにつれだんだん落ち着きのなさは目立たなくなります。子どもの時にADHDであった人の3分の1程度は思春期までにその症状はなくなり、3分の1は多少は残るもののさほど目立たなくなります。残りの3分の1が大人になっても症状を引きずり、生活に支障をきたすと言われています。
発達障害に気づかれずに成長してきた人々は、長い間の過剰適応の日々のために、抑うつや不安が非常に強いことがあります。家族との軋轢に苦しんできた人もいます。発達障害に気づくのが遅いと二次障害に苦しむ場合があります。
子どもの頃は家庭や学校という枠があり、親や先生がサポートしてくれます。しかし、大人になると、だれかに決めてもらうのではなく、自分で決めて行動しなければなりません。また、仕事をしようとすれば、人間関係の構築は必須事項です。自閉症の人が苦手なことばかりと言えます。大人だから出来て当たり前、言い訳はするな、と言われる世の中は子ども時代とは違った苦しさがあると考えられます。大人であったとしても、周囲の理解やサポートが欠かせません。
大人になるとお金の問題一つ取り上げても、より複雑で失敗するとその代償が大きくなります。親戚や会社などの人間関係は子どもの頃よりも複雑だったり、学校とは違い自分でやるべきことを考え計画を立てないといけなかったりと、大人の発達障害はより深刻化する場合があります。発達障害の特徴が見られたとしても、上手く社会生活を送ることができていたら、あえて病院に行って診断を受ける必要はありません。もし、生活に支障をきたしているとしたら、自分の特徴を知るために受診してみてもいいかもしれません。特徴を知ることがきっとあなたにとっても、周囲にとってもあなたを理解するきっかけになると思います。
参考文献:司馬理英子(2018)「大人の発達障害〈アスペルガー症候群・ADHD〉シーン別解決ブック」主婦の友社

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