2020.11.27

自律神経とは(自律神経失調症)

「最近疲れが抜けなくて、なんだかしんどい…」「病院で検査しても分からない謎の不調がある…」そう感じている方に知っていただきたいのが自律神経です。自律神経は簡単に説明すると自分の意思で動かせない心臓や血の流れなどの動きを司る神経ということができます。「疲れが取れない」「原因不明の不調」という人の多くは毎日の生活習慣や食生活、ストレスなど様々な因果関係により自律神経の働き方が乱れており、朝は起きられない、夜なのに眠れないなどの状態を引き起こします。
忙しい日々に追われていると「なかなか疲れが取れない」「ついイライラしてしまう」と感じることは少なくないのではないでしょうか。また、めまいや頭痛、動悸、肩こり、腰痛、冷え、むくみ、不眠と言った不快な身体症状を感じることもあるでしょう。その際病院に行っても原因が見つからない場合、「疲れ」や「ストレス」によるものと一括りにされやすいです。
それでは「疲れ」や「ストレス」は感じると悪いものでしょうか。それは必ずしも悪いとは言えないでしょう。例えば、趣味のスポーツで思い切り体を動かした後に感じる心地よい疲労感は、体にとってプラスになる疲れと言えます。しかし、仕事や人間関係で強いストレスを受けると、肉体を酷使してもいなくても体が重くなるような酷い疲れを感じることがあります。問題となるのは、こうした不快な症状を伴う疲れです。同じようにストレスにおいても、適度なストレスは集中力を高め、作業の質や量を向上させますが、過度なストレスは集中力を低下させ、ささいなミスも生じやすくなります。

私たちが不調を感じるとき大きな鍵となるのが自律神経です。自律神経は生活習慣やストレスによって乱れ、体に不調をもたらします。病院に行っても原因不明の場合は自律神経の乱れを疑って、体の様子を再度見てみましょう。
自律神経は、興奮状態に働く交感神経とリラックス状態に働く副交感神経との二つをコントロールする役割を持ちます。自律神経を意思を持ってコントロールすることはできません。
交感神経と副交感神経は、アクセルとブレーキの役割と例えることができます。交感神経が優位の時には、血管が収縮し、心拍数と血圧が上昇します。心身ともに興奮状態となり、まさにアクセルを踏み前進しようという態勢になります。一方で、副交感神経が優位になると血管がゆるみ、心拍数や血圧が低下します。興奮にブレーキがかかり、リラックスした状態になるのです。

この体にとって正反対の役割を持つ2つの神経が交互に働くことによって、動くべき時には動き、休むべき時には休むというメリハリのある活動が可能になります。しかし、自律神経が乱れると常にどちらかが働き上手く切り替えができない状態になるので、いつまでも興奮状態が続いて眠れない、意欲が上がらずだるさがある、疲労感が抜けないなど生活活動に支障が表れてきます。両者のバランスを適切に保つために自律神経を整えることは非常に重要なことです。
自律神経の乱れは、体や心に様々な辛い症状を引き起こしますが、その主な要因となるのが血流の悪化です。交感神経が過剰に高まると欠陥が収縮し、血液の流れが悪くなります。さらに副交感神経の働きが低下していると血流が改善されず、脳や内臓にまでダメージが及びます。

身体的な不調では、だるさや疲れやすさをはじめ、血の循環が悪くなることによる頭痛や肩こり、内臓機能の低下による便秘や下痢、肌荒れなどがあげられます。免疫力が低下し、風邪や感染症にもかかりやすくなります。長期的には血管の収縮が続くことによる高血圧、血液がドロドロになり血管内皮が傷つくことによる動脈硬化、さらにはそこから血栓が生じて脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる重大な病気に繋がる恐れもあります。
精神的な不調ではイライラしやすくなったり、やる気が低下したり、不眠や過眠といった睡眠の異常が現れることもあります。
自律神経の乱れによるめまいや倦怠感、肩こり、腰痛、頭痛、動悸などは「自律神経失調症」という診断名がつけられることがあります。これは病名ではなく、自律神経の乱れが原因と考えられる上記の「症状」を指し、これらの症状はあるが、特に身体に異常がみられない場合に用いられます。自律神経失調症であるかどうかは自律神経外来で測定すればすぐに判断できます。

一方でうつ病は脳内の神経伝達物質の分泌異常によって症状が現れる心の「病気」で、精神エネルギーが著しく低下している状態です。気分が沈んだままで、体が思うように動かない、生きていることが苦しいと感じるような場合は、迷わず精神科クリニックでの診察をおすすめします。
自律神経は自分ではコントロールできないものと解説をしました。しかし、直接的なコントロールは無理でも、自律神経のバランスが整うように働きかけることは可能です。

そこでまず見直したいのが生活習慣です。生活リズムを規則正しくすることにより、自律神経の働きも整ってきます。睡眠不足や夜更かしは交感神経を高める原因になるので禁物です。食事の時間が不規則だったり、影響バランスに偏りがあったりすると、自律神経のバランスも崩れやすくなります。

また運動も効果的です。緊張や怒りで交感神経が高まっている時は、ストレッチなどの軽い運動をするだけでも血流がよくなり、肩こりなどの不調が改善されます。逆にやる気が出ない時には背中を伸ばし、手を大きく振って速足で歩くと交感神経が適度に高まり気持ちも前向きになれます。

さらにメンタルヘルスも重要です。過度なストレスは当然よくないですし、まったくストレスがない状態も自律神経を乱す原因になります。適度なストレスと上手く付き合い、プラスに利用することで自律神経の安定を図りましょう。
自律神経の整え方について、もっと知りたい方はこちら⇩⇩
ストレスと付き合う人のための疲れないコツ
交感神経と副交感神経のバランスは人それぞれです。必ずしもどちらか一方が優位になるわけではなく、両方の働きが高い人もいれば、逆に両方が低い人もいます。

①交感神経と副交感神経ともに高い(理想的)
交感神経の働きにより高い集中力や適度な緊張感を持ちながら、副交感神経の働きに夜落ち着きやリラックス感も保っている状態です。まさに心身ともに絶好調といえる状態です。

②交感神経が高く、副交感神経が低い
ストレスを抱えている人に多いタイプです。交感神経が緊張や興奮を呼び起こし、副交感神経によるブレーキも利かないため焦りやイライラを感じやすくなります。血流が悪くなることで、健康状態にも悪影響が生じます。

③交感神経が低く、副交感神経が高い
アクセルが踏み込めずやる気や集中力が発揮できません。ブレーキの利きも強すぎるので、眠さやだるさ、抑うつ状態に陥りがちです。

④交感神経と副交感神経ともに低い
自律神経の有効な働きが失われている状態で、活動自体が困難になります。
自律神経を整えるために生活習慣を見直して、健康に毎日を過ごしてくださいね!
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参考文献)小林弘幸(2020)「眠れなくなるほど面白い自律神経の話」日本文芸社