2020.12.07

スマホゲーム依存(その1 スマホゲームの魅力と罠)

いつ、どこにいても、プレーできるのがスマホゲームです。子どもだけでなく大人も熱中するスマホゲームは、むしろ大人の方が依存すると深刻です。そして、脳が発達する子どもの頃からきちんとスマホゲームを制限することが大切です。スマホゲームに依存すると、仕事や家事のパフォーマンス低下へと繋がります。仕事中、食事中にもゲームを手放せないにも関わらず、依存している人の大半が「自分はゲーム時間をコントロール出来ている」と思い込みます。ゲームのやり過ぎをたしなめられると、カッとなり反論することもあります。今回はスマホゲーム依存がどうして起こるのかについて紹介します。
一昔前までは家の外でゲームをしている人は多く見かけませんでした。なぜなら、ゲームは家庭用ゲームやパソコンを使って遊ぶものであり、持ち運ぶことができなかったからです。「ゲームボーイ」と言った携帯型のゲーム機が発売されてから、街中で子どもがゲームをして楽しむ姿を見ることは増えましたが、あくまでも「子どもの遊び」にとどまっていました。

しかし、スマホが発売され、いつでもどこでも手の平でゲームができるスマホが出てくると、ゲームも変化を迎えました。ネットを利用する端末として、パソコンが主と答えた人は58.6%、スマホと答えた人は57.9%であり、スマホがいかに私たちの身近にあり、パソコンの代わりまでも果たしているかを垣間見ることができます。スマホが私たちにとって手放せないツールとなった以上、スマホゲームをプレーする人が増えたのは当然の成り行きと言えるでしょう。
大手のゲーム会社SEGAの調査(2017)によると、スマートフォンを所有している人は75.6%であり、そのうちスマホゲームをしている人は53.6%で、スマートフォンを持っている人の半数以上がゲームをしていると報告しています。

近年のゲームは今までと何が違うのでしょうか。従来のゲームはオフラインのゲームであり、ネットに繋がず、家庭用ゲームとしてテレビ画面に映して遊ぶものがほとんどでした。しかし、パソコンを利用したゲームが普及し始めると、オンライン上でリアルタイムに他のユーザーと競ったり、協力したりするゲームが登場しました。「ゲーム依存」の問題が話題になったのは、オンラインゲームが登場してからです。
さらに「依存」の問題が大きく取り上げられたのは、スマホをほとんどの人が持ち、誰でもゲームができる環境にあることから、誰でも「依存」の可能性があると危機感を覚えたとしても当然のことのように思います。自分がスマホに依存していないかと不安になったことがある人は少なくないのではないでしょうか?
スマホの魅力は何といっても「無料」であることがあげられます。「無料」なので関心があれば、とりあえずダウンロードという選択ができます。詰まらなかったり、飽きたりすれば、また他のゲームを入れたらいいので、結果的に常にスマホにゲームが入っている状態になりやすいと考えられます。

またスマホは「いつでも」「どこでも」手元にあるので、ゲームも「いつでも」「どこでも」できる場所にあります。スマホを開くと無意識にゲームのアイコンを押していることもあります。

そして「短時間でプレー」で「簡単な操作」でゲームができることはゲームへのモチベーションをさらに上げており、ちょっとした隙間時間にゲームをするという手軽さが感じられます。
たくさんの魅力があるスマホゲームですが、注意しなければ、その魅力に飲み込まれて、生活に支障をきたす可能性もあります。スマホゲームには、ゲームを継続して楽しんでもらうための企業側の工夫が多く施されています。

かつてのゲームには「クリア」という明確なゴールがありました。徹夜でゲームをしたとしても「クリア」してしまえば、それで終わり、日常生活に戻ることができました。しかし、スマホゲームは、明確なゴールが設定されていないものがほとんどです。ゲームの設定やストーリーは絶えずアップデートされ、対戦相手が他のユーザーの場合は対人間のため予想外の動きをすること自体に面白さがあります。

また、ガチャにはギャンブル性が感じられます。ギャンブル性とは自分の手持ちの一部をかけて、期待に値するものが偶然得られた時に感じられる快感から、またその快感を得たくて繰り返す依存性のある行動です。ガチャにはランダムにレアアイテムやレアキャラが出てくる設定がなされています。それはステイタスやゲームをより有利に進めるために必要なものであるため非常に重要なものです。しかし、はまりすぎると課金を繰り返し、気づけば多額を支払っていたケースは少なくありません。

「快楽」を得られる時、私たちは高揚感を感じます。継続して「快楽」を得ようとした時に、対象が物質(たばこやお酒)であれば量を増やし、行動(ギャンブル)であれば回数を増やすようになり、結果として依存の状態へとエスカレートしていきます。
スマホ依存による生活の支障が問題となっていますが、正式に「スマホ依存症」や「スマホゲーム依存症」という名前があるわけではありません。現在は世界保健機関(WHO)の国際疾病分類ICD10が2018年に「ゲーム障害」を収載しました。また、米国精神医学会による精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM5では「将来、医学的知見が蓄積された段階で追加されるべき
診断名」として「ネット依存」を上げました。


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参考文献)樋口進(2018)「スマホゲーム依存」内外出版社