2020.12.25

スマホゲーム依存(その3 依存かなと思ったら始めること)

スマホゲームはいつでもどこでも手軽にプレーでき、子どもから大人まで幅広い世代に愛されています。しかし、問題となっているのがスマホゲームの依存です。「自分はもしかしたらスマホゲームに依存しているかもしれない」と不安を感じたり、疑う気持ちが出て来たりしたことはありませんか?「まだ依存と決まったわけではないし、病院に行くほどでもないけど、もし依存し始めていたらどうにかしないと!」と感じている方は、ぜひセルフチェックしてみてください。
樋口(2017)が作成した「スマホゲーム依存セルフチェック」の項目をご紹介します。これは世界保険機構(WHO)の「物質依存症診断ガイドライン」をスマホゲーム版にアレンジしたものです。6項目のうち、過去12カ月間に1カ月以上、もしくはここ1カ月未満に、夢中になって繰り返している項目はありますか?
この質問項目のうち、3項目以上当てはまるという人は注意が必要です。インターネットの閲覧やSNSのチェックは思い立った時にすぐにできることが、スマホの魅力です。それはゲームにも当てはまります。したがって、「趣味の範疇」なのか「依存」なのかは簡単に判断できるものではないのです。スマホが登場したばかりの頃は、歩きながら、電車に乗りながらなどスマホを常に見ている状態に違和感を感じた人も多くいましたが、普及が進むとその違和感も和らいで来た現状を思えば、「依存」かどうか判断することの難しさを感じて頂けるのではないかと思います。しかし、スマホゲームの過剰使用、依存は驚くほど早く進んでいくので、しばらく様子を見ようと構えている暇もありません。「依存していないか」を疑ってみることがとても重要です。
次に自分のスマホゲームのプレー時間のモニタリングを行います。モニタリングは自分のプレー時間を可視して、客観的に見つめることで、行動の改善へと結びつけます。

やり方は簡単です。「起床時間」「食事」「勉強」「仕事」「休息」「スマホゲーム」「インターネット」「就寝時間」といった生活上の出来事をノートに書き出し、そこに簡単な感想を書いていくだけです。簡単な感想とは、「楽しいから」「暇つぶし」「ゲームの世界で結果が出ると満足だから」「他のユーザーとの交流が楽しいから」など難しく考えずにシンプルに書きましょう。
     ↑例:スマホプレー時間のモニタリング
     
モニタリングにおけるコツを紹介します。

□できるだけシンプルに評価する
自分が立てた目標を達成できたか1日を通して「◎」「〇」「×」の三段階で評価をしていきます。これはできるだけシンプルに評価した方が長続きしやすいためです。「◎」はまったくゲームをしなかった、「〇」はゲームをしたが自分が決めた時間内に収まっている、「×」は自分が決めた時間よりも長くゲームをしたという意味を持っています。

□やってはいけない時間を作る
例えば「食事中にはスマホは触らない」と決めたら絶対にその時間にスマホは触らないようにします。始めは短い時間からがよく「通勤中はスマホは触らない」など短い時間を設定しましょう。

□プレー時間の上限を決める
やってはいけない時間を作ったら、1日におけるプレー時間の上限を決めます。無理のない範囲で決めることが大切です。

□やりやすいところから始める
「今日から通勤時間スマホゲームをゲームをしない」と決めたとしましょう。しかし、それまで何年もほとんど欠かさずに通勤時間にスマホゲームをしていた人が、明日から全くスマホをしないということができるでしょうか?周りには、スマホを見ている人がたくさんいて、その姿は嫌でも目に入ることでしょう。そのような環境の中でも達成することはできるでしょうか?モニタリングで大切なことは、あくまでも実現する可能性が高いところから取り組むことです。

□スマホゲームを別のものに置き換える
スマホゲームをしない時間帯を設定したら、スマホゲームの代わりになる何かが必要になります。読書や音楽鑑賞、ランニングなどなんでも構いません。置き換えたものに楽しく感じることができれば、自然とスマホゲームの頻度は低くなっていきます。

□2週間ごとに振り返る
記録を付けたら2週間ごとに振り返りをします。スマホゲームに費やす時間は減りましたか?目標が達成できなかったとしたら、目標設定に無理があったかもしれません。そのような場合は目標を下げて再び取り組んでみましょう。
もしかして、依存かなと思ったら少し様子を見てみようとする前に、チェックリストで当てはまる項目の個数を確認してみてください。モニタリングを実施しようとスマホの使用時間に制限をかけた時、家族や周りにそれを伝えておくと、自分自身への決意になると共に、家族もその時間は一緒にスマホの使い方に気を付けようとしてくれるので、スマホを使っている姿に刺激を受けるということも少なくなります。スマホに依存している当事者だけでなく、周囲の意識も非常に重要です。
参考文献)樋口進(2018)「スマホゲーム依存」内外出版社