2021.04.12

幸せって何だろう?

「宝くじで大金が当選すれば幸せになる」と思っている方はいませんか?
幸せの度合いを測るために、マイケル・W・フォーダイスという心理学者は、自分の幸せの度合いがどれくらいかを1~10までの数字で評価する感情度測定テストを開発しました。幸せという主観的な感情を客観的に測定できるようにしたことで、幸せを哲学の分野から科学の分野で分析できるようになりました。
これを使って、宝くじで大金が当選したアメリカの22人を調査した研究があります。もちろん22人とも、当選した直後は我を忘れるくらい幸せを感じました。そして立派な家を買ったり、高級車を買ったり、パーティーを開いたり、しばらくは幸せ度は最高でした。ところが不思議なことに、数年すると幸せ度は少しずつ下がっていき、最終的に22人全員が宝くじが当選する前の幸せ度に戻ってしまったのです。
幸せには一時的なものと永続的なものと二種類あります。仕事の後にビールを飲んでおいしい、とか、ブランド物を安く買えて嬉しいとかは一時的な幸せです。一時的な幸せは快楽を満たされることで感じることができます。しかし、時間とともに消えてしまいます。ここで扱うのはより本質的な、永続的に感じる幸せのことです。
それでは、次のような人生観をもっている方はいませんか?

より高い教育を受け学歴があることは幸せである。
財産を築けば幸せである。
ハワイなど、気候に恵まれた土地に移住したら幸せである。


マーティン・セリグマンという心理学者の調査によると、これらのことは宝くじの当選者の研究と同様に、永続的な幸せとほとんど関係のないことが統計的に証明されました。

本当の幸せとは、大金を手に入れることでもない、学歴をつけることでもない、よい土地に住むことでもない。それでは幸せとは何でしょうか?
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、自分の能力を十分に生かして人生を生きる幸せをユーダイモニアと呼び、それが人生の目的であると提唱しました、その後、この概念は現代心理学でも、「生きがい」「自己実現」「自己達成感」という言葉で表現され、幸せの要素の一つと考えられています。
何の職種に就いているか、どんな社会的地位があるのか、どんな社会活動をしているか、という外見は永続的な幸せとあまり関係がなく、そこにどれだけ生きがいを感じ、困難を克服し、目的を多成するためにどれだけ努力しているか、こうした感情が幸せにつながっているのです。
永続的な幸せを決定するのはそれだけではありません。先に紹介したセリグマンによると、自己肯定感が重要であるといいます。
自己肯定感とは、自尊心、自己存在感、自己効力感、自尊感情などとも呼ばれるもので、自分が生きていることを積極的に感じることです。簡単に言えば、「生まれてきてよかった」「自分は生きている価値がある」「自分は必要な人間である」といった感情であり、これが幸せの基本になっているのです。
自己肯定感は育った環境の影響を受けます。親から「お前は産まれなければよかった」と言われて育てられたら、またクラスメートから「お前なんか必要ない」などと言われてきたら自己肯定感はとても低いものになるでしょう。しかし、大人になってからの良い体験やカウンセリングなどを通して向上させることも十分可能です。
さらにセリグマンは幸せを決める要素として人間関係の重要性も説いています。家族や友人などの信頼できる人間関係があり、よき理解者の存在が幸せの大きな基盤となっています。

私たちは幸せを求めて生きています。
何かが手に入れば幸せになるとか、環境が変われば人生が変わるとか、どうやらそういったものではないようです。目的に向かって努力したり、経験を通して何かを感じたり、こうした心の持ち方による要素が大きいのです。
皆さんも自分の幸せが何か、ゆっくり考えてみてはどうでしょうか?

カウンセリングを通して自己肯定感を高めることができたら良いかも知れませんね。