心の不調をどこに相談しますか?
みなさんは、心の悩みがあった時にどこに相談しますか?身近な家族や友人が相談にのってくれたら一番ですが、専門家を訪ねなくてはならないケースもあります。
例えば、心配が頭から離れないという悩みではどうでしょうか?心配ということだけなら、心理カウンセラーが窓口になりますが、心配で眠れない、食事が喉を通らないとなると、心の病気の可能性があるので、精神科を訪ねた方がよいでしょう。交際相手と結婚するべきかという心配であれば、有名な占い師に相談する人もいるかもしれません。
こんな感じで、心の悩みの相談は、その内容によって相手をよく選ぶべきです。今回は、専門的な相談の場所として、占い、宗教、心理カウンセラー、精神科のそれぞれの特徴を説明しましょう。
例えば、心配が頭から離れないという悩みではどうでしょうか?心配ということだけなら、心理カウンセラーが窓口になりますが、心配で眠れない、食事が喉を通らないとなると、心の病気の可能性があるので、精神科を訪ねた方がよいでしょう。交際相手と結婚するべきかという心配であれば、有名な占い師に相談する人もいるかもしれません。
こんな感じで、心の悩みの相談は、その内容によって相手をよく選ぶべきです。今回は、専門的な相談の場所として、占い、宗教、心理カウンセラー、精神科のそれぞれの特徴を説明しましょう。

1 占い:人生の選択の相談
現代は占いブームです。政治家、実業家などの大きな事業にたずさわる人にも、占い師にアドバイスをもらうことがあります。占いは、長い歴史の中で、経験の積み重ねながら築かれたものです。決して科学で否定できるものではありません。
占いには様々な種類がありますが、その人の生まれもった性格、運勢をみていきます。その価値は、当たる当たらないの問題でなく、人生の道しるべとなって、人を幸せに導くものです。ただし、人は自分で考えて行動し成長します。
自分で決めなくてはならないところまでカリスマ占い師に決めてもらっていたら、自分で物事を考えなくなり、心の成長もありません。運勢は100%決められているのでなく、自分で切り開く部分もあります。最後は自分で選択をしましょう。
2 宗教:生きる目的や価値の相談
見えない神仏との関係を説くものが宗教です。そこから生きる目的や価値を知ることができます。中世の時代は、悩み相談といえば教会や寺に行きました。現在では、伝統的な宗教は儀式が中心となってしまい、初詣や葬式でお世話になるくらいになりました。
歴史を見ていくと、伝統的な宗教の人気がなくなると、必ず新しい宗派が生まれてきます。現代では、伝統的な宗教に代わって、たくさんの新宗教が悩みの相談役を担うようになりました。
新宗教には、必ずカリスマ的な指導者がいます。神仏を信仰することが、いつのまにか指導者を信仰しているという危険性もあります。カリスマと言えども、神仏と私たちの橋渡し役です。相談をしたとしても、最終的には自分の良心に従い、自分で物事を決めるようにしましょう。
また、宗教には病気治しがあります。聖書には、イエス・キリストが脳卒中、ライ病などを治した記録があり、フランスのルルドの泉には、聖母マリアの力で病気が治る奇跡が起こると言われており、いまでも巡礼者が絶えません。イタリアのカソリック教会ではエクソシストが行われています。
こうした宗教による病気治しには本当に効果があるのでしょうか?歴史的にも何度も調査が行われていますが、奇跡と言えるような報告があるのも事実です。しかし、すべてのケースで確実に起きるものではありません。心の病気にはまず精神科を受診しましょう。
むしろ、統合失調症の人に除霊などの宗教的な治療を施すと、幻覚や妄想が悪くなるので注意が必要です。カソリック教会のエクソシストに関しても、精神科医で統合失調症でないことが診断されない限り受けることはできません。

3 心理カウンセリング:心の悩みの相談
カウンセリングとは、そもそも「相談」「助言」という意味でした。起源はユダヤ教やキリスト教にあります。しかし、人の心の苦しみを解くためには、助言よりも話をよく聞いてあげることが大切であると理解されるようになり、現在の心理カウンセリングのスタイルが生まれました。
意見を挟まずに聞いてもらえることから信頼が生まれ、心に寄り添ってもらうことができます。そこから自分で悩みを解決する力が育ち、心の成長にもつながります。
注意しなくてはいけないことは、健康的な範囲の心理を扱うのが心理カウンセリングで、病的な心理を扱うのは精神科です。心理カウンセリングは心の病気を治す場所でありません。
4 精神科:心の病気の相談
心の病気を治すのが精神科です。悩みや心配事でも、日常生活に支障が出るような場合ならば病気と考えるべきです。心理カウンセラーでなく精神科を受診しましょう。
ただし、保険診療で診察時間に制限があるため、精神科医は、脳の働きを調整する薬の治療が中心です。心の病気の根っ子にある悩みに関しては、共感してもらえないこともあります。そのような場合は、心理カウンセラーなどに治療を補ってもらう必要があるかも知れません。
また、悲観的になって、これまでの生き方に価値を見出せなくなり、人生の目的を深刻に求める場合、うつ病の症状である可能性もあります。こうした場合の最初の相談場所は宗教ではなく、まず精神科を受診する必要があるでしょう。
心の悩みで長年、占いや宗教、そしてカウンセリングを訪ねて解決できず、精神科でうつ病の薬を飲んだら悩みがなくなった人、それとは逆に精神科でなかなか治らなかった不安症が、信頼できる恋人に相談したら薬がいらなくなった人など、実際にいろいろなケースがあります。心の悩みに、正しい答えを導いてくれる場所や人に出会えることはとても大切なことです。そして、相手を信頼できるということが最も重要です。
