ADHDの職業について
発達障害の傾向がある人は、自分に向いていない仕事を選びがちと言われています。これは、自分の個性がどんな仕事に向いているのかを十分に考えて来なかったことが原因のようです。
子供の頃の夢がそのまま自分の職業になると考えたり、偏差値だけで大学の専門を決めてしまい、そのまま向いていない職業を選んでしまったりということが多いのです。
例えば、念願だった看護師になって、病棟勤務が始まった途端にミスの連発。叱られることが重なり、ついにうつ病になって退職、といったことが起こります。
後先を考えずに合わない職場に飛び込んでしまい、無理をして心を病んでしまう発達障害の人は大変多く、実際に発達障害の約半数がうつ病で通院しているというデータもあります。
今回は、発達障害の中でも注意欠如多動症・ADHDの人の仕事選びについて解説しましょう。
子供の頃の夢がそのまま自分の職業になると考えたり、偏差値だけで大学の専門を決めてしまい、そのまま向いていない職業を選んでしまったりということが多いのです。
例えば、念願だった看護師になって、病棟勤務が始まった途端にミスの連発。叱られることが重なり、ついにうつ病になって退職、といったことが起こります。
後先を考えずに合わない職場に飛び込んでしまい、無理をして心を病んでしまう発達障害の人は大変多く、実際に発達障害の約半数がうつ病で通院しているというデータもあります。
今回は、発達障害の中でも注意欠如多動症・ADHDの人の仕事選びについて解説しましょう。
1 夢がそのまま自分の職業になるとは限らない
25年前の「ビューティフルライフ」というテレビドラマで、キムタクが美容師を演じた時、その姿に憧れて美容師を目指す人が増えました。
ところが実際になってみると、カッコいいだけではなく、センス、手先の器用さ、体力も要求される仕事のために、個性に合わずに辞めてしまう人も多かったようです。夢や憧(あこが)れがそのまま自分の職業になるとは限らないのです。
ADHDの人は衝動的な判断をしやすいのですが、仕事選びに関しては、夢や思い付きでなく、自分の特性を優先するべきでしょう。憧れの職業につくよりも、自分が活かされる職業の方が満足感は大きいものです。
自分の特性が良く分からないという人は、カウンセリングルームで行われている心理検査や知能検査などを利用するのも良いかもしれません。
2 向いていない仕事は避ける
仕事選びには特性を優先するべきと言いましたが、一番大切なことは自分に合わない仕事を選ばないということです。
ADHDの人は集中にムラがあり、ジッとしているのが苦手なため、単調な作業、細かい数字を追うような仕事、細かいルールだらけの仕事は向いていません。
3 焦らず探す
会社は外から見ているのと、実際に中で働くのとでは違いがあります。入社したら「最初に言われていたことと違う」ということは良くある話です。
やってみて初めて自分に合わないと気づくことも多いのです。合わないと思ったら長く居座らないことです。嫌な思いをする前に辞めて、次に進むようにしましょう。
昭和の頃は「終身雇用」といって、最初に入った会社に自分の生涯を捧げるというのが当たり前でしたが、今は自分に合う仕事を見つけるまでは何度転職しても良い時代です。
また、どこを探しても適切なところが見つからない場合は、障害雇用を選択するのも良いでしょう。実際に、ADHDの診断を受けた人の2割は障害雇用を利用しています。
4 ADHDの強みがある
環境や仕事の種類によっては、ADHDの特性はむしろ大きな武器になります。例えば、ADHDの人は興味のあることに対して驚異的な集中力を発揮できます。これを「ハイパーフォーカス」と呼びます。
さらに、発想力・アイデア力にも優れ、既存の枠にとらわれない柔軟な思考をもっていると言われています。アップル社の創始者であり、マックパソコンやアイフォンの発明者であるスティーブジョブスも、ADHDであったことをカミングアウトしています。古くは発明王エジソンもADHDであったと言われており、ハイパーフォーカスの持ち主として有名です。
また、行動力と瞬発力があり、思い立ったらすぐ動くエネルギーも特性です。そこから、新しい環境や出来事に適応しやすいといった強みもあります。
5 ADHDの強みを活かせる仕事
ADHDの強みを活かせる仕事を具体的に紹介しましょう。まずは、行動力があり、人付き合いが得意な人が活かせる仕事としては 、営業職、販売員・ホテルや飲食店ホールスタッフ・バリスタなどの接客業、観光ガイド・添乗員などがあるでしょう。
アイデア力を生かせる仕事では、イベント企画、映像編集・動画クリエイター、WEBデザイナーなどがあり、実際に活躍している人たちがいます。
障害雇用に関しても、現在はたくさんの職種が選べます。残業がなく、給与が比較的少ないことはありますが、どれも立派な仕事であるに変わりありません。
また、自由に行動したいことから、フリーランスを選ぶ人が多いようです。中には起業して成功している人もいます。
障害雇用に関しても、現在はたくさんの職種が選べます。残業がなく、給与が比較的少ないことはありますが、どれも立派な仕事であるに変わりありません。
以上、ADHDの人の仕事選びについてでした。
ADHDは欠点と考えるのではなく、「脳の特性」と考えるべきです。その特性が活きる場所では、驚くほどの成果を出すことも可能です。無理をして合わない職場で辛い思いを続けるのでなく、特性に合った職場に移るだけで人生は劇的に変わります。
自分が活かされている実感は、生きる力になるのです。自分の特性をよく理解し、才能を最大限に発揮できることを願っています。
