いじめる人の心理
いじめ・ハラスメントをする人は、心の弱い人です。
「いじめ・ハラスメントは犯罪である」と言われていますが、未だになくなりません。社会が成熟していくと、権力や立場をもった人は、それを世の中のために生かし、恵まれない人を助けるのが筋です。力を武器にして弱い人を攻撃することは決して許されることではありません。
いじめやハラスメントを受けた人の心には深い傷跡が残ります。被害を受けた時の状況を思い出して不安が続くだけでなく、自信を失い、人付き合いができなくなり、対人関係にも大きな影響が出ます。
気持ちを表現することができなくなることや、些細なことでパニックを起こすこともあるでしょう。こうした状態に対して、長い間適切な病名がなかったのですが、WHOは2018年に「複雑性PTSD」という病名をつけました。
このような大きな心の障害を引き起こすことから、いじめ・ハラスメントは犯罪であるという認識が定着し、加害者たちには社会的な制裁が加えられるようになっています。それでもいじめ・ハラスメントのニュースは後を絶ちません。なぜなくならないのでしょうか?
これまでの心理学では、いじめ被害者の心の傷に対する調査は多かったのですが、加害者に対する研究は少ない傾向にありました。最近では、加害者に対する調査や、生まれ育った環境に関する調査も行われています。
今回はこうした研究を通して分かった、いじめ・ハラスメントをする人の心理を紹介しましょう。加害者の歪んだ心理を通して、いじめの原因を探っていきたいと思います。
「いじめ・ハラスメントは犯罪である」と言われていますが、未だになくなりません。社会が成熟していくと、権力や立場をもった人は、それを世の中のために生かし、恵まれない人を助けるのが筋です。力を武器にして弱い人を攻撃することは決して許されることではありません。
いじめやハラスメントを受けた人の心には深い傷跡が残ります。被害を受けた時の状況を思い出して不安が続くだけでなく、自信を失い、人付き合いができなくなり、対人関係にも大きな影響が出ます。
気持ちを表現することができなくなることや、些細なことでパニックを起こすこともあるでしょう。こうした状態に対して、長い間適切な病名がなかったのですが、WHOは2018年に「複雑性PTSD」という病名をつけました。
このような大きな心の障害を引き起こすことから、いじめ・ハラスメントは犯罪であるという認識が定着し、加害者たちには社会的な制裁が加えられるようになっています。それでもいじめ・ハラスメントのニュースは後を絶ちません。なぜなくならないのでしょうか?
これまでの心理学では、いじめ被害者の心の傷に対する調査は多かったのですが、加害者に対する研究は少ない傾向にありました。最近では、加害者に対する調査や、生まれ育った環境に関する調査も行われています。
今回はこうした研究を通して分かった、いじめ・ハラスメントをする人の心理を紹介しましょう。加害者の歪んだ心理を通して、いじめの原因を探っていきたいと思います。
1 生活に不満がある
中学生・高校生のいじめの加害者の調査によると、加害者のほとんどは日常生活に大きな不満を抱えており、中にはうつ状態であるケースもありました。また、虐待やネグレクトなどのトラウマを抱えていて、それを引きずっているケースもあったそうです。
職場のハラスメントの加害者の調査でも同様の結果が出ています。いじめやハラスメントをする人には、共通して何らかの日常生活の不満を抱えており、その腹いせで弱い人を攻撃していることが理解できます。
2 嫉妬心が強い
いじめの加害者に共通する性格として、嫉妬心が強いことが分かっています。虚栄心も強く、自分を人より強く見せようとする傾向もありました。
いじめをする人は、自分に自信がありません。いじめを通して優越感を感じることで満足を得ようとしていることが理解できます。他人との比較でしか自分の価値を感じられないのです。
3 共感力が低い
人は成熟するに伴い、他人の気持ちに共感し、相手の喜怒哀楽を理解できるようになります。特に相手の辛い気持を理解できることは、人として大変重要な能力です。人として成長した証拠とも言えるものです。
ところが、いじめの加害者は、自分の行動を通して、相手がどう感じるかをイメージできません。他人に共感する力が低いために、自分が同じことをされたら、どんなに嫌かを想像できないのです。心が子供の状態で成長していないと言えるでしょう。
「自分がやられて嫌なことは人にもやらない」ということは社会では当たり前のことですが、それができないのです。
4 家庭環境が悪い
中学生のいじめ加害者の場合、本人だけでなく、その家庭の調査も行われました。そこでは、いじめをする子供は、親との情的なつながりが低く、親への信頼も低いことが分かっています。
また、いじめ加害者の親の傾向としては、子供に無関心であったり、逆に過干渉であったりすることが知られています。特に調査では、親が子供を馬鹿にする、からかう、皮肉をいうといった行為が日常的に行われていたことも分かりました。いじめをする子供は、親の姿の真似をしていることが理解できます。
5 孤立するのが怖い
いじめには、首謀者とそれに共犯する者の2つのタイプがあります。共犯する人の多くは、孤立することへの不安からいじめに参加することが知られています。
共犯者たちは、いじめをすることに強い動機があるのでなく、なんとなく自分が除け者にされることが怖いことからいじめに参加しているのです。これは学校だけでなく、職場でも見られる現象です。
昔から「長い物には巻かれろ」ということわざがあるように、自分を守るためにつよい者に逆らわず、とりあえず黙っていじめに参加してしまうのです。
6 歪んだ正義感をもっている
職場でハラスメントをした人の聞き取り調査をすると、ほぼすべての人がハラスメントである自覚を持っていません。「会社のためにやっただけ」、「その人のために叱っただけ」ということを言います。
昭和の頃の会社は、「叱られて一人前になる」と言われ、会社で怒鳴る、人前で吊るし上げる、手が出ることも日常茶飯事でした。
時代は変わり、「自分が昔やられていたから、自分も後輩にやって良い」は通用しなくなりました。目的は何であれ、相手を傷つけることは許されません。時代は進んでいるのに、昔の価値観で生きている人が残っているのです。
また、最近ではネットでのいじめが増えています。顔を出さないで、社会的制裁と称してネットでバッシングをするのです。不愉快な相手に攻撃を加えることで、自分の不満を発散しているのです。これは歪んだ正義感と言うべきでしょう。
いじめ・ハラスメント加害者の研究を通して、加害者は、育った環境に問題があり、成熟できていない人であることが分かりました。
そして、現在の生活に不満があるといじめが起きます。いじめ・ハラスメント防止は社会全体で取り組まなくてはならない問題なのです。
「自分がやられて嫌なことは、人にやらない」という基本的なことを、すべての人が実践する社会になることが必要です。いじめられる人は弱い人ではありません。いじめ・ハラスメントをする人こそ心の弱い人なのです。
