愛情を感じられない4つの原因
ちょっとしたことでも愛情や喜びを感じられる人は幸せです。どんな状況にも感謝できるので、適応力があります。つらいことを乗り越えられる底力がある人です。反対に、愛情を受けても、否定したり、ひねくれて捉える人は、不平不満も多く、幸せを感じにくいかも知れません。
はたから見たら色々恵まれているのに、本人は「自分は不幸だ」と言っていたら、不思議に思われます。その上、周りの人が色々やってあげても、喜んでもらえなければ、「こんなにやってあげているのに」と嫌われてしまいます。このような人は、なぜ愛情を素直に受け入れることができないのでしょうか?
愛情を感じられないことにはいくつかの理由があります。単に性格の問題で片づけられるものではありません。今回は、愛情を感じられない原因を4つ紹介しましょう。愛情の感じ方で困っている人がいるならば、解決のヒントになることを願っています。
はたから見たら色々恵まれているのに、本人は「自分は不幸だ」と言っていたら、不思議に思われます。その上、周りの人が色々やってあげても、喜んでもらえなければ、「こんなにやってあげているのに」と嫌われてしまいます。このような人は、なぜ愛情を素直に受け入れることができないのでしょうか?
愛情を感じられないことにはいくつかの理由があります。単に性格の問題で片づけられるものではありません。今回は、愛情を感じられない原因を4つ紹介しましょう。愛情の感じ方で困っている人がいるならば、解決のヒントになることを願っています。

1 愛情を理解できない
心に湧いてくる感情を、言葉で理解できないことを失感情症・アレキシサイミアと呼びます。感情がないわけではありません。自分が体験して心で感じたことを分析することができないのです。例えば、修学旅行の感想文を書けと言われても、出来事を羅列するだけで、感じたことを書けません。職場でハラスメントを受けても、文句を言わずに働き続けます。心の中で起きていることを理解できないことから、気持ちを伝えられなかったり、相手の気持ちも理解できません。愛情を受けても実感を持てないのが失感情症です。
失感情症は病気ではなく、未成年では30~40%、成人したら10~20%に見られる症状で、特別なことではありません。年齢を重ねて減っていくことから、言葉やコミュニケーション能力の未熟さが大きな原因です。また、虐待やいじめなどを受け、つよく感情を抑え込むような状況からも起こります。極端な例をあげると、強制収容所で働かされる人たちです。絶望から感情を押し殺すようになると、ただ黙々と働くだけの人になってしまいます。収容所とまでは言えなくても、一般社会でルールに縛られていたり、自分の主張ができないような生活をしている人にも見られます。
失感情症は、自分の気持ちを表現する経験を積み重ねることを通して、少しずつ改善されます。自分で感じたこと、思ったことを日記に書くことも効果があります。カウンセリングを受けるのもよい手段です。
ただし、対人関係をほとんどつくれなかったり、こだわりがつよい場合は、アスペルガー症候群などの発達障害の可能性があるでしょう。
2 愛情を受けても心に残らない
心の底から人を信じられず、「この人は、いまは優しくしてくれているけれど、将来きっと私を裏切るに違いない」という思いがある人は、愛されている実感を持てません。これを「見捨てられ不安」と呼びます。子供の頃に親子の信頼関係を築けていないことが原因と考えられ、大人になっても残り続けることがあります。
人から愛情を注がれても、「人は裏切るものだ」という信念は変わらず、愛情を素直に受け入れられません。底の割れたコップは、いくら水を入れてもいっぱいにならないように、いくら愛情を注がれてもどこかに流れ出てしまうのです。
見捨てられ不安は治らないものでなく、良い人との出会いやカウンセリングを通して、少しずつ改善されることがあります。ただし、情緒が不安定であったり、衝動性がある場合は、境界型パーソナリティ症という精神疾患の可能性もあるでしょう。

3 愛情を拒否する
人を信用できないため、人との深い交流を避ける人も、愛されている実感を持てません。子供の頃に、親から虐待やネグレクトを受けたり、いじめを受けたことから、人とつながることが怖くなっているのが原因です。深い関係になりそうになると、自然に自分から遠ざかります。孤独が好きなわけではありません。孤独でつらい思いをするよりも、人と深く交わることで傷つくことの方が怖いのです。
見捨てられ不安がある人を割れたコップで例えましたが、愛情を拒否する人は、蓋をしたコップに例えられるでしょう。水を注いでも中に入って行かないように、愛情を受けても心の中に入って行きません。
愛情を拒否する状態も治らないわけではありません。やはり良い出会いやカウンセリングを通して、少しずつ改善されていきます。
4 愛情を誤解する
相手の気持ちを誤解しやすく、好意を悪意としてとらえてしまう人も、愛情が通じません。例えば、親切にしてもらっても、「どうせ下心があるに違いない」と考えます。心の底に「自分は人に好かれない」と思っている人が多いようです。これは、人から大切にされた経験がないことが原因です。愛情を受けても、誤解して跳ねのけてしまうのです。
誤解の仕方がつよい場合は被害妄想と呼びます。うつ病や統合失調症の症状として現れることもあるでしょう。

愛情を感じられないことには必ず理由があります。人から大切にされた経験が少なかったり、子供の頃からのつらい体験が原因となって、愛情を信じられなくなっているのです。もしかすると、何らかの心の病気があるのかも知れません。
もしあなたが、「何で人の気持ちが分からないの?」と言われ、嫌な思いをしているならば、今紹介した4つの理由のどれかが当てはまるかもしれません。カウンセリングなど、誰かに相談する機会を持ってみましょう。
また、あなたの近くに愛情に頑な人がいたら、嫌な人と決めつけがちですが、そうなる理由があるはずなので、誤解しないで接してあげることも大切です。
