うつ病が良くなっていっているサイン
うつ病とは、「出口の見えないトンネルの中を歩いている」と例える人がいます。出口の明かりが見えないと、暗闇の中をどこまで進んで来たのかが分かりません。何か標識でもあれば安心できるのですが、それすらもないと先へ進むことも不安になります。
うつ病も同じように、いつになったら元気な頃の自分に戻れるのか、どれくらい改善されているのか、いつも不安で一杯です。身近な人から「元気になってきたよ」と言われたら慰めになりますが、自分ではなかなか変化に気づけません。
うつ病の回復は期待よりもゆっくりであるため、変化が分かりづらいのです。残念ながら、体の病気のように検査で測ることもできません。また、「昨日は元気だったけれど、今日は具合が悪い」というように波があるのも、回復を感じにくい理由です。
そこで今回は、うつ病が回復していっているサインについて解説していきましょう。うつ病をトンネルに例えれば、「あと何キロで出口」という標識のような出来事です。これらのサインに気づいたならば、うつ病が確実に回復している証拠です。
うつ病も同じように、いつになったら元気な頃の自分に戻れるのか、どれくらい改善されているのか、いつも不安で一杯です。身近な人から「元気になってきたよ」と言われたら慰めになりますが、自分ではなかなか変化に気づけません。
うつ病の回復は期待よりもゆっくりであるため、変化が分かりづらいのです。残念ながら、体の病気のように検査で測ることもできません。また、「昨日は元気だったけれど、今日は具合が悪い」というように波があるのも、回復を感じにくい理由です。
そこで今回は、うつ病が回復していっているサインについて解説していきましょう。うつ病をトンネルに例えれば、「あと何キロで出口」という標識のような出来事です。これらのサインに気づいたならば、うつ病が確実に回復している証拠です。

1 「まあいいか」
普段気にも止めないことが心配になり、グルグル思考の沼にハマってしまうのがうつ病です。例えば、「今の体調不良が癌だったらどうしよう」、「明日災害が起きたらどうしよう」など、普通ならば「何とかなるかな」という考えを、いつまでも引きずってしまいます。
うつ病が良くなってくると、グルグル思考の沼にハマりそうになっても、すぐに「まあいいか」と引き返せるようになります。これは、物事を深く考えなくなったのでなく、むしろ、良くなっているサインなのです。
2 何か言われても聞き流せる
うつ病の時は情緒が不安定になるので、ちょっとした一言で心が大きく傷つきます。例えば、家族から「ゴロゴロし過ぎじゃない?」、「うつ病は気のせいだよ」と言われると、受け流すことができず、腹が立ったり、涙が出たり、気持ちのアップダウンを激しく感じます。
ところが、回復に従い心に余裕ができてくるので、これまでだったら気になって仕方のないことを、スルーできるようになります。「以前はこんなことでも怒っていたな」と冷静に感じとることができるようになるのです。
3 楽しめるようになる
うつ病は物事への興味や関心がなくなる病気です。回復して来ると、まずは自分の好きなことから興味や関心が湧いて来るようになります。同時に集中力も回復してくるので、動画や音楽などのエンタメを楽しめるようになるでしょう。
具合が悪い時は、動画を少し見ただけでも疲れ、音楽は雑音にしか聞こえません。それが、動画を楽しめる、音楽を聴きながら歌を口ずさむようになったら相当回復している証拠です。こうした状況を「好きなことばかりやって肝心なことをやらない」と勘違いして自分を責めてしまう人もいますが、そうではありません。
4 できなかったことができるようになってくる
失っていた意欲が蘇ってくるので、これまでできなかったことを少しずつできるようになります。ゴロゴロする時間が少なくなり、短時間でも何かしようという意欲が生まれてきます。
ほとんどの人がまず始めることは、部屋の片づけです。「久しぶりに掃除機をかける」、「机の上の古い書類や手紙の整理をする」、「服の断捨離をする」、「家具の配置換えをする」といったことが多いようです。「やりたいな」とずっと頭の片隅にあったことが、少し力が出てきたので行動に移せるようになった証拠なのです。

5 頭のモヤが取れる
うつ病は、脳がきちんと働くなる病気です。頭にモヤがかかったようになり、何をしても現実感がありません。回復するにつれて、頭も徐々にスッキリしていきます。視界が開けたようになり、現実感も出て来るでしょう。人と会話をしていて、はっきりと理解できるようになったと言う人もいます。
6 退屈を感じる時間が出て来る
「休んでばかりいないで、早く仕事をしなくては」と焦る気持ちは、うつ病の症状です。焦りから無理に働き始めても、すぐに具合が悪くなってしまうでしょう。むしろ、仕事に戻るタイミングは、「ひまだな」、「何かしたいな」と感じるようになった後です。時間を持て余すように感じるのは、焦りや緊張感が取れてきたのが理由であり、うつ病が良くなっているサインです。
7 人と会おうとする
うつ病になると、自分から人を避けて孤独を好むようになります。回復してくると、普段の自分に戻り、むしろ自分から人に会おうとします。メールやラインに返信するようになったり、電話をしたりするようになります。
大勢と会うのは疲れるので避けてしまいますが、「友人と外で会ってランチをした」、「家族と外食した」といったことがあるならば、それはうつ病が良くなっているサインです。
ただし、うつ病の時には孤独を感じるので、寂しさを感じるけれど、人と会う力がないという状態です。実際に人と会う力が出てきたかどうかで判断すると良いでしょう。
8 食事がおいしい
うつ病は体の症状が多い病気で、食欲不振がよく見られます。回復に従って体調も良くなるため、お腹が空くようになり食事が美味しくなります。「焼肉を食べたいな」という感じで、好きだった食べ物を恋しくなるのはうつ病が回復しているサインです。

以上、うつ病が良くなっていっているサインについて解説しました。
うつ病が良くなってふだんの日常を取り戻してくると、病気であることを忘れ、現実的なことに意識が向かうようになります。病院のアポイントをすっぽかしたり、薬を飲み忘れることも増えてくるでしょう。これも良くなっているサインなのですが、そのまま治ったと勘違いして、病院に行かなくなるのは良くありません。
1度うつ病になると、症状は消えても、脳のダメージが数年間は残ります。そのために何かのきっかけで再発をする可能性があります。元の自分に戻ったと思っても、脳のダメージが改善されるまでの最低1年間は薬の継続が必要です。何度も再発がある人、薬を減らすと調子を崩す人はもっと長い期間服用しましょう。
薬は長期に服用しても問題はありません。それよりも、再発して一からやり直しということの方が面倒なことです。薬を減らすタイミングは担当の医師に任せて、毎日元気に過ごすことを考えましょう。「薬を飲んで元気ならば、それで治っている」と考えることが大切です。
