毒親に育てられたらどうなる
アメリカのセラピストであるスーザン・フォワードは、子供の人生を支配し、長い期間に渡って悪い影響を及ぼす親のことを毒親と呼びました。
毒親の本質とは、子供の気持ちを理解できず、利己的な親です。周囲から見ていると普通の親のようでありながら、子供にとっては毒親であるケースもあります。
毒親に育てられたら、子供は大人になってからどうなるのでしょうか?
今回は毒親に育てられた人のサインを5つ紹介しましょう。
毒親の本質とは、子供の気持ちを理解できず、利己的な親です。周囲から見ていると普通の親のようでありながら、子供にとっては毒親であるケースもあります。
毒親に育てられたら、子供は大人になってからどうなるのでしょうか?
今回は毒親に育てられた人のサインを5つ紹介しましょう。

1 自分を主張できない
情緒が不安定で、気にくわないことがあると爆発したり、子育てを放棄したりする親がいます。このような親に育てられた子供は、いつも親の顔色を伺うようになるでしょう。
そして、親の機嫌が悪くならないように、自分の本音をがまんする習慣が身に着いてしまいます。まるで、親の感情に支配されて生きているようです。
大人になっても、他人の気持ちを常に推し量り、自分の気持ちを犠牲にしようとします。傍(はた)から見ると素直で良い人ですが、心の中では自分の本音を押し殺して生きているのです。
自分を主張できずに、いつのまにか周りに流されてしまうことがあるでしょう。
2 やりたいことが分からない
子どもがやることに対して、いちいち「ああした方が良い」、「こうした方が良い」と過剰に干渉してくる親がいます。
「この子のためだ」という理由で、教育、スポーツや芸能、そして信仰などを熱心に強要するのですが、「子供のため」と言いながら、実際は親が考える理想の型に押し込めようとしています。
このような親の元で育った人は、自分から何かをやりたいという主体性や自主性に欠けるようになるでしょう。極端な場合は無気力な人になってしまうと考えられています。
また、やりたいことを抑えられ続けるため、気持ちの逃げ場がなくなり、我慢の末に爆発することがあり、非行に走るケースも見られます。うつ病や摂食症などの心の病気になりやすい傾向もあるでしょう。
実はこうした親自身も、愛情のない家庭で育てられてきたことが知られています。他人に期待できずに、自分の力だけで生きてきた親なのです。毒親は代々連鎖することがあるのです。
3 人を信じられない・頼れない
一見普通の優しい親のようでも、何か問題が起きた時に自分のことが優先となり、子供のことを平気で見捨ててしまう親がいます。
例えば、「愛人を作って家を出て行ってしまう親」、「子供が学校でいじめを受けているのに見て見ぬふりをする親」、「父親が酒を飲んで子供に暴言を吐いているのに子供を守らない母親」など、自分ファーストの親です。
子どもは、親に助けを求めても解決にならないことを悟るようになり、「人は期待できない存在」という考え方が染みついてしまいます。

4 自分はいらない人間だと思う
「親がいつも正しい」、「子どもは親に従うべきである」という信念をもった親がいます。子供のやることは常に否定して、決して認めようとしません。ふだんは子供に無関心であり、例え良い成績をとっても、「俺はもっと良かった」と子供を褒(ほ)めることをしません。
このような拒絶する親に育てられると、子どもは自分の生きている価値を見つけることができません。大人になってからも、「自分はいらない存在である」という思いに束縛され続けます。社会に出て成功しても、自分に自信を持てません。
5 すぐにあきらめてしまう
拒絶する親に育てられると、自分の価値を見つけられないだけでなく、「願いは叶えられない」という考え方が身についてしまうことがあります。「これをやりたい」、「あれが欲しい」と思っても、必ず拒絶されてしまうので、世の中全体に対してもネガティブなイメージを持ってしまうのです。
いくつになっても、「どうせ何をやってもうまくいかない」という思いから解放されません。新しいことにも常に消極的で、何かに意欲的にチャレンジすることができなくなるのです。。

先ほども少し触れましたが、毒親自身も毒親に育てられてきました。毒親は血統を通じて連鎖することがあるのです。
しかし、すでにこの記事を見られた方は、自分の親が毒親であることに気づいており、「こんな大人にだけはなりたくない」と感じて生きて来たのかと思います。きっと、親の姿を反面教師にして、そうならないように努力していることでしょう。
「こんな大人にだけはなりたくない」と感じることは、とても大切なことです。毒親を反面教師として、そうでない人を目指すことは、毒親の連鎖を断ち切ることができます。それだけでなく、今回紹介したような毒親の影響から解放されるための出発点にもなるはずです。
血がつながっているからといっても、心がつながっていなければ、本当の親子とは言えません。毒親は、あなたのことを理解しようとしませんでした。
しかし、広い世の中には、あなたのことを親のように理解しようとしてくれる人はいるはずです。もし、「私を理解してくれる人は世の中にいない」と思っているならば、まだ出会っていないだけのことかも知れません。
あなたのことを理解しようとしてくれる人は、あなたの心の親のような存在です。こうした人との交流を続けることは、毒親からもらった毒を少しずつ消してくれるはずです。
