朝が起きるのがつらい理由
「目覚ましが鳴っても布団から出られない」、「起きても1〜2時間は頭が働かない」、「会社に行くのがしんどい…でも理由がわからない」、こういった朝の悩みはありませんか?
世の中に朝が辛くて悩んでいる人はたくさんいます。「子供の頃からそうだから仕方ない」とあきらめている人もいると思いますが、単純に体質や努力の問題で済まないケースもあります。朝が起きられない背後には、心理的、医学的な問題が隠れていることもあるのです。
そこで今回は朝起きるのがつらい心理学的、医学的な5つの理由を解説していきましょう。
世の中に朝が辛くて悩んでいる人はたくさんいます。「子供の頃からそうだから仕方ない」とあきらめている人もいると思いますが、単純に体質や努力の問題で済まないケースもあります。朝が起きられない背後には、心理的、医学的な問題が隠れていることもあるのです。
そこで今回は朝起きるのがつらい心理学的、医学的な5つの理由を解説していきましょう。

1 プレッシャーやストレスが多い
朝起きるのがつらい人の中には、日常的に強いプレッシャーやストレスを抱えている場合があります。
「今日もやることが山積み」、「苦手な人に会わなくてはならない」、「仕事の結果が思うように出せない」といったプレッシャーやストレスが蓄積していくと、「朝=嫌なことが始まる時間」という認識が無意識に刷り込まれてしまいます。
その結果、睡眠が浅くなり、朝が来るのを体や心が拒否するようになります。そして、目覚めた瞬間に「行きたくない」、「逃げたい」と感じる状態になるのです。
特に、責任感が強い人ほど「今日も完璧にこなさなきゃ」と自分を追い込みがちです。このような心理的な負担が、朝の心身の重さとして現れます。つまり、朝起きられないのは、日々のストレスが限界を超えているサインなのです。
病気ではないのに、子供が朝起きられずに学校に行かない場合は、学校や家庭に何らかの問題があるサインです。子供は悩みを言葉にすることができないために、朝が起きられないという形でSOSを発しているのです。
「勉強についていけない」、「友達をつくれない」、「いじめがある」といった問題が隠れているはずなので、周りの大人が早く気づいてあげる必要があります。決して怠けているのではありません。
2 楽しいことがない
人生に楽しいことがないと、朝起きる意味を見出せません。子供の頃は友達と遊べる喜びだったり、休日には親にどこかに連れていってもらえたり、色々な刺激で楽しいことが沢山あったかも知れません。
ところが、大人になると「刺激的」、「楽しい」と感じることが少なくなり、「今日はこれをやりたい」というようなワクワク感がありません。今の仕事や生活に希望を持てないでいるのです。
朝起きても、やりたいこと、会いたい人、行きたい場所がなければ、力が出ないのは当然です。これは、心のエネルギーが枯れているサインでもあります。
3 生活リズムの乱れが慢性化している
朝がつらい人の身体的な理由で最も多いのが、生活リズムの慢性的な乱れです。人は朝日を浴びた時から、脳の中でセロトニンという物質の分泌が始まり、1日のリズムがスタートします。
14~16時間くらいするとセロトニンの分泌が減り、メラトニンという物質の分泌が増えることで自然な眠気が起こります。これによって24時間の生活のリズムが作られており、「体内時計」と呼ばれています。
ところが、「朝日を浴びる時間がほとんどない」、「起床時間が日によってバラバラ」、「遅くまで残業をしている」、「眠る直前までスマホやパソコンを見ている」、といった生活を続けていると、体内時計が乱れてしまいます。
また、「食事のタイミングが不規則」、「野菜を食べない」、「運動不足」といったこともセロトニン分泌を低下させるために、体内時計が乱れがちです。
これらの理由から、在宅勤務やフリーランス、シフト勤務の人は体内時計が乱れ、朝がつらくなりやすいことがお分かりになると思います。朝をスッキリさせるためには、普段から規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

4 起立性調節障害
生まれつき血圧が低い人は、朝のエンジンがかかるまでに時間がかかります。また、小学生から思春期にかけて、朝の血圧が低いために学校へ行けなくなる人もいますが、これは「起立性調節障害」と呼ばれる病気です。
ストレスが原因で、大人になってから発症することもあります。自律神経の失調により血圧のコントロールがつかなくなる病気です。
血圧が低く、「朝起き上がるとふらつき、動悸や息切れ、吐き気が起こる」、「午前中は頭が働かず、午後からようやく動ける」、「怠けてるわけじゃないのに、朝だけ本当に無理」という人は、この可能性を疑ってみてください。
小児科、循環器科、神経内科で診療ができます。軽度であれば生活改善で良くなることもあり、血圧をあげる薬が処方される場合もあります。
5 うつ病
朝起きるのが極端につらい場合は、うつ病の可能性があります。「朝のつらさ」は、うつ病の典型的な症状の一つです。行かなくてはならない学校や職場を遅刻したり、休んでしまったりというレベルの場合は、病気と考えるべきでしょう。
うつ病は、脳内のセロトニン分泌が減ってしまう病気であるため、生活リズムがいつのまにか狂ってしまいます。努力や気合で朝起きようとしてもどうにもなりません。まずはうつ病の治療を優先しましょう。

以上、朝起きられない理由について解説しました。
今回ご紹介したように、朝をスッキリさせるためには、ストレスを解消すること、規則正しい生活をすることから始めてください。
毎朝日光に当たることや軽い運動をすることも大切です。また、日々の楽しみを見つけることも気持ちよく目覚める活力になります。何か心から喜べることを探してみましょう。
しかし、何をどうしても改善されない場合はうつ病を疑うべきです。治療で改善するので、医療機関に相談してみてください。
