過保護・過干渉で育った人の5つの特徴


虐待やネグレクトは、子どもの心を傷つけてしまい、大人になってもそれを引きずってしまいます。それでは、過保護や過干渉も子どもの心の成長を妨げてしまうことはご存知でしょうか。

少子化の影響を受け、アメリカや中国に代表されるように、子どもを過保護・過干渉する親が世界的に増えています。まるで子どもの上をいつも飛び回って監視しているヘリコプターのような存在なので「ヘリコプターペアレント」とも呼ばれています。




本来親は、子どもが成人すれば一人の人間として尊重して接するようになり、子育ての役割を卒業します。ヘリコプターペアレントは、子どもが成人しても子離れができず、いつまでも自分の所有物のように接します。「私がいなければ、この子はダメになる」という言い訳があるのですが、いつまでも親の夢や理想を押しつけ、子どもがするべき決断や課題を先にやってしまうため、子どもが精神的に自立できなくなってしまいます。

ヘリコプターペアレントに育てられた人は将来どのようになってしまうのでしょうか。今回は、過保護・過干渉で育った人の特徴を5つ紹介しましょう。




1. 自信がない
過保護というと親に大切にされているイメージがありますが、子どもが自分で乗り越えるべき課題を親が先回りしてやってしまうために、子どもの心は成長しません。また、子どもがやりたいことが親の理想と一致しないと、頭ごなしに否定されてしまいます。
このために自信がなく、自分を好きになれず、自己評価が低くなってしまいます。成功も失敗も体験できずに育つために、自己肯定感が低くなってしまうのです。

反抗期は、子どもが反発することで、親が接し方を修正するきっかけになります。ところが、子どもが素直で反抗期がないと、親はいつまでも自分のやり方が正しいと思ってしまいます。反抗期はとても大切なものなのです。




2. 自主性がない
親の引いたレールの上での要求はなんでも聞いてもらえますが、それを外れるような主張は聞いてもらえません。
そのために親の顔色をうかがうようになり、本心を主張できなくなります。家庭の外でも自分を主張できず、決断することもできなくなり、いつも人に考えを合わせるようになってしまいます。これでは人としての責任感も育ちません。




3. 人に頼りがち
自主性がなく、自信もないので依存心が強くなります。これは親に対してだけでなく、人間関係全般にそうなります。
相手にやってもらって当たり前、支えてもらって当たり前、という態度になるため、人に信頼してもらえずに人間関係のトラブルも増えるでしょう。特にパートナーとの関係では、相手に依存しすぎて嫌がられてしまい、関係が壊れるきっかけになります。




4. 失敗や挫折に弱い
子どもの頃の失敗や挫折は、大人になって社会の困難を乗り越えるための練習になります。自分で問題を解決する体験をしていないと、対処方法や立ち直り方が分かりません。
失敗を自分で乗り越えていると、「ピンチはチャンス」というプラス思考もできるようになりますが、それを学べていません。問題に直面しても自分で何とかしようとせずに、人に丸投げすることが多く、逃げ出すこともあります。助けを得られない場合には、うつ病になりやすいとも言われています。




5. 偏ったプライド
親に社会的な地位があると、子どもに対して「お前は特別だ」と育てることが多く、子どもは偏ったプライドを持つようになります。特に親子の情的関係があまりなく、親がお金で問題を解決していると、「俺は何でもできる」といった偏った万能感ももつようになり、他人を見下すようになります。善悪の区別を学んできていないこともあり、何かトラブルがあっても自分の間違いを認めようとせず、相手を責めてしまいます。
韓流ドラマには、必ずわがままな韓国財閥の息子娘が出てきて事件を起こしますが、親子の情的なつながりがないまま、お金に守られ育てられた典型的な例ではないでしょうか。ドラマのほとんどは架空の話でなく、実際の財閥二世たちが起こした事件を元にしているのです。




自分の親がヘリコプターペアレントであると気づいたら、早めに親との距離をとるようにしましょう。具体的には、やることに口を出さないようにしてもらう、簡単に行き来できないように離れて住む、連絡を取らないようにする、などがあります。
いくつになっても遅いことはありません。むしろ、親子の距離を取った方が、時間はかかっても最終的には親子関係もよくなるでしょう。