うつ病の人が身につけたいスキル
今回の記事は、うつ病の発病や再発を予防するために、うつの人が絶対に身につけておきたい6つのスキルについて説明します。6つの中には、当たり前のようで意外とできていないことがあると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

1 断るスキル
人に親切にすることはとても大切なことですから、頼まれたことを断る時には良心の呵責を感じます。ところが、世の中には人を利用することしか考えない人や職場もあるのは事実です。そういった人や職場に関わると、私たちの親切心が悪用されてしまいます。
うつ病になった人から、「やり方をきちんと教えてくれないのに、仕事が次から次と舞い込んで来た」という話をよく聞きます。あの時「これ以上できません」と断ることができていたら、病気にならなかったと後悔しているのです。
具合を悪くしても職場は責任をとってくれません。時に優しさが仇になることもあるのです。何を言われようが、できないことは「できません」と断ることが必要です。
他にも、「復職したばかりなのに新しいプロジェクトを組まれてしまう」、「伝えたのにハラスメントをした人が相変わらず近くにいる」ということもよく耳にします。伝わっているはずのことが、伝わっていないことは職場で日常茶飯事です。
「私のことは分かってもらっているはずだ」と性善説に立つのではなく、できないことはしっかり断るというスキルを身につけましょう。
2 人を頼るスキル
先ほども紹介しましたが、「職場で分からないことを質問できない」、「仕事が多いのに誰も手伝ってくれない」、こうしたことからうつ病になる人はとても多いのです。大変なことを自分一人で抱え込んでしまうことは、うつ病の大きなリスクです。
「人を頼るな」と言われて育ってきた私たちですが、人を頼ることは大切なスキルなのです。すべて自分で何とかするのでなく、普段から分からないことやできないことは積極的に人を頼ってみましょう。
3 「もったいない」と思わないスキル
「もったいない」の精神は日本人の美徳と言われ、私たちの生活習慣に身についています。しかし、「時間がもったいない」、「お金がもったいない」とケチケチした生活で、余裕がなくなってしまうこともあります。
例えば、「時間があるからやってしまおう」、「出かけたついでに別の用事も済ませておこう」、「お金がもったいないから自分でやってしまおう」、こうした「もったいない」の精神が自分の負担を増やしてしまい、うつ病のリスクを高めていることもあります。心を病んでしまう原因になるので、なんでもかんでも「もったいない」はやめましょう。

4 疲れる前に休むスキル
集中力に自信がある人は、逆に疲れを感じにくいという欠点があります。集中し過ぎて、疲れの感覚が遮断されてしまうのです。作業の最中には疲れに気づかなくても、作業が終わった途端に、激しい疲れを感じるということが起こります。これもうつ病の人が陥りやすいことの一つです。
こういった人は、仕事でも家事でもゲームでも、「ここまでやったら終わる」でなく、最初から作業の時間を決めて、「時間が来たから終わる」という習慣を身につけましょう。
5 無理なスケジュールを入れないスキル
時間を決めて休むことが大切なように、時間単位だけでなく、1日無理をしたら翌日は無理をせずに休むようにしましょう。
また、1日にたくさんのスケジュールを詰め込むのも良くありません。疲れの蓄積は目に見えないので、できると思っても心も体もボロボロであることも多いのです。毎晩「あー疲れた」と床につくのでなく、余裕を持って眠りにつく生活が大切です。
6 「まあいいか」と考えるスキル
最後に紹介したい最も大切なことは、何事も「まあいいか」と割り切る習慣です。答えの出ないことに心をすり減らすことはやめましょう。
考えの沼に沈みそうになったら、「まあいいか」と切り替えるようにするのです。誤解しないでいただきたいのは、物事に投げやりになるのでなく、「自然な成り行きに心を委ねる」という意味です。
SSRIという抗うつ薬は、気分を持ち上げるというよりも、「まあいいか」とネガティブな考えを止めてくれる作用によってうつ病を治してくれます。ネガティブな考えにハマり込んでしまうのがうつ病の本質でもあることが理解できるでしょう。

自分でもどうしようもないことがあったら、考え続けるのでなく、「まあいいか」と早めに切り上げてしまいましょう。そうならない場合は、抗うつ薬の治療が不足しているのかも知れません。
「答えの出ないことは考えない」と心に決めて、「あとは神様に任せた」と割り切って生活することをお薦めします。
