心が壊れそうな時に起きること・心と体が離れてしまう病気
人は、受け止め切れないほどショッキングな出来事があると、どうなるのでしょうか?体を置いたまま、心だけがその場から逃げ出してしまうことがあります。
私たちの心は、普段は体に束縛されていますが、非常事態に勝手に体から離れてしまうことがあります。心が体や現実から離れてしまうことを心理学では解離と呼んでいます。
実は、軽い程度の解離ならば、日常ふつうに起きている現象です。例えば、スマホの動画に没頭して、周りの出来事に気づかないことがあります。体を現実世界に置いたまま、心は動画の世界にいるのです。
他にも、電車に乗って考え事をしていると、いくつかの駅を通ったことを思い出せないことはありませんか?これは物忘れでなく、駅を通り過ぎる時に心が体から離れていたために、景色やアナウンスを感じていなかったのです。解離している間、体はロボットのように自動運転モードになっていますが、何かあるとすぐに心は戻ってくることができます。
解離は、自分を守るための心の大切な働きです。子供が親から虐待を受けた時、苦しみや痛みを感じないように、心がイメージの世界に逃げ込むことがあります。そのおかげで、親からの罵声や、打たれた痛みは、実際よりも遠のいて感じられます。虐待が始まると感じたら、自分の意志で解離する子供もいます。
解離している間、心の抜けた体はボーとして反応がなくなっていることもあれば、泣きわめいていることもあります。
また、孤独な子供が、イメージの世界で友達をつくることがあります。これは、「イマジナリーコンパニオン」とか「イマジナリーフレンド」と呼ばれており、現実にはいない空想の友達と話したり、遊ぶことができるのです。
子供の頃にこのような体験を何度もしていると、大人になっても、些細なことで解離しやすくなります。否定される、気に入らないことがある、お腹がすく、体調が悪い、こうしたことがスイッチとなって、解離してしまうことがあります。中には、自分でスイッチを入れて、解離できるようになる人もいます。霊能者とかスピリテュアルと呼ばれる人たちです。
ただし、解離が予期しない時に起きたり、いつまでも心が戻って来ないこともあります。こうなると日常生活に大きな支障が出るでしょう。これは解離症という病気です。
解離症は珍しい病気ではありませんが、どこに相談したら良いかを悩んでいる人もたくさんいます。解離症にはいくつかの種類がありますので、それぞれについて説明しましょう。
私たちの心は、普段は体に束縛されていますが、非常事態に勝手に体から離れてしまうことがあります。心が体や現実から離れてしまうことを心理学では解離と呼んでいます。
実は、軽い程度の解離ならば、日常ふつうに起きている現象です。例えば、スマホの動画に没頭して、周りの出来事に気づかないことがあります。体を現実世界に置いたまま、心は動画の世界にいるのです。
他にも、電車に乗って考え事をしていると、いくつかの駅を通ったことを思い出せないことはありませんか?これは物忘れでなく、駅を通り過ぎる時に心が体から離れていたために、景色やアナウンスを感じていなかったのです。解離している間、体はロボットのように自動運転モードになっていますが、何かあるとすぐに心は戻ってくることができます。
解離は、自分を守るための心の大切な働きです。子供が親から虐待を受けた時、苦しみや痛みを感じないように、心がイメージの世界に逃げ込むことがあります。そのおかげで、親からの罵声や、打たれた痛みは、実際よりも遠のいて感じられます。虐待が始まると感じたら、自分の意志で解離する子供もいます。
解離している間、心の抜けた体はボーとして反応がなくなっていることもあれば、泣きわめいていることもあります。
また、孤独な子供が、イメージの世界で友達をつくることがあります。これは、「イマジナリーコンパニオン」とか「イマジナリーフレンド」と呼ばれており、現実にはいない空想の友達と話したり、遊ぶことができるのです。
子供の頃にこのような体験を何度もしていると、大人になっても、些細なことで解離しやすくなります。否定される、気に入らないことがある、お腹がすく、体調が悪い、こうしたことがスイッチとなって、解離してしまうことがあります。中には、自分でスイッチを入れて、解離できるようになる人もいます。霊能者とかスピリテュアルと呼ばれる人たちです。
ただし、解離が予期しない時に起きたり、いつまでも心が戻って来ないこともあります。こうなると日常生活に大きな支障が出るでしょう。これは解離症という病気です。
解離症は珍しい病気ではありませんが、どこに相談したら良いかを悩んでいる人もたくさんいます。解離症にはいくつかの種類がありますので、それぞれについて説明しましょう。

1 離人症、現実感消失症
心が体や現実から離れてしまうと、具体的には次のように感じます。「自分の体が自分でない」「外から自分を眺めている」「ずっと霧がかかっている感じ」、「まわりの人がロボットのように無機質に見える」「時間が過ぎる感覚がおかしい」。このような状態で生活に支障が出ることを、離人症または現実感消失症と呼んでいます。
これは、短時間のものを含めれば、20パーセントの人が経験したことがあるというデータもあるくらい、心の病気の中では多いものです。また、うつ病や不安症などの精神疾患の症状として見られることもあります。
残念ながら専門的な治療方法はありませんが、心配事がなくなり、生活が安定すると自然に良くなります。他の精神疾患の症状である場合は、元の病気が良くなることで同時に改善されます。
2 解離性憤怒
普段は優しくて大人しいのに、些細なことでキレて別人のようになる人は、解離の可能性があります。暴言を吐いて怒っている間、本当の自分は背後からボーとその姿を眺めているだけです。
解離がおさまっても、とんでもないことを言って騒いでいたことをよく憶えていません。これを解離性憤怒と呼んでいます。抑え込まれていた怒りの感情に体を乗っ取られてしまうのです。
怒って相手を傷つけているのに、自分自身はそれを憶えていないのですから、人間関係のトラブルになります。あんなに怒っていたのに、いつも通りに付き合おうとしたり、自分は怒っていないと主張するので、信用できない人とレッテルを貼られてしまいます。
これは、境界型パーソナリティ症の人にもよく見られる症状で、人から拒絶されたり、見捨てられるような状況が解離のスイッチになります。
解離性憤怒は、怒りをコントロールするというよりも、解離しないようになることが大切です。治療としては、情緒が不安定だとスイッチが入りやすいので、普段の気分を安定させることが目標になります。
また、何が解離のスイッチとなりやすいのか、自分も周りの人もよく理解することが必要です。そのような状況を避けるようにしましょう。

3 解離性健忘
解離により、その間の出来事を記憶していないことを解離性健忘と呼びます。例えば、何かショッキングな出来事から解離してしまい、東京で行方不明になった人が、1週間後に九州で発見された、といった感じです。どうやって九州まで行ったのか、その間どのように過ごしたのかを憶えていません。中には、数年間の自分の記憶を思い出せない人もいます。
4 解離性同一症
心が留守になっている間、体が別の人格に乗っ取られてしまうことを解離性同一症と呼びます。いわゆる多重人格です。映画やアニメにあるように、乗っ取る人格は「私は別人格の○○である!」と名乗るようなことはしません。
傍から見ていると、いつもの雰囲気と違う印象を受ける程度です。後から本人に聞いてみると、自分は後ろにいて、ボーと眺めていたとか、憶えていないと主張します。解離性同一症は、極めて稀な病気です。
精神医学や心理学では、子供の頃に虐待を受けると、苦痛を引き受ける新しい人格が生まれると考えています。そして、体の中に何人かの人格がいっしょにいて、出たり入ったり交代をすると言うのです。この考え方の根拠になっているのは、1970年代に発表された、アメリカのシビルという女性の証言です。
シビルは親から虐待を受け、その度に新しい人格が生まれ、最終的に16人の人格を持つようになりました。この自伝的な内容は本や映画になり、社会に大きな影響を与えました。しかし、2011年にシビルの証言は嘘であったことが暴露されています。精神分析家とジャーナリストもグルになり、話題性を狙って話を捏造していたのです。
このように、体を乗っ取る人格がなぜ存在するのかは未だに解明されていません。東洋には、昔から憑依という考え方があります。死者の霊が、解離で心の抜けた体に取り憑くというものです。現在でも、霊を取り除くための除霊の儀式は世界中で行われています。
例えば、イタリアでは、精神科医が精神病でないと診断された場合、カソリック教会でエクソシストにより除霊を受けることができます。エクソシストは映画やアニメだけのことではないのです。
解離症について説明しました。解離症は、心と体のつながり、もしくは心と現実のつながりが悪いことで起こりやすくなります。ですから、それぞれのつながりを深めることが治療になります。
心と体のつながりを良くするためには、まずは体を健康に保つことをしましょう。健康な体を通して、心に良い感覚を感じてもらえるようになれば、心と体はつよくつながるようになります。
また、現実が辛く、生活に安心感がないから、心はどこかへ逃げ出したくなります。心と現実のつながりを良くするためには、辛いことを減らして、楽しいことを増やして行くことが必要です。安心感のある生活が、心と現実のつながりを安定させてくれるのです。
