うつ病の人の特徴的な10の行動の変化
うつ病は、うつ気分という名前の通り、常に気分の落ち込みが続く病気です。実際は、気分の問題だけでなく、物事への興味や関心がなくなり、何かをする気力も失い、いつも疲れた感じがとれません。
うつ病とは、生きるエネルギーが枯れ果てた状態とも言い換えることができます。機械は電池が切れると、動作がおかしくなりますが、人も同じです。生きるエネルギーが枯れてくると、行動がおかしくなってしまいます。普段できていたことができなくなり、気づかないうちに生活に変化が出てくるでしょう。
それでは、うつ病になると、人はどのような行動のパターンをとるようになるのでしょうか?
今回は、うつ病の人の特徴的な10の行動の変化を紹介しましょう。これらは、行動の変化から気づかれるうつ病のサインでもあります。このような生活になっているならばうつ病を疑ってください。
うつ病とは、生きるエネルギーが枯れ果てた状態とも言い換えることができます。機械は電池が切れると、動作がおかしくなりますが、人も同じです。生きるエネルギーが枯れてくると、行動がおかしくなってしまいます。普段できていたことができなくなり、気づかないうちに生活に変化が出てくるでしょう。
それでは、うつ病になると、人はどのような行動のパターンをとるようになるのでしょうか?
今回は、うつ病の人の特徴的な10の行動の変化を紹介しましょう。これらは、行動の変化から気づかれるうつ病のサインでもあります。このような生活になっているならばうつ病を疑ってください。

1 家事ができなくなる
毎日当たり前のようにやっている家事ですが、実際はかなり頭を使うし、体のエネルギーも消耗するものです。うつ病になると家事の大変さを実感するようになります。
片付けや掃除ができなくなるので、部屋は散らかった物やゴミで足の踏み場もありません。台所の流し台は汚れた皿の山になります。さすがに洗濯はしないと着るものがなくなるので、洗濯機は回しますが、乾いた服は畳まずに床に置きっぱなしです。
うつ病の人は、このような悲惨な部屋の様子を見てもどうすることもできません。いつのまにかこの生活に慣れてきて、部屋の汚れを見ても見ぬふりをするようになります。
ただし、家事をしなくなる病気はうつ病だけに限りません。注意欠如多動症・ADHDという発達障害の人は生まれつき片付けが苦手で、計画的に行う家事全般が苦手です。また、統合失調症でも喜怒哀楽が乏しくなる陰性症状というものがありますが、これでも家事ができなくなります。
2 身なりを気にしない
本来はおしゃれで、ファッションにも自分なりのこだわりがあった人が、化粧をしなくなり、いつも同じ服を着ても平気になります。新しい服を買いたいとも思いません。必要に迫られ買ったとしても、買い物袋や紙箱に入ったまま床に置きっぱなしです。買ったことで安心し、すぐに袋や箱を開けるエネルギーがないのです。
3 風呂に入らない
風呂に入ることを「サッパリして気持ちがいい」「1日の疲れがとれる」と楽しみにしている人は多いのではないでしょうか。元気な時には感じませんが、入浴はかなりのエネルギーが必要です。
うつ病になると、風呂が辛くなります。特に、髪を洗って乾かすことを考えると、その大変さで気が重くなります。辛うじて入浴できても、サッパリどころか、一仕事を終えたような疲労感が残るのがうつ病です。風呂はやめて、シャワーだけにする人もいますが、大変であることには変わりはありません。
4 人を避ける
いつも楽しみにしていた職場の飲み会や友人とのランチや飲み会。気が付いたら、用事があると言って、誘いを断るようになっています。人と会って話すのが億劫になるためです。無理して飲み会に行っても、自分だけ別の空間にいるようで楽しめません。
家では、玄関チャイムが鳴っても居留守を使います。電話にも出たくありません。
5 休日は外出しない
土日休みを前にして、金曜日の夜は解放感から元気になります。かといって休みの日は昼まで寝込んで家でゴロゴロ生活です。うつ病では物事への興味や関心がなくなるため、趣味を楽しむ気分にもなりません。仕事が始まるかと思うと日曜は不調です。特に日曜の夕方くらいからは落ち込みがつよくなります。

6 エンタメを見ない
集中力も落ちるため、音や光の刺激が煩わしくなります。それまで楽しんでいた動画や音楽にふれても、内容が頭に入ってきません。エンタメを楽しめなくなるのです。いつも流行りの音楽を追いかけていたのに、いつのまにか関心がなくなっていたらうつ病のサインです。
7 怒りっぽい
つねにイライラしているので、ちょっとしたことが引っかかり、怒りのスイッチが入ります。ふだんでは怒らなかった場面でも怒るようになるため、家族や友人から「最近怒りっぽくない?」と指摘されることがあるでしょう。
8 お酒・タバコ・甘いものが増える
お酒、タバコ、甘いものは、一時的に脳のドーパミンという物質を増やすことで、頭のモヤモヤ感がとれます。仕事や家事など、やるべきことを目の前にして葛藤している時には、起爆剤になるのです。眠れない時には、睡眠薬の代わりにもなります。うつ病を放置していると、知らず知らずのうちに嗜好品をとる量が増えていきます。依存症になってからでは遅いので、嗜好品をとる量が増える場合はうつ病を疑いましょう。
9 職場の行き帰りに寄り道をする
朝から晩まで、虚しい感じがとれません。会社へ行くことは嫌だし、すぐ家へ帰るのでは物足りなく、用事もないのに職場の行き帰りに飲食店、コンビニ、本屋などに寄るようになります。買い物で少しは所有欲を満たすことができるので、必要もない物を買ってしまうこともあります。
10 身辺整理をする
生きている価値を感じなくなることを無価値感と呼びますが、うつ病の症状の一つです。無価値感から、消えていなくなりたい、人生をリセットしたい、と思う人もいます。自殺をしようとまでは思わなくても、「病気や事故で死ねたら楽だな」と感じるのです。中には、何かの理由で自分がいなくなっても、周りの人に迷惑をかけないように、身辺整理を始める人もいます。大事なものを人にあげたり、処分してしまうのです。
足の骨を折ったら、その日から歩けなくなりますが、うつ病の場合は、少しずつ症状が現れるので、生活は徐々に変化していきます。自分では気づけないまま、いつのまにか生活スタイルがガラッと変わっているのです。「おかしいから病院に行った方がいいよ」と周りから言われて、ようやく以前の自分と違っていることに気づきます。発病してずいぶんたってから病院を訪ねる人が多いのがうつ病の特徴です。
ただし、治療を始めるのが遅ければ遅いほど、回復には時間がかかります。治療は、ゆっくり休養をとること、抗うつ薬を飲むことの2つが柱です。どちらも自然治癒の力を後押しして、失った生きるエネルギーを回復していくことが目的です。これには時間がかかるので、発病してから治療を始めるまでに2~3年かかったならば、やはり回復までに同じ2~3年は必要と考えてください。ですから、おかしいと感じたら、早めに休むこと、受診することを心がけましょう。
