うつ病のやってはいけないこと
あなたは、うつ病と闘っていませんか?
世の中では、「病気と闘う」、「病気を克服する」という言葉を使うことがあります。具体的には、「リハビリを頑張る」、「痛みの伴うようなつらい治療に耐える」といった感じに、病気を手ごわい敵と想定して、戦いを挑む感じです。
ところが、うつ病の療養に関しては、「闘う」、「克服する」をしたら、よけいに状態が悪くなります。なぜなら、うつ病は生きるエネルギーが枯れた状態です。そもそも闘ったり、克服したりする力が湧いて来ないのです。
むしろ「闘わない」、「克服しない」ことで治っていく病気です。ゆっくり休むことを通して、傷ついた心が癒され、生きるエネルギーを充電することが大切なのです。
しかしながら、うつ病療養中に闘っている人も大変多く見られます。闘ってしまうことで、本来うつ病の人がやるべきでないことをやってしまうことも起こります。
今回は、うつ病と闘ってしまうことから起こりやすい、うつ病療養中にやってはいけない10のことを紹介しましょう。
世の中では、「病気と闘う」、「病気を克服する」という言葉を使うことがあります。具体的には、「リハビリを頑張る」、「痛みの伴うようなつらい治療に耐える」といった感じに、病気を手ごわい敵と想定して、戦いを挑む感じです。
ところが、うつ病の療養に関しては、「闘う」、「克服する」をしたら、よけいに状態が悪くなります。なぜなら、うつ病は生きるエネルギーが枯れた状態です。そもそも闘ったり、克服したりする力が湧いて来ないのです。
むしろ「闘わない」、「克服しない」ことで治っていく病気です。ゆっくり休むことを通して、傷ついた心が癒され、生きるエネルギーを充電することが大切なのです。
しかしながら、うつ病療養中に闘っている人も大変多く見られます。闘ってしまうことで、本来うつ病の人がやるべきでないことをやってしまうことも起こります。
今回は、うつ病と闘ってしまうことから起こりやすい、うつ病療養中にやってはいけない10のことを紹介しましょう。

1.うつ病であることを認めない
何事でも、負けを認めることは悔しいことです。一生懸命やって来たのに、気持ちも体も動かなくなることは、マラソンのゴールが見えたのに、走れなくなるような感じです。私たちは、自分のことは自分が一番分かっていると勘違いしています。
「まだまだ頑張れるはずなのに、なぜ動けないのだろう」、「ただ疲れているだけ、本気を出せばなんとかなる」、「薬は飲んでいるけれど本当は必要ない」と、自分の不調を努力不足と勘違いして闘っていることがあります。
自分の限界を越えて病気になってしまったことを良く理解しましょう。いまは休むことが最も必要なので、新しいことにチャレンジするのは良くありません。
2.「心が弱い人がうつ病になる」と考える
ずいぶん理解が進んだとはいえ、世の中にはうつ病への偏見が残っています。自分自身でも、「うつ病は心が弱い人がなるもの」、「結婚できない」、「仕事を辞めなくてはならない」と考えていることがあります。
そんなことはありません。うつ病は治る病気です。まずは自分から偏見を取り除きましょう。むしろ人生を頑張り過ぎた勲章であると考えるべきです。
3.いままで通りの生活をしようとする
うつ病になると、それまで当たり前にできていたことができなくなります。風呂に入ること、部屋の片付けすらできなくなるのです。子供でもできることがなぜできないのか、そんな自分を責めてしまいます。
しかし、病気なのだからできないのが当たり前なのです。具合が悪い時は、無理して風呂に入らなくても良いし、ずっと家にひきこもっていても良いのです。今まで通りのことをやろうとして、それができない自分を責めてはいけません。
特に「無駄が嫌い」、「怠けるのが嫌い」という生活を送って来た人は要注意です。療養中は効率優先の生活を続けてはいけません。せっかくの休みを無駄にしないように、習い事や資格をとろうとしたり、海外旅行に行こうとしたりする人もいますが、よけいに具合を悪くする結果になります。
4.嫌なことから逃げない
エヴァンゲリオンの有名なセリフの一つに、主人公シンジの「逃げちゃだめだ」があります。責任から逃げ回っている自分を奮い立たせるために、「逃げちゃだめだ」と自分に言い聞かせるのです。
しかし、うつ病の時はシンジ君になってはいけません。むしろ、弱音を吐いて、自分の心を守るために嫌なことから逃げることが大切です。
うつ病療養中には、「会いたくない人と無理をして会う」、「行きたくない旅行の誘いを断らない」、こうしたことはやめましょう。やると心が壊れてしまいそうなことからは、逃げることが大切です。
5.人と比べる
自分がうまく行っていない時ほど、輝いている人が目につくものです。大谷翔平の活躍をテレビで見ると、応援するどころか劣等感で落ち込んでしまうのがうつ病の特徴です。
友人の成功すらも苦しくなってしまい、純粋に喜んであげられない自分に情けなくなります。「一緒に遊んでいた友達が今では手の届かないところにいる。それに比べて俺は何をやっているのだろう。」となってしまうのです。。
人はそれぞれに人生のペースがあるので比べても仕方ありません。他人の情報はできるだけシャットアウトするようにしましょう。

6.答えを出そうと考え続ける
同じことをクヨクヨ考えることもうつ病の症状です。「現状を打破するために答えを出さなければ」と考え続けることがありますが、ほとんどは答えの出ない内容です。
そのうちズブズブと底なし沼に沈んでしまうだけです。とんでもない結論を出して自分を追い詰めてしまうこともあるでしょう。
かといって考えるのをやめようとすると、よけいに考えてしまうのが人間の心理です。このような時は意識を他へ向けることが大切です。
例えば、「散歩に出るなど体を動かしてみる」、「美味しい物を食べてみる」、「電話で誰かと話してみる」、といったことをしてみましょう。
7.大きな決断をする
うつ病療養中に、「人生もうダメだ」と考え、すぐに仕事を辞めたり、大切なものを処分したりする人がいます。これとは逆に、一時的に開放的な気分になり、「会社を辞めて起業してみるか」、「自分のご褒美にエルメスのバッグを買おう」など、気持ちが大きくなることもあります。
どちらにしても後で後悔するかも知れない決断です。仕事のこと、お金のことなど、うつ病療養中は大きな決断をしてはいけません。
8.嗜好品の取り過ぎ
うつで辛い時は、飲酒、喫煙などの嗜好品をとりがちです。また、ゲームのやり過ぎ、動画の見過ぎも体に良くありません。辛い気持ちを紛らわせることは必要なことですが、やり過ぎで体に無理をさせることはやめましょう。
子供の頃に先生から言われたようなことですが、「夜はしっかり7時間以上眠る」、「朝は起きて食事をとる」、「夜更かしをしない」、といったことは、うつ病のためにも必要なことなのです。
9.薬の力を信じない
うつ病は脳のセロトニン分泌が少なくなっている病気でもあります。セロトニンを増やすには何よりも抗うつ薬が必要です。うつ病は根性で治る病気ではありません。
良くなってくると薬を忘れがちになりますが、再発の一番の原因は自分勝手に薬をやめてしまうことです。治ったと思っても最低1年間は予防の服薬を続けます。再発の場合はもっと長い期間予防の服薬を続けましょう。薬は長く飲んでも問題ありません。
10.社会資源を利用しない
日本にはうつ病治療を支援してくれる社会資源があります。代表的なものに自立支援医療・障害手帳や障害雇用、そして障害年金などがあります。ところが、「障害手帳をもつほど悪くない」、「障害雇用なんてカッコ悪い」と言って、あえて助成を受けない人も見られます。
しかし、お金の問題がうつ病をこじらせていることもあります。積極的に助成を受けて、治療費の負担を軽くしたり、負担の少ない障害雇用を選択したりするのも賢い選択です。割り切って考えましょう。

精神疾患は自分を測る自分自身が病んでいくために、自分の状態を客観的に見られなくなります。特にうつ病の症状は、努力不足なのか、疲れなのか、それとも病気なのか、自分でもハッキリしないことがあります。まずは病気である自覚をしっかりもつことから療養を始めましょう。
