親を許せない人の特徴
何かの拍子に「親を許せない」という気持ちが湧いて来て、イライラする人がいます。思春期の子供ならよくあることかも知れませんが、実は中高年になってから感じている人も多いのです。当時の親と同じ年齢になって、子供の気持ちを理解しなかった親の姿がフラッシュバックのように蘇ってくると言います。
親子の情的な絆を心理学では「愛着」と呼びます。子供の頃の愛着関係がきちんとつくられることが、大人になってからの自己肯定感や対人関係につながります。それができないままに大人になってしまったら、親から愛されなかったことや理解してもらえなかったことは恨みになってしまい、いつまでも心に残ってしまいます。それが親を許せない気持ちとして蘇ってくるのです。
今回は、親を許せない気持ちが湧いて来る人の特徴を6つ紹介しましょう。
親子の情的な絆を心理学では「愛着」と呼びます。子供の頃の愛着関係がきちんとつくられることが、大人になってからの自己肯定感や対人関係につながります。それができないままに大人になってしまったら、親から愛されなかったことや理解してもらえなかったことは恨みになってしまい、いつまでも心に残ってしまいます。それが親を許せない気持ちとして蘇ってくるのです。
今回は、親を許せない気持ちが湧いて来る人の特徴を6つ紹介しましょう。

1 孤独
自分のことを本当に理解してもらったという体験がないために、辛い時の心のよりどころがありません。大人になっても心の真ん中にぽっかり穴があいていて、いつも寂しさや虚しさを感じています。何をやっても心から満たされた感覚をもてません。
パートナーや友達がいても表面的に仲良くしているだけで、親密な関係をつくることができず、いつまでも孤独感がとれない人もいます。孤独感がスイッチとなって、親を許せない気持ちがムラムラと湧いて来るのです。
2 自己肯定感が低い
親に褒めてもらったり、認めてもらったりした経験がないために、自分に自信がありません。どんなに立派な学歴や資格をとったとしても自信につながらないのです。
こうした人は、子供の頃に頑張って良い結果を出しても、親は決して褒めてくれず、「できて当たり前だ」、「親のお蔭だ」と言われてきました。その時の言葉は大人になっても頭から離れません。何かの拍子に思い出してしまい、親を許せない気持ちのスイッチが入ってしまうのです。
3 劣等感
自分に自信がないので、いつも他人からの評価を気にしています。自分で自分の価値を決められず、人と比べることで自分を評価してしまうのです。そのために劣等感を抱きやすい傾向があります。
人より劣っていたり、うまく行かないことがあったりすると、「親のせいでうまく行かない」という怒りが湧いてきます。

4 心の傷が癒えていない
「親を許せない」という気持ちが続いているということは、心の中でまだ解決されていない痛みや傷が残っていることを意味しているかもしれません。
これは例えば、親からの言葉や行動が、今も自分の中で「納得できないもの」として残っていたり、親に期待していたことが叶わず、喪失感や裏切られた気持ちがある。子どもの頃に抱えていた感情(怒り・悲しみ・孤独感など)が、いまも癒されずに影響しているといった、心の奥に残った感情が整理されていない状態です。
5. 親を許せない自分を許せない
父の日や母の日があるように、世の中では、親子が仲良く、子供が親に恩返しをするのが常識になっています。このような世の中の常識に照らし合わせて、いつまでも親を許せないでいることを情けなく感じることがあります。年をとっても恨みを抱えている自分自身を許せないのです。
しかし、恨みは自然に湧いて来るもので、自分ではどうしようもできません。「親を憎んではいけない」と、親への恨みを抑え込もうとすればするほどに、意識はそこに集中してしまいます。これを心理学では「精神交互作用」と呼んでいます。
6. 年をとっても変わらない親
大人になってから親を怒鳴りつけて、怒りをぶつける人もいますが、親は言い訳をしたり、黙り込んでしまったりと、期待した反応はありません。これがよけいに怒りを蓄積させてしまいます。
年をとって子供に間違いを指摘されたら、反省や謝罪をするのが人間としてあるべき姿です。ところが、親自身に発達障害、脳血管障害、認知症などの障害があると、子供から何を言われても心の問題は理解できません。子供の気持ちを永遠に理解できない親もいるのです。
こうした親を持っている人は、親と接する度に、許せない気持ちが倍増してしまうでしょう。

親を許せない気持ちは、抑え込んでもダメ、親にぶつけてもダメ、一体どう処理したら良いのでしょうか?
「親孝行」という言葉もありますが、これは親から受けた愛情への恩返しです。愛情を受けていないならば、返す恩もありません。親を許せない気持ちが湧いて来ても、バチはあたらないでしょう。
とりあえず親に自分のことを分かってもらえることは諦めて、親を許せない気持ちは放置しておきましょう。親が死んでから許せる人も多いので、いまは無理に解消させなくても良いのです。
そもそも「生みの親より、育ての親」と言われているように、親子には愛着という情的な繋がりが大切です。血の繋がりだけが親子ではありません。愛着関係をつくるのは実の親でなくても良いのです。親を許せない気持ちが強い人は、親の存在は無視して、親とは別の存在に心の拠り所を探しましょう。一番良いのは、あなたを大切にしてくれる人と良い関係を継続することです。良い出会いがないのならば、友達を大切にしたり、ペットを可愛がったり、推し活をしてみるのも良いでしょう。満足や安心を感じられる関係を続けてみることが大切なのです。
