人生がうまく行かない理由

あなたの人生がうまく行かない理由は何でしょうか?


例えば、「病気がなかなか治らない」、「仕事がうまくいかない」、「お金に困っている」、「よいパートナーに出会えない」など、思い通りにならないことを通して、誰しも人生がうまく行かないと感じます。私たちは幸せを求めて生きていますが、うまく行かないことが多すぎて、「苦しみを乗り越えるだけの人生」と感じている人もいるはずです。


うまく行かない大きな理由の一つは、願いと結果が一致しないことです。私たちは、結果を何とかしようと苦しむのですが、実は願いを考え直すことを通して、結果に対する感じ方を変えることができます。


例えば、一流大学に入りたいと願って、なかなか成績が伸びないで苦しんでいるとします。それならば、どこの大学でも学ぶ内容は同じだと考え方を変えて、目標の大学のレベルを下げれば苦しみから解放されるはずです。このように、あなたの願い自体を考え直すことが、苦しみから解放される大きな手段の一つなのです。


そうは言っても、「絶対に東大に入る」と言って譲らない人もいるでしょう。学歴への執着が取れないのです。実際には一度抱いた願いを変えることは大変なことで、他の選択肢があることに自分ではなかなか気づけません。こうしたことから人生がうまく行かないことがあります。


今回は、あなたの心を修正できないことから、人生がうまく行かない理由について説明しましょう。心をほんの少し修正することから、人生がうまく回っていくかも知れません。



1 執着していることはありませんか?

人は親から言われ続けたことや、子供の頃に憧れたことを通して、「自分は○○であるべきだ」という自分の虚像をつくります。「人から好かれるべきだ」、「出世するべきだ」、「お金をたくさん儲けるべきだ」、「結婚してたくさん子供をつくるべきだ」、「親子は仲良くするべきだ」など、考えてみるとたくさんの「○○するべきだ」に支配されている私たちなのです。


そして、そうなれない自分に苦悩しています。幻の自分を追い求めて疲れ果てているのです。別に人から好かれなくても生きて行けるし、お金は生活できる分だけ稼げれば良いのです。


結婚せず、子供がいなくても幸せな人はたくさんいます。世の中には仲の悪い親子もたくさんいます。「○○べきだ」をなくしてしまうと、心はずいぶん楽になるのです。それは分かっていても、「○○するべきだ」を諦められないことを執着と呼びます。


執着を捨てられないことが、人生がうまく行かない大きな理由の一つなのです。




2 比べていませんか?

執着はなかなか自分で気づけません。それが当たり前と考えていることの中に執着があるのです。「友達が一流大学に行っているから、自分も一流大学へ行かなくてはならない」、「いとこが子供をたくさん産んでいるから、私も子供をつくらなくてはいけない」という感じで、執着が自分にとっての常識になっている場合があります。


執着の根っ子をたどっていくと、私たちのプライドや負けず嫌い、そこからくる嫉妬の気持ちが隠れています。プライドや負けず嫌いは、自分を不幸にすることもあるのです。





3 現実から目をそむけていませんか

何かの執着を抱えていると、自分に都合が良い情報しか視野に入らないため、客観的に物事を考えられません。現実に起きていることを冷静に見られなくなるのです。


例えば、先ほどの一流大学に入りたい人の場合、「自分の成績でも合格している人もいるようだ」という都合の良い情報に振り回され、自分の実力では受からないという現実から目を背けがちです。


うまく行っていない時ほど物事を冷静に見なくてはいけません。執着がフィルターとなって、物事を正しく見られなくなっているからです。



4 変えられないことを変えようとしていませんか?

起きてしまった結果や過去は変えることはできません。しかし、執着がつよいと、変えられない結果や過去までもどうにかならないかと悩んでしまいます。私たちが変えられるのは、現在と未来だけです。結果や過去をクヨクヨしてエネルギーを使うことは、人生がうまく行かない原因にもなります。



「夢があるから」、「みんながそうだから」、「誰でもやっているから」という理由で、それに合わせようと背伸びをして生きていることがあります。これが生きづらさの原因であることは大変多いことです。


とりあえず最低限、住む場所があって食べられているのだから良いと考えましょう。周りの目を気にせず、できないこと、やれないことがある時は、「もう無理」、「できない」で良いのです。


夢に向かって頑張ることよりも、執着を捨てて、自分にあった生き方をしてみることが人生をうまく回すコツかも知れません。


2016年に亡くなられたノートルダム清心女子大学名誉教授の渡辺和子シスターは、うつ病を経験したことのある人です。シスターは「置かれた場所で咲きなさい」と言いました。


欲張らず、無理をせず、自分に合った生き方をしたら良いという意味です。ちょっとした心の変化があなたの生きづらさを解消してくれるでしょう。