うつ病の人が嫌なこと
意外ですが、これはうつ病の人にとって大きな負担になります。
うつ病は、病気になった人でないと理解できない複雑な心の問題があります。いままで当たり前にやってきたこと、やってもらってきたことが病気を悪くしてしまうことも起こります。
糖尿病になったら、当たり前にとっていたアルコールや甘い物を控えるように、うつ病になったら気を付けなくていけないことがあるのです。
今回は、うつ病のつらさが増してしまう意外なことを6つ取り上げて解説していきましょう。これは療養中の方だけでなく、うつ病の人と関わる方にも知っていただきたいことです。
うつ病は、病気になった人でないと理解できない複雑な心の問題があります。いままで当たり前にやってきたこと、やってもらってきたことが病気を悪くしてしまうことも起こります。
糖尿病になったら、当たり前にとっていたアルコールや甘い物を控えるように、うつ病になったら気を付けなくていけないことがあるのです。
今回は、うつ病のつらさが増してしまう意外なことを6つ取り上げて解説していきましょう。これは療養中の方だけでなく、うつ病の人と関わる方にも知っていただきたいことです。
1 人と会う
うつ病で休んでいると聞くと、心配した親戚や友人が「会いたい」と連絡をしてくることがあります。そんな時に「ありがたい」と思うのでなく、むしろ「気が重い」と、よけいに落ち込んでしまうのがうつ病です。気心の知れない人と連絡をとることは強いストレスになるからです。
以前ならば、「ちょっと緊張するけれども大丈夫」と受け流せていた出来事が、大きな負担としてのしかかります。心のエネルギーが枯れているため、人に会うことすらも困難を感じます。
「笑顔を作れない」、「会話のテンポが合わせられない」、「気を遣う余裕がない」、「相手の反応を過剰に気にしてしまう」といった心理状態にあり、特に普段会わない人とのコミュニケーションは、全力疾走した後のような疲労感を生みます。
このような状態であるため、無理をして人と会うことは禁物です。職場にうつ病で休んでいる人がいたら、よほどの用事でない限り、連絡をとらないこともルールです。
また、近所の人や古い友人で、病気のことを伝えていない人と会うことも苦痛です。現在何もできず、働いていないことをどう説明したら良いのか分からないからです。「今何しているの?」という質問に対して、説明に困ってしまうという話をよく聞きます。こうした人とも会わないことが何よりですが、何か聞かれたとしても挨拶代わりの言葉だと思って、適当に返事をすれば良いかと思います。
2 励まされる
相手の人が励ましのつもりで言った言葉が棘のように心に刺さってしまうこともあります。例えば、「うつ病は気持ちの問題だよ」という言葉です。これは、「努力すれば治るでしょう?」という風に聞こえてしまいます。
うつ病は脳の働きが低下した状態であるため、気持ちでどうこうできるものではありません。自分でも「怠けているのかな」と後ろめたく思っているのに、こんな風に言われてしまうと大変傷ついてしまいます。
また、「そろそろ働けそうだね」という言葉も同様です。表情が出て来た、会話が増えた、外出するようになった、そんな変化が周りには元気になったように映ります。
しかし、本人にとっては、「元気なフリをしているだけ」、「調子が良く見える時でも本音はしんどい」という場合もあります。そのために「働けそうだね」と言われると、「まだ元気じゃないのに…」、「元気じゃないといけないのかな」、「期待に応えられていない…」という焦りや自分を責めることにつながります。見た目と心の状態にギャップがあることを理解するべきでしょう。
3 不安定な時期の早起き訓練
ネットには、うつ病のセルフケアの情報がたくさん紹介されています。「朝起き」、「生活リズムを整える」という情報も多く、周囲も本人も「とりあえず早起きすればよくなる」と信じがちです。ところが、回復段階を間違えると危険です。
うつ病の急性期ではエネルギーが著しく低下しており、身体はとにかく休息を必要としています。その段階で「無理に早起き」をしようとすると、病状の悪化につながります。
本来、早起きによるリズム改善は、症状が安定した回復期に入ってから行うべきものです。また、回復期であっても、調子の悪い日はふとんでゆっくり休んでいる方が良いでしょう。
4 過去のルーティンをこなそうとする
うつ病の人がもっとも苦しむことの一つが、昔の元気だった頃の自分と、病気である現在を比べてしまうことです。
以前は簡単にできていた「朝起きる」「仕事をこなす」「家事をする」「趣味を楽しむ」といった当たり前の行動が、驚くほど困難になり、できない自分を責めます。「なんでこんなこともできないのだろう」、「もう元に戻れないかもしれない」という絶望感に陥ってしまうのです。
当たり前のことができないのは、脳のエネルギーが著しく低下しているための症状です。本人もそのことに気づけず、自分を強く責めてしまうことがあります。「病気だから、できないことはやらない」と開き直ることが大切です。
5 予定が入っていること
元気な時は何でもないような予定が、うつ状態では非常に大きな負担になります。
例えば、美容室や病院の予約です。その日が近づいてくるだけで不安になり、前日から眠れなくなることもあります。うつ病は日によって症状の波があるため、「今日行けても、明日は行けない」ということが起こります。そのために予定が大きなプレッシャーになるのです。
状態の悪い時は、無理に予定を入れないようにしましょう。元気になるまでは、できるだけ予約のいらない行動を選ぶことが必要です。
6 心配されないこと
「大丈夫」と言ってしまい、人を避けてしまうのがうつ病です。といっても、心配されないで、放置されてしまうこともつらさの原因になります。自分から人を避けてしまうのに、「誰も気にしてくれないのかな」、「迷惑と思われて距離を置かれているのかも」、「生きる価値がない」ということも考えているのです。
うつ病の人にとって辛いことは、みんなから忘れ去られてしまうことです。「心配しているよ」、「いつまでも待っているよ」といった暖かい言葉が何よりも救いになります。
うつ病の人から、「職場の人から連絡が入って調子を崩した」、「家族から励まされたはずなのに、傷ついてしまった」、「朝起き訓練が逆効果だった」といったことをよく耳にします。思わぬところから病状が悪くなることがあるのです。
うつ病は怠けや努力不足といった気持ちの問題ではありません。脳の機能が低下しているために起きている病気です。自宅でゆっくり休むこと、できないことはやらずに無理をしないこと、薬を飲むこと、こうしたことが回復につながります。
遠回りに見えても、マイペースにのんびり過ごしていることが一番なのです。周りの人も、うつ病の正体を良く理解してあげて、言動を選ぶようにしましょう。
