自殺リスクが高いうつ病の症状

こんな症状があるうつ病の人は、自殺リスクが高いので要注意です。


うつ病で最も注意が必要なことは自殺の問題です。自殺者の90%に精神疾患があり、そのうちの半数はうつ病であるというデータがあります。自殺は本人が辛いだけでなく、残された人たちにも心の苦しみを永遠に残してしまいます。


今回は、自殺のリスクが高いうつ病の危険な症状を8つ紹介しましょう。決して放置してはいけないサインです。





1 世の中のすべてが無味乾燥に感じる

朝起きた時から何の希望もなく、世の中すべてが無味乾燥に感じるような状態をメランコリアと呼びます。生きて行く意味を感じられず、絶望感しかありません。


ゲーム、動画、旅行、好きなアイドルなど、考えるだけでワクワクしていたはずのことが、何も感じなくなります。夕方以降に比較的楽になりますが、日中は砂漠の中を歩いているような感覚です。


メランコリアは深刻な症状であり、2週間以上続いている場合は自然な改善は期待できず、自ら命を絶つリスクも高いため、早めの治療が必要です。



2 「どうしたらいいの?」とジッとしていられない

「このままじゃだめだ」と、ウロウロ歩き回り落ち着いていられないのは、不安からくる焦燥感です。「これでいいの?」「どうしたらいいの?」と何度も同じ質問をするので、周りの人に呆れられてしまうこともあります。本人は不安でたまらずソワソワするために、ジッとしていられないのです。


このような焦燥感もうつ病に見られる症状ですが、衝動的な自殺につながることが多く、危険なサインの一つです。



3 パニック発作

早朝に胸が苦しくて目覚める、通勤電車の中で突然呼吸ができなくなるといったように、「このまま死んでしまう!」、「このままどうにかなってしまう!」という衝動をパニック発作と呼びます。


パニック発作はパニック症だけでなく、うつ病にもよく見られる症状の一つです。あまりの恐怖のために、朝を迎えるのが怖くなったり、乗り物に乗れなくなったりもします。そのまま自ら命を絶つリスクもあるのです。



4 叫びたくなるほどさみしい

孤独感は自殺の最も大きな原因です。うつ病では孤独感を感じやすく、家族に囲まれながらもつながりを感じないことが起こります。また、長く患っていると自分から人とのつながりを断ってしまい、社会的にも孤立します。


そして、「ペットが死んだ」、「頼っていた人が亡くなった」、「推しのアイドルが亡くなった」といったように、心の最後の拠り所になっていた存在を失うことが引き金になりやすいのです。


特に、ふだんから「遺書を書いている」、「大切な物を処分した」、「具体的な自殺方法を計画している」といったことがある場合は、さらにリスクが高くなります。





5 繰り返される自殺未遂

オオカミ少年の話はご存じかと思います。それに似たように、何度も自殺未遂を繰り返していると、周りの家族・友人そして医師までも「またか」と感じるようになってしまい、心配する気持ちが緩みます。そんな時に、完遂されてしまうことが多いのです。


実際の統計データでも、何度も自殺未遂をしている人は最終的に完遂してしまうことが知られています。繰り返される自殺未遂は決して軽く見てはいけません。



6. みんなに迷惑をかけている

うつ病になると物事を悲観的に捉えるようになり、これを認知の歪みと呼びます。これが進むと、被害妄想にまで発展することがあります。


ふだんなら気にしないような他人の言動でも、「私のせいでみんなが嫌な思いをする」、「私はいない方が良い存在だ」と自分を責め立てるようになります。


さらに、それが実際の声のようになって、「お前なんか死ね」と聞こえるようになる人もいます。言われるままに自殺を試みるケースもあるので大変危険な状態です。



7. 毎日酒を飲まずにはいられない

アルコールにはうつ気分を和らげる作用があるので、まるで薬代わりに飲酒をする人がいます。毎晩大量に飲んだり、朝から飲んで仕事に行ったり、意識を失うくらい飲んだり、というのは普通の飲み方ではありません。


テレビのコマーシャルでも流れていますが、現在、アルコール依存症とアルコール乱用をまとめて、「アルコール使用症・AUD」と呼ぶようになりました。


うつ病の人にもAUDが多く見られます。そして、AUDの自殺のリスクは通常の50倍も高いことが知られています。



8 家族が自殺で亡くなっている

最後に、うつ病の症状ではありませんが、統計データでは、家族に自殺した人がいると自殺のリスクが高くなります。


有名なのは、どちらかが自殺をした双子の調査研究です。同じ遺伝子をもつ一卵性の双子の方が、違う遺伝子をもつ二卵性の双子よりも、双子のもう一方も自殺をする確率が高いのです。


こうした研究から、自殺には何らかの遺伝的な要素が関わっていることが知られています。実際に遺伝子が見つかったわけではありませんが、セロトニンを分泌することに関与する遺伝子が関わっていることが考えられています。



以上、自殺につながりやすいうつ病の危険なサインを8つ紹介しました。


毎日嫌なことが続き、「明日目が覚めなければいいのに」、「癌になって早く死ねたらいいな」、「事故に巻き込まれて一瞬でいなくなりたい」と、実際に死にたいのではないけれども消えていなくなりたいと考えるうつ病の人は非常に多くいます。


これは「受動的な希死念慮」と呼ばれるもので、消極的な死にたい願望です。単なる現実逃避とは考えず、危険なサインとして考えましょう。


一度死にたい気持ちに取り憑かれると、なかなか消えてくれません。何かの拍子につよい衝動となり実行に移してしまうことがあります。決して自分一人で抱え込まず、精神科医やカウンセラーに相談してみてください。