うつ病の矛盾した気持ち

「孤独が嫌なのに一人でいたい」という矛盾した気持ちはありませんか?


うつ病になると、「~したいのに~しない」もしくは「~したくないのに~してしまう」といった矛盾した心の状態を経験します。心と行動が逆の方向に向かってしまうのです。


これは、うつ病で病んでいる自分と、それを認められない自分の2つが心の中にあるためです。辻褄が合わない2つの自分がいるために、矛盾した気持ちが湧いてくるのです。


このような矛盾した気持ちを放置していると、思い通りにならない自分自身を責め始めるようになり、ついには「情けない」「ダメ人間」と卑下するようになります。


これでは、うつ病で自信を失っているところに、さらに追い打ちをかけることになるでしょう。うつ病の治りづらさにもつながるため、矛盾した気持ちを抱いても、自分を責めないことが必要です。


今回は、うつ病の矛盾した気持ちを8つ紹介したいと思います。病気を受け入れきれていない自分に気づき、自分の心を大切にするようにしましょう。





1 孤独が嫌なのに一人でいたい

うつ病で最も苦しいことの一つが孤独感です。世の中から一人だけ取り残されたような辛さが常について回ります。


それでいて、人と関わろうとする意欲や集中力はなく、むしろ一人で過ごしたい気分です。「孤独は嫌なのに一人でいたい」というのは矛盾した状態ですが、これがうつ病です。



2 大丈夫でないのに、大丈夫なふりをする

辛くても人に助けを求めず、我慢強い人は、うつ病になりやすい傾向があります。大丈夫でないのに、大丈夫なふりをしてしまうのです。


辛くても弱音を吐かないことは立派なことですが、度が過ぎれば、心を病んでしまいます。もしかすると、これがあなたのうつ病の原因かも知れません。



3 やりたいのにやれない

「やらなくては」という強い義務感がありながら、体が鉛のように重く、すぐに行動に移れないのがうつ病です。


大事な用事も先延ばしになってしまいます。やり残したことが山のように積もり、どこから手を付けたら良いのか分からなくなり、逃げ出したい気持ちになります。



4 頑張りたいのに頑張れない

同じように「頑張りたいのに頑張れない」のがうつ病です。怠けているのではなく、誰よりも努力したいのにできないのです。


「働きたいのにできない」、「人の役に立ちたいのに迷惑をかける」、この矛盾した気持ちに振り回されていると、いつのまにか「私はダメ人間だ」という結論に陥ってしまいます。





5 考えたくないのに考え続ける

嫌な過去、嫌な人の顔、将来の不安など、考えたくないことが無意識に浮かんでくるのもうつ病の特徴です。そして、いつまでも頭の中をグルグル回り続けます。


考えないようにするとよけいに考えてしまい、辛くて「ワー」と声を出して叫んでしまうこともあるでしょう。これは脳疲労が原因の「グルグル思考」と呼ばれるものです。




6 怒りたくないのに、怒ってしまう


うつ病にはイライラや怒りが伴います。感情のコントロールがつかず、ちょっとしたことで人を叱りつけたり、大きな声を出したりするようになります。後から、「何であんなことで怒ったのだろう」と自己嫌悪に陥ってしまうことは、よく聞く話です。



7 買いたくないのに買ってしまう

いつも虚しさが伴うため、コンビニやネットで余計なものを買ってしまいます。買い物には気分解消の力があるからです。


同じ物や無駄な物を買ってしまい、いつも後悔するのですが、それでもやめられません。日常に満足感がないから、同じことを繰り返してしまうのです。



8 死にたいけれども痛いのが嫌

「死にたい」、「消えていなくなりたい」という希死念慮を感じるのもうつ病です。


かといって、「痛い死に方は嫌」、「自殺して地獄へ落ちるのも嫌」と考え、「できれば事故や癌で早く死にたい」と口にする人がいます。「楽して死にたい」というのも変ですが、これは現実が辛過ぎるために、そこから逃げ出したいという気持ちの反映です。



以上、うつ病の矛盾した8つの気持ちを紹介しました。


人はAIではありませんから、矛盾した気持ちを抱いてしまうことは誰にでもあることです。うつ病の人が矛盾した気持ちを抱えるのは、病気の自分とそれを認められない自分の2つが反発しあっているのが原因です。


病気であることを素直に受け入れて、「できないことはできなくて仕方ない」と自分に優しくしてあげてください。そうすれば、この複雑な気持ちは少しずつ解消されていくでしょう。


もしあなたの身近な人が病気になったならば、「怠けてないで頑張れ」、「だらしないからきちんとしろ」とは決して言わないはずです。必ず、「無理をしないで」、「ゆっくり休みなよ」と労い、慰めてあげることでしょう。


同じように自分に対しても、できない自分、やれない自分を優しく慰めてあげてください。