子供の頃から消えていなくなりたい
「子供の頃から消えていなくなりたかった」と言う人がいます。
日本の自殺者数は減少傾向にありますが、若者の自殺者数は横ばいで減っていません。現在、40才未満の死因の1位は自殺です。
自殺と言うと、直前に何か心が傷つくことがあったと考えやすいのですが、若者の自殺には原因が見つからないことがほとんどです。亡くなった後に「あの人がなぜ?」となるケースが多いのです。
学校や職場へ行けて、傍(はた)から見ると普通に生活を送っているようでも、理由なく死にたい気持ちを抱えて生きている人がたくさんいます。こうした人は日常生活を普通に送っており、食事も睡眠もとれているので、典型的なうつ病とまでは診断できません。
ところが、子供の頃から本心からの喜びを感じられず、いつも「消えていなくなりたい」と頭の片隅で考えています。これはうつ病の一つで、気分変調症と呼ばれる病気です。
気分変調症は慢性化したうつ状態と言えます。正式には、2013年から「持続性抑うつ症」という病名で呼ばれるようになりました。昔は「抑うつ人格」とも呼ばれていたように、性格の問題と考えがちですが、治療で良くなる可能性もありますから、専門家を頼って見ることが必要です。
今回は、子供の頃から希死念慮を抱えている人、気分変調症がどのような状態であるのか、詳しく解説しましょう。
日本の自殺者数は減少傾向にありますが、若者の自殺者数は横ばいで減っていません。現在、40才未満の死因の1位は自殺です。
自殺と言うと、直前に何か心が傷つくことがあったと考えやすいのですが、若者の自殺には原因が見つからないことがほとんどです。亡くなった後に「あの人がなぜ?」となるケースが多いのです。
学校や職場へ行けて、傍(はた)から見ると普通に生活を送っているようでも、理由なく死にたい気持ちを抱えて生きている人がたくさんいます。こうした人は日常生活を普通に送っており、食事も睡眠もとれているので、典型的なうつ病とまでは診断できません。
ところが、子供の頃から本心からの喜びを感じられず、いつも「消えていなくなりたい」と頭の片隅で考えています。これはうつ病の一つで、気分変調症と呼ばれる病気です。
気分変調症は慢性化したうつ状態と言えます。正式には、2013年から「持続性抑うつ症」という病名で呼ばれるようになりました。昔は「抑うつ人格」とも呼ばれていたように、性格の問題と考えがちですが、治療で良くなる可能性もありますから、専門家を頼って見ることが必要です。
今回は、子供の頃から希死念慮を抱えている人、気分変調症がどのような状態であるのか、詳しく解説しましょう。
1 子供の頃から「消えていなくなりたい」
幼い頃から自分の存在に価値を感じられず、「自分は必要のない存在」と考えています。これを無価値感と呼びますが、無価値感が心の根っ子にあるのです。
生きる意味は分からなくても、それなりに自分には価値があると考えるのが普通の人です。ところが物心ついた頃から、自分に価値を見出せないどころか、いない方が良いという歪んだ考えが身についています。
そして、人から否定されたように感じたことがスイッチとなり、無価値感は意識に上がってきて、「消えていなくなりたい」という気持ちになります。
消えていなくなりたい気持ちの正体は、心に染みついた無価値感なのです。
2 喜びがない
朝目覚めても「今日はこれをやろう」という喜びや意欲がありません。朝早くに起きるのも苦手です。いつも心配事を抱え、必ず何かをくよくよ気にしています。希望はなく、食べて寝て、言われたことをやり、ただ淡々と毎日を送っているだけの生活です。
3 ちょっとしたことで傷つきやすい
人のちょっとした言葉や態度に敏感です。人のいつもと違う言葉や態度に触れると、「嫌われている」と否定された感じになります。相手に悪い気持がなくても、被害妄想のように拒絶されたと勘違いしてしまうこともあります。
心の根っ子に「自分は必要のない人間だ」があるので、何かのきっかけでこれが顔を出すのです。
4 自分と関連付ける
特に因果関係がなくても、悪いことは自分のせいであると考えます。自己肯定感が下がるために、周りで起きる出来事を、「自分はダメな人間だ」という考えに結び付けてしまうのです。
例えば、「家族が病気になったのは自分のせいだ」、「会社のプロジェクトが失敗したのは自分のせいだ」と、自分を責めるようになります。
5 グルグル思考
過去の失敗が浮かんできて、頭の中をグルグルと回っています。心理学では、「反芻(はんすう)思考」と呼びます。「反芻」とは、牛などの草食動物が、胃で消化した草を再び口に戻して咀嚼し、これを何度も繰り返すことです。食べ物が、口と胃を行ったり来たりするように、ひとつの考えがいつまでも頭の中を行ったり来たりして、結論が出ません。
反芻する内容の代表は、後悔です。「こうしておけば良かった」、「なんでああしなかったのだろう」と、後悔が止まりません。特に、風呂に入っている時、眠る前など、周りが静かでゆっくりしている時に限って浮かんできます。
「将来うまく行かない」という考えも反芻されます。新しい出来事は、過去の失敗と重なり、失敗の可能性ばかりを考えてしまうのです。
6 生きる意味を考える
生きる意味や目的を考え始めるのも、反芻思考の一つです。いくら考えても答えは出ません。そこで修行をしたり、深い思考にふけり、新たな生き方を見出せるのは、歴史に名を残すような宗教家や哲学者だけです。ふつうの人には答えは出ません。それどころか、「自分には生きる価値がない」という悪い結論を出してしまいます。
今回紹介したように、心がつらい時は、ネガティブな考え方になります。誤った判断につながり、自分を窮地に追い詰めてしまいます。思い込みで人を誤解するだけでなく、暗示や誘惑に引きずられるため、良くない人と交流をもったり、大きな買い物で失敗したり、仕事で間違った判断をすることがあるのです。先ほども紹介しましたが、詐欺師に騙されることもあるでしょう。
心がつらい時は、大きな決断をしてはいけません。生きる意味や目的も、考えない方が良いのです。何よりも、心と体を休めることを優先しましょう。脳を休めることで、ネガティブな考え方を止めることができます。特に睡眠と食事をきちんと確保することに意識を向けましょう。
今回紹介した考え方の特徴は、うつ病の人にも大変多く見られるものです。このような考え方に陥っているだけでなく、眠れない、食べられないが続いて、脳を休めることができないならば、自分の力で悪いループから抜け出せません。これは、うつ病の可能性もあります。放置しないで、精神科を受診するのが良いでしょう。
