死にたいと生きたくないは同じではない
「死にたい」という言葉の背後には、「生きたいけれども辛過ぎる」、「死にたくないけれども生きたくもない」、「死にたい気持ちに抗(あらが)えない」の複雑な気持ちがあります。
「死にたい」という言葉は大変重たい言葉です。その背後には複雑な気持ちが隠れています。例えば、つよい死にたい衝動に駆られて、自殺を実行に移そうとする人から、「死にたい」というよりむしろ「生きたくない」という方が的確な状態の人もいます。
「死にたい」と感じる時に、背後にある自分の気持ちを人に伝えて助けを求めることはとても大切なことです。緊急に何らかの保護が必要な状態か、それとも周りの人の日常的な援助で何とかなる内容なのか、周囲に伝えることが必要だからです。また、気持ちを言葉にすることは、自分自身の心の整理のためにも大切なことです。
今回は、「死にたい」という言葉の背後の複雑な3つの気持ちについて説明したいと思います。死にたいと感じた時に、立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。
「死にたい」という言葉は大変重たい言葉です。その背後には複雑な気持ちが隠れています。例えば、つよい死にたい衝動に駆られて、自殺を実行に移そうとする人から、「死にたい」というよりむしろ「生きたくない」という方が的確な状態の人もいます。
「死にたい」と感じる時に、背後にある自分の気持ちを人に伝えて助けを求めることはとても大切なことです。緊急に何らかの保護が必要な状態か、それとも周りの人の日常的な援助で何とかなる内容なのか、周囲に伝えることが必要だからです。また、気持ちを言葉にすることは、自分自身の心の整理のためにも大切なことです。
今回は、「死にたい」という言葉の背後の複雑な3つの気持ちについて説明したいと思います。死にたいと感じた時に、立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。
1 生きたいけれども辛過ぎる
「次から次と問題が起こる」、「毎日嫌なことばかり」、「誰にも理解してもらえない」といったように、何をやってもうまくいかないとつい口から出てくる言葉が「死にたい」です。
失敗、挫折、苦労続き、いじめ、束縛など、強いストレスが続くと、脳の働きは大きく低下し、思考がネガティブになります。さらに、「生き続けるか、終わらせるか」といった白黒思考にも陥ります。そのために「死にたい」という言葉が浮かんでくるのです。
しかし、「死にたい」には、「生きたいけれども辛過ぎる」という意味も含まれています。本心に生きたいという気持ちがあるからこそ、出てくる言葉が「死にたい」なのです。
これは問題を自分一人で抱えてはいけないという状況です。心が限界に近づいていて、誰かに理解してもらい、助けてもらわなくてはならないサインでもあるのです。
もしこのような状況を我慢していると、突然涙が出てくるようになり、自分を傷つける行動が起こることもあります。例えば、髪の毛を抜いたり、爪をはがしたりすること、顔や手足を引っ掻くこと、過食、刃物で体を傷つけること、など、いわゆる自傷行為です。自分を傷つけたその痛みで、湧いて来る死にたい気持ちを強引に封じ込めているのです。
「死にたい」という考えが浮かんで来る時は、人と繋がりをもたなくてはいけません。「この程度のつらさでは助けを求めてはいけない」、「大丈夫」と考えないようにして、誰かに助けを求めましょう。これ以上自分一人で問題を抱え込んではいけないのです。
2 死にたくないけれども、生きたくもない
実際に死にたいわけではないけれども、「病気や事故で死ねたら楽だろうな」、「人生をリセットしたい」というのは、生きる気力を失ってしまった状態です。これは受動的な希死念慮とも言われます。
「自分には生きる価値がない」、「みんなに迷惑をかけている存在だ」といった無価値感を伴うこともあるでしょう。後悔から抜け出せず、いつもネガティブな考えに苛(さいな)まれているかも知れません。また、誰からも関心を持ってもらえないといった孤独感に苦しんでいる場合もあるでしょう。
このような受動的な希死念慮を抱いてしまう場合、うつ病の可能性が考えられます。精神科の治療が必要な状態です。
3 死にたい気持ちに抗(あらが)えない
1日中絶望感に苛(さいな)まれ、世の中すべてが無味乾燥に感じる毎日。こんな時にちょっとした出来事や人から受けた心無い言葉がスイッチとなり、強烈な死にたい衝動がやってくることがあります。
周りが見えなくなり、「もう死ぬしかない」という気持ちに逆らえません。人の言葉も耳に入らなくなり、ただ死ぬことだけを考えてしまいます。
自殺の方法を調べてみたり、遺書を書いてみたり、大切な物を処分してみたりすることもあります。これは大変危険な状態です。正常な心の状態でなく、うつ病である可能性が強いでしょう。
以上、「死にたい」という言葉の背後の複雑な3つの気持ちについて説明しました。
実際にはこれらの3つの感情に境界線はありません。死にたいと感じる人は、これらの3つの気持ちを行ったり来たりします。どれかに留まらずに、日によって変化をする人もいます。
自殺で亡くなられた人の脳の研究があります。その結果、亡くなられた方の脳のセロトニンが低下していることが報告されています。どうやら脳のセロトニン分泌が少なくなることが、死にたい衝動に負けてしまう原因の一つのようなのです。
精神科では、希死念慮のある患者さんにセロトニンを増やすSSRIという抗うつ薬が処方されます。速効性はありませんが、ネガティブな思考を改善させる力があります。実際にSSRIの広がりにより、自殺者は世界的に減少しました。
「死にたい」と言葉がでるようならば、人に助けを求め、人とつながらなくてはいけないサインです。そして、精神的な援助だけでなく、精神科で薬の治療を相談することも大切なことです。
