自殺する傾向がある人のサイン
このような傾向がある人は、自ら命を絶つ選択をしやすいので注意が必要です。
嫌なことがあったら、「消えていなくなりたい」と思う瞬間は誰にもあります。しかし、そこから自殺を実行に移す人は一部です。なぜなら、心の中の命を守ろうとする理性が働くために、「死んではいけない」と感じるからです。
自殺を試みる人は、「死にたい」という衝動に理性が負けてしまうことが原因です。こうした人にはいくつかの共通する要素があります。
今回は、自殺のリスクが高まりやすい特徴について説明したいと思います。その特徴を知ることで、現在「消えていなくなりたい」と感じている人が、自殺という悲しい結論を導き出さないことを願っています。
嫌なことがあったら、「消えていなくなりたい」と思う瞬間は誰にもあります。しかし、そこから自殺を実行に移す人は一部です。なぜなら、心の中の命を守ろうとする理性が働くために、「死んではいけない」と感じるからです。
自殺を試みる人は、「死にたい」という衝動に理性が負けてしまうことが原因です。こうした人にはいくつかの共通する要素があります。
今回は、自殺のリスクが高まりやすい特徴について説明したいと思います。その特徴を知ることで、現在「消えていなくなりたい」と感じている人が、自殺という悲しい結論を導き出さないことを願っています。
① 家族に自殺した人がいる
家族の中に自殺で亡くなった方がいると、自殺のリスクが高まることが調査で示されています。もちろん、「自殺そのもの」が遺伝するわけではありません。衝動性や精神疾患が遺伝的な影響を受けることがあり、それが間接的にリスクに関わるとされています。
それに加えて、家族の自殺を身近で経験すること自体が、つよいトラウマになります。「自分もいつかそうなってしまうのではないか」という漠然とした不安感や、「もっと何かできたのではないか」という罪悪感が何年にもわたって続き、何かトラブルを抱えた時に自分自身も自殺を選択肢としてしまうことがあるのです。
このように、家族を自殺で失った経験がある方は、「自分は影響を受けやすい状況にいる」と知っておくことが、早めに助けを求めるきっかけになります。これはあなたの心の弱さではなく、経験してきたことが大きかったということです。
② 自傷行為の習慣がある
自傷行為とは、心が辛い時、体を傷つけた痛みで辛さを和らげようとする行動です。体を傷つけると、脳内ではドーパミンが放出されるために辛い気持が解消されるのです。「死にたい」というより、「この辛い気持から逃れたい」という動機で始まることが多く、自傷と自殺は必ずしも同じ意味ではありません。
しかし、自傷の習慣がある人が、自殺の試みに移行しやすいことも事実です。理由のひとつは、身体への痛みや傷に少しずつ慣れていくことで、より深刻な行為へのハードルが下がっていく可能性があるからです。
また、追い詰められたときに「体を傷つける」という選択肢がすでに自分の中にある状態は、衝動的な行動につながりやすいとされています。
このように自傷行為は自殺につながりやすいものですが、治療で改善させることができます。精神科で相談してみることをお薦めします。
③ 飲酒の習慣がある
アルコールは辛い気持を和らげてくれるので、つい頼りがちになってしまいます。ところが、アルコールと自殺には強い関連があることが知られています。実際に、自殺の時に飲酒状態だったケースが少なくありません。アルコールの力で理性が吹っ飛んでしまい、実行に移されることが多いのです。
また、アルコールへの依存が進むと、飲んでいないときにも不安感や落ち込みが強くなっていきます。それが自殺衝動につながります。飲酒習慣のある人は自殺のリスクが高いのです。「お酒がないとやっていられない」と感じている方は、非常に危険な状態にいることを知っていただきたいと思います。
④ 孤立している
人は孤立すると、自分の苦しさを客観的に見ることが難しくなります。「誰にも話せない」、「理解してくれる人が一人もいない」という状況は、自殺のリスクを大きく高めます。一人暮らしの人に自殺率が高いことも知られています。
誰かに話すことには、気持ちを言葉にして整理する効果があります。また、「話を聞いてもらえた」という体験自体が、「自分はここにいてもいい」という感覚を取り戻させてくれます。身近に話し相手がいると良いのですが、相談窓口でも構いません。「こんなことで電話していいのか」と思わなくて大丈夫です。話すこと自体に意味があります。
⑤ 精神疾患がある
自殺を試みた人の90%に何らかの精神疾患があったことが知られています。うつ病、双極症、統合失調症、境界性パーソナリティ症など、多くの精神疾患は、希死念慮と関連があるのです。
うつ病は、「何もかもが絶望的」、「自分には価値がない」、「この先どうせ変わらない」という、現実とは異なる認知のゆがみを引き起こし、希死念慮につながります。
双極症や境界性パーソナリティ症は、衝動性がつよくなる病気であり、自殺行動をとりやすくなります。統合失調症は、「死ね」という幻聴に逆らえず自殺を実行してしまうこともあります。このように病気の症状により自殺を試みてしまうのです。
⑥ 経済的な悩みがある
調査によると失業や経済的な破綻がある人は自殺率が高くなります。お金の問題は生死にかかわる大きな問題なのです。役所や法テラスに無料相談の窓口があるので、躊躇せずに早めに相談するようになりましょう。
債務整理、自己破産、生活保護などの解決策があります。こうしたことに人目を気にする人もいますが、命とは引き換えにできません。
⑦自己肯定感が低い
自己評価が低い人は自殺の傾向が高いと言われています。特に、子どもの頃に虐待やいじめなどの慢性的なストレスを経験してきた人は、大人になってからも自己肯定感が低く、ネガティブな世界観を持ちがちです。「自分には価値がない」、「どうせ誰も助けてくれない」、「世界は不安だらけ」という感覚は自殺につながりやすいのです。
⑧ 不眠症がある
睡眠不足は、脳の機能が低下するために感情のコントロールがつかなくなり、ネガティブな考えにも陥りやすい状態です。「もう終わりにしたい」という衝動が湧きやすく、抑えにくい状態でもあるのです。
床についても眠れない日々が続き、深夜の孤独感が重なると、希死念慮が湧いて来ることがあります。不眠症には必ず原因がありますので、放置しないで医療機関に相談してみましょう。
以上、自殺する人の傾向について解説しました。
自殺には文化的な背景も影響しています。キリスト教圏では自殺は罪とされているので、自殺率が低いのですが、日本は死んでお詫びをするという自殺の文化があったこともあり、長年高い自殺率を保っていました。その後、国を挙げての自殺防止運動により自殺率は下がっています。自殺は防ぐことができるのです。
今回紹介した内容がご自分に当てはまったり、知り合いに当てはまる人がいたりする場合は注意をしましょう。特に、いま死にたい気持ちを抱えている方は、悲しい結論を導き出さないように、早めに医療機関や役所の窓口に相談してみてください。
