ASDあるある

2人きりなら話せるけれど、3人以上では何を話して良いか分からない。


学生時代はそれなりにやれていたのに、社会に出てから、「なんで自分は人とうまく付き合えないのだろう」、「どうして孤立してしまうのだろう」と悩みを抱えている人がいます。こうした人の中には、自閉スペクトラム症・ASDといった発達障害が隠れていることがあります。


ASDは、生まれつきの障害であり、「人間関係をうまく作れないこと」と、「物事へのこだわりのつよさ」が特徴的です。普通は小学生の頃に気づかれるのですが、成績や学校生活に大きな問題のなかった場合には、長く気づかれません。社会に出て、主体的な人間関係作りが必要となって、そこから問題が表面化することがあります。


大人になってから、人間関係で悩みが多い人はASDの可能性があります。今回の記事では、ASDで起こる8つのことを説明しながら、ASDに気づくためのヒントを紹介しましょう。これがあなたの生きづらさの正体かも知れません。




1 2人だけなら話せるけれど、3人以上になると難しい

ASDの人は、人の気持ちを読み取ることが苦手です。一対一のコミュニケーションならば、何とか勘や推測で対応できますが、1度に2人以上を相手にするとなると能力が追い付きません。集団の中で一人だけ別行動をして、浮いた存在になってしまいます。


会社勤めになると、上司・同僚・クライアントとの関係に板挟みになりやすいでしょう。そこから、職場で孤立してしまうことが起こります。



2. 冗談が通じない

相手の気持ちを正確に言葉で伝えてもらえれば、きちんと対応できますが、空気を読むとか、比喩や例えなどの遠回しな言い方は理解できません。例えば、職場で「適当にやっておいて」といった曖昧な指示を出されると、困ってフリーズしてしまいます。


冗談が通じないことも特徴です。言われた言葉をそのまま鵜呑みにするので、冗談を本気にしてしまいます。親しい気持で冗談を言う人を、「なんて酷いことを言う人なんだ」と腹を立てることもあります。



3 難しい言葉を使ったり、変にかしこまった話し方をする

ASDの人は耳から物事を覚えることが苦手で、知識は目から覚える傾向があります。会話の仕方も小説やマンガの文字から覚えるため、実際の会話では使われないような言葉や言い回しを使うことがあります。


例えば、「僕は四角四面(しめんしかく)な人間だから、冗談が通じません」といったように、会話では聞かないような四字熟語が出てくることもあります。



4 相手の表情が読めない

ASDの人は生まれた時から、人と目を合わせることが苦手です。顔を見ないで話すことが多いので、相手の表情をつかめません。それで人の気持ちを理解できないことが起こりやすいのです。



例えば、相手が困った表情をしていても、それを理解できずに平気で話し続けます。このような感じで、一方的なコミュニケーションになりがちです。




5 体を触られることが嫌

人から体を触られること、自分から人の体に触れることも嫌がる人が多いようです。これは、触覚と感覚全体を統合する脳の機能に問題があると考えられています。


大人になっても握手、ハグなどのボディイタッチができず、体をつかったコミュニケーションが難しいのです。恋人ができても、男女の性的な関係をもてない人もいます。




6  予定変更でパニックになる


ASDはこだわりの障害でもあります。毎日が少しでも予定通りに過ぎていかないと不安になりがちです。朝食の食べ方、通勤ルートなど、まるで儀式のような生活上のルーティンをもっている人もいます。これが狂うと居心地が悪くなり、落ち着きがなくなります。
ですから、毎日のようにスケジュールが変更するような職場ではやっていけません。



7  興味あることにはとことんこだわる

こだわりのために、好きなことになると話が止まりません。アイドル、アニメ、電車、歴史、などなど、気づいたら1時間も喋っていて相手が引いてしまいます。それでも話したい気持ちは止められません。このこともコミュニケーションが一方的になってしまう原因となります。



8 特定の音や光が耐えられない

音や光に敏感なことも特徴です。照明がまぶしいことや隣の席の人がたてる音に耐えられず、職場をやめた人もいます。みんなは平気なのに自分だけ「がまんできない!」となってしまうのです。


また、味覚にも敏感で、みんなが食べている物がどうしても食べられないことも起こります。自分で食べる物を選べない会食の場は苦手です。



以上、ASDで起こる8つのことを説明しました。


ASDは恥ずかしいことでも、カッコ悪いことでもありません。勉強が得意な人と不得意な人、運動が得意な人と不得意な人がいるように、人付き合いがあまり上手でない個性と考えましょう。自分自身を変える必要はなく、自分に合った人と環境を選ぶのが良いのです。


このように日常生活を工夫して生きやすくすることを「ライフハック」と呼びます。生活の「ライフ」とプログラムを改造する「ハック」を合わせた言葉です。集団が得意でないならば、一対一コミュニケーションが中心の生活にライフハックすれば良いのです。みんなと同じように集団中心の生き方を選んで、心を病んでしまうことがないようにしましょう。


例えば仕事では、同じ人とだけ一対一で対応する職種や、機械や数字を相手にする職種、こだわりが生かせるような細かい作業の職種を選びましょう。うまく見つからない場合は、障害雇用を選ぶという手もあります。辛い思いをしながら生活をするのでなく、何事も居心地の良さで選びましょう。