2021.11.13

うつ病休養中にやってはいけない7つのこと

うつ病の回復は日々少しずつです。十分に回復していない時期は、時間を持て余すことがあります。暇を感じるので、これをやってみよう、あれをやってみようと、いろいろ頭に浮かんできます。やりたいことが出てきたのは回復してきたサインですが、実際に行動に移すまでは自信がありません。また、心配した家族や友人から気晴らしの誘いもあるでしょう。乗り気ではないけれど、「せっかくの誘いなので断ったら悪いな」、「もしかしたら付き合うことで何か変わるかな」と悩んでしまいます。こんな時、どうやって過ごしたら良いのでしょうか。やってはいけないことはあるのでしょうか。

ここでは、うつ病の療養中にやりがちだけれどもやってはいけないことを7つ紹介します。
1.旅行へ行く

「旅行先できれいな景色を見て温泉につかったら、リフレッシュしてうつ病が治るかも知れない」と誰でも思いがちです。心配した家族や友人に誘われることもあるでしょう。しかし、うつ病は単に元気がない状態ではありません。気分転換したから良くなるような単純な疲労とは違います。無理して旅行へ行っても、気を遣って楽しめないどころか、心身を消耗してしまいます。寝床が変わって眠られなかったり、何かのトラブルに巻き込まれることもあります。多くの場合、疲れ切って帰ってきて、よけいに具合が悪くなります。うつ病の時の旅行はやめた方が良いでしょう。
2資格の勉強をする

しばらく家で療養するので、この時間を有意義に過ごそうと思いがちです。よく思いつくのが資格をとることです。しかし、集中の持久力がないので、最初は良くてもだんだん勉強が負担になっていきます。結局あきらめてしまい、受講料を無駄にしたり、できなかった自分を責めて、自己嫌悪に陥ることがあります。休養中は資格を取る、習い事をするのはお勧めではありません。
3.大きな買い物をする

うつ病が回復していくと、いろいろ欲しい物がでてきます。買い物の欲が出てくることは良いサインです。自分へのご褒美のちょっとした買い物は良いと思いますが、たまに数十万円の大きな買い物をする人がいます。「元気になって、がんばって働けばいいや」と言い訳をして、女性ならブランドバッグや着物、男性なら車や電化製品などを買ってしまいます。しかし、病気はいつ治るか予定が立てられないものです。ローンの負担が回復を妨げることもあります。「なんでこんなものを買ったのだろう」と後悔しないように、先を見越して大きなお金を使うのは控えましょう。
4.夜更かしをする

休みの間に「やりたかったゲームを思いっきりやろう」「見たかったビデオを見よう」というのは悪くはないですが、夜更かししてまでやるのは良くありません。生活のリズムは崩さないように夜は12時までに床につくようにしましょう。
5.会社をやめる決断をする

ハラスメントや過重労働でうつ病になったので、「もうこんな会社とはすぐに縁を切ってやる」という人もいます。しかし、転職するのもエネルギーがいることです。衝動的に会社をやめないで、とりあえずゆっくり休職しましょう。休職中は傷病手当金を1年半まで受け取ることができます。補償は給料の6割ですが、節約すれば何とか生活はできるでしょう。ゆっくり休み回復してから次のことを考えましょう。もしかすると良くなった頃には、職場から嫌な上司はいなくなっているかも知れません。
6.引っ越す

二宮和也主演の「フリーター家を買う」というドラマは、うつ病の母親のためにフリーターの息子が家を買う話でした。母親は近所の意地悪な主婦にいじめられてうつ病になったのです。家に病気の原因がある場合は引っ越しは一つの解決策でしょう。しかし、引っ超しには大変なエネルギーを使います。新しい町での生活にも慣れなくてはいけません。「引っ越しうつ病」というものもあるくらい、ストレスが高いものです。どうしてもという事情がない限りは、引っ越しは良くなってからにしましょう。
7.薬をやめてしまう

休んでいる時はネットで病気のことを調べがちです。中には根拠のない記事もあります。特に、薬は体に悪いという記事をよく見かけますが、かなり偏ったものが多いようです。こうしたものを信じて薬をやめてしまう人もいますが、やめた直後に変化はなくても、1か月くらいすると元の症状が出始めることがあります。抗うつ薬はゆっくり効果が出て、やめてもしばらく効果が続くという特徴があるのです。一度悪くなってそこでまた薬を飲み始めてもすぐには良くなりません。薬は途中でやめないで、十分な期間を飲みましょう。薬に関しては処方している医師と良く相談してみてください。
うつ病を治すコツは、遠回りなようでも、新しいことはせずに平凡な規則正しい生活が良いのです。栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、そして短時間のウォーキングなどの軽い運動が大切です。むしろ、何か新しいことをして早く治そうとか、時間を有効に使おうと焦ること自体がうつ病を長引かせる原因です。もしかすると症状としての焦りなのかも知れません。「今日も何もしなかった」というような、あきらめの日々の積み重ねが意外と回復につながっているのです。