2021.05.12

無料電話相談に依存する人たち

無料の電話相談窓口がたくさんありますね。
上手に利用すると、気持ちが楽になったり、解決の糸口が見えたり、
することもあります。

利用する目的が果たせたら、こんなにいい方法はありません。
そんないい方法の無料電話相談ですが、毎日あちこちの窓口に
電話をかけて、「相談のプロフェッショナル」になっている人たちが
います。

無料電話相談依存症と勝手に命名しますが、そんな人が相談員から「相談を卒業してください」と言われるとパニックになる場合があります。

「見捨てられた」「なぜ私にこんな仕打ちをする?!」「これからどこで話しを聞いてもらったらいい?」とグルグルと負の循環が始まります。
そして、調べ上げた他の無料電話相談に次々と電話をかけまくります。
これは心の健康にはマイナスになるかもしれません。

「昔の許せなかったこと」「昔の腹正しい出来事」「自分はこんなに不幸なんだ」などのマイナスな話しを毎日、何回も見ず知らずの相談員に話しをするのですから、頭の中はマイナスでいっぱいです。
電話相談員も聞き方はさまざまで、依存症の人は相談のプロフェッショナルなので、聞き方が気に入らないと苦情を言ったり、突然ブツリと電話を切ったりします。
そこでまたストレスを抱え込み、マイナスが追加されます。

話しを聞いてもらうのは心の健康に役立ちますが、どんな相手でもいいわけではありませんね。
あなたは誰に話しを聴いてもらうことが楽ですか?

そんな話しを聴いてもらえる人が一人でもいると心強いですね。
もちろん無料電話相談でもいいですよ。利用の仕方はあなた次第!
2021.05.07

中3と高3の息子がいて、大変なんです(泣)

年齢が三歳違いだと、受験期が重なって、親も大変!
進路調査票に書こうと思って子どもに声をかけても、無視。
(心の声)「あーあなたの調査票なのに!」(怒・困惑)

塾の時間になっても、ゲームを続けて、塾に行くように催促すると、
鬼のような形相で睨みつけて「分かってるよ」と怒鳴る。
(心の声)「分かってるなら早く行きなさいよ」(怒)

何か気に食わないことがあったのか、部屋の壁を叩いて穴を
開けてしまった。
(心の声)「そんなに力が・・・・。殴られたら大変・・・」(怖)
親子共々ストレスを溜め込み、悩みが増えますね。
どうしたらいいでしょうか?
残念なことに、正解はありません。何故なら、一人一人違うからです。

でも、万能に使える鍵があります。
それは「いったん問題から離れる」ことです。
強引に自分の想い通りに事を運ぼうとすると、摩擦が起きます。
いったん引いて、子どもの様子を観察してください。
どうですか?
夕食のテーブルについた子どもはどんな様子ですか?
少し落ち着いていたら、そっと切り出してください、進路調査票のことを。

ゲームをやり続けて、塾の時間が終わってしまった。
子どもの様子はどうですか?
開き直っている?バツが悪そうにしている?寝てしまった?

「塾に行かせたい」のは親の欲求です。
子どもの人生を良くしたい親心ですね。でも、「親=あなた」の欲求です。

本人が欲していないことを無理強いしても、上手くいきませんね、たぶん。

でも、子どもが「塾に行った日」を観察し、記録すると「何故塾に行けたのか」の理由が見えてくるかもしれません。

そして、「塾に行けた理由」の分析ができたら、そんな日を増やしてみてください。

壁に穴を開ける子どもも、大人しくしている時はどんな時なのか、観察をすることが大事です。
「この子のいいところはどこかな?」とプラスの視点で観察すると、あなたの視線が温かくなって、子どもさんにも伝わります。

もし、一人で考えることが辛かったら、ミーデンカウンセリングで一緒に考えませんか?
2021.04.23

子どもさんの出来ないことばかりに目がいっていませんか?

私たちは、先祖が命を繋げるために注意深く警戒して、危ないことはないか、問題はないか、と無意識に考えるようになっているそうです。

その無意識の遺産を使いすぎると、問題を深めてしまうかもしれません。
例えば、あなたの子どもさん(Aちゃん)の担任からこんなことを言われました。
「お宅のAちゃんは友達が少なくて、コミュニケーションをとる練習も出来ないので、心配です。Aちゃんにもっと友達を作るように、ご家庭でも言っていただけると・・・」

さぁ、あなたは大事なAちゃんに何と言いますか?

1.「もっとお友達を作ったら?」
2.「友だちいないの?なんで友達できないの?」
3.「Aは友達とどんなことをするのが好き?」

Aちゃんにとって大事な言葉かけは何か、お分かりですよね。

1番は、Aちゃんに「あなたは友達が少ない」と暗にAちゃんの自己像をマイナスにするかもしれません。
2番は、「なんで」とAちゃんを追い詰めてしまって、「私は友達が出来ないダメな子なんだ」と一層マイナスな自己像を作ってしまいそうです。
3番目は「すでにAちゃんには友達がいて、楽しいことをやっている」とAちゃんの無意識に働きかけて、自己像をプラスに作ることが期待できます。
そして、「好きなことをしている場面」を思い出すことで、Aちゃん自身が楽しくなります。
「友だち」=「好きなこと」とプラスの繋がりが記憶されるかもしれません。

身近な人の声掛けは、子どもの自己像形成に大きな影響を与えます。

ミーデンカウンセリングで大事な子どもさんへの声掛けを一緒に考えませんか?
2021.04.14

「息子が怖い」と泣きながら、こんな話しをするお母さん

子どもには精一杯お金をかけて、中高一貫の有名私立学校に入れたんです。本人が行きたいというので・・・。塾の送迎やお弁当作りもやったんです。でも、落ちこぼれて、中学3年頃には私に怒鳴ったり、突飛ばしたりするようになったんです。私はケガをしたこともあります。
今は高校3年で勉強もしないでゲームばかりして、落ちこぼれています。
私は3流でもいいから大学に入ってもらいたいんです。
でも、息子と2人でいるのは怖いです。どうしたらいいでしょうか?
こんな話しを聴いて、どんなことを考えますか?
「こんな状態でも大学に行かせようとこだわるから息子が暴力をふるう」とか、「息子をそっとしておいて、好きなようにさせればいい」とか、いろいろ考えますよね。
では、想像してみてください。
「このお母さんが頑張ったところは何?」
「息子の頑張ったところは何?」と
そんなことを見つけるように話を聴いていくと、解決への第一歩が踏み出せるかもしれません。出来ていることから見つけていくと、遠回りでも目的地に着けそうです。

【自分で良くなってしまう】

カウンセリングは、カウンセラーが良くしてくれる、と思ったりしませんか?実は、カウンセラーはクライアント(相談者)さんの持っている力を見つけるのが仕事です。自分自身の力を見つけることが出来ると、なんと!!自分で良くなってしまうのです。
不思議ですよね~。
たとえば、老人ホームで施設の花の世話を任されたグループと、何も仕事がないグループを比較すると、花の世話を任されたグループの方が、元気になっているんです。
人は、任されて、自分で考えて、自分で行動すると、本来持っている力を発揮するんですね。
カウンセリングも多分同じです。
自分の力を発見して、それをどうやって使うのかをカウンセラーと一緒に考えて、試してみる、そんなことで回復していくことがあります。
自己肯定感、人間関係、症状・・・が。
ご自分の持っている力、発見しませんか?
2021.04.12

幸せって何だろう?

「宝くじで大金が当選すれば幸せになる」と思っている方はいませんか?
幸せの度合いを測るために、マイケル・W・フォーダイスという心理学者は、自分の幸せの度合いがどれくらいかを1~10までの数字で評価する感情度測定テストを開発しました。幸せという主観的な感情を客観的に測定できるようにしたことで、幸せを哲学の分野から科学の分野で分析できるようになりました。
これを使って、宝くじで大金が当選したアメリカの22人を調査した研究があります。もちろん22人とも、当選した直後は我を忘れるくらい幸せを感じました。そして立派な家を買ったり、高級車を買ったり、パーティーを開いたり、しばらくは幸せ度は最高でした。ところが不思議なことに、数年すると幸せ度は少しずつ下がっていき、最終的に22人全員が宝くじが当選する前の幸せ度に戻ってしまったのです。
幸せには一時的なものと永続的なものと二種類あります。仕事の後にビールを飲んでおいしい、とか、ブランド物を安く買えて嬉しいとかは一時的な幸せです。一時的な幸せは快楽を満たされることで感じることができます。しかし、時間とともに消えてしまいます。ここで扱うのはより本質的な、永続的に感じる幸せのことです。
それでは、次のような人生観をもっている方はいませんか?

より高い教育を受け学歴があることは幸せである。
財産を築けば幸せである。
ハワイなど、気候に恵まれた土地に移住したら幸せである。


マーティン・セリグマンという心理学者の調査によると、これらのことは宝くじの当選者の研究と同様に、永続的な幸せとほとんど関係のないことが統計的に証明されました。

本当の幸せとは、大金を手に入れることでもない、学歴をつけることでもない、よい土地に住むことでもない。それでは幸せとは何でしょうか?
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、自分の能力を十分に生かして人生を生きる幸せをユーダイモニアと呼び、それが人生の目的であると提唱しました、その後、この概念は現代心理学でも、「生きがい」「自己実現」「自己達成感」という言葉で表現され、幸せの要素の一つと考えられています。
何の職種に就いているか、どんな社会的地位があるのか、どんな社会活動をしているか、という外見は永続的な幸せとあまり関係がなく、そこにどれだけ生きがいを感じ、困難を克服し、目的を多成するためにどれだけ努力しているか、こうした感情が幸せにつながっているのです。
永続的な幸せを決定するのはそれだけではありません。先に紹介したセリグマンによると、自己肯定感が重要であるといいます。
自己肯定感とは、自尊心、自己存在感、自己効力感、自尊感情などとも呼ばれるもので、自分が生きていることを積極的に感じることです。簡単に言えば、「生まれてきてよかった」「自分は生きている価値がある」「自分は必要な人間である」といった感情であり、これが幸せの基本になっているのです。
自己肯定感は育った環境の影響を受けます。親から「お前は産まれなければよかった」と言われて育てられたら、またクラスメートから「お前なんか必要ない」などと言われてきたら自己肯定感はとても低いものになるでしょう。しかし、大人になってからの良い体験やカウンセリングなどを通して向上させることも十分可能です。
さらにセリグマンは幸せを決める要素として人間関係の重要性も説いています。家族や友人などの信頼できる人間関係があり、よき理解者の存在が幸せの大きな基盤となっています。

私たちは幸せを求めて生きています。
何かが手に入れば幸せになるとか、環境が変われば人生が変わるとか、どうやらそういったものではないようです。目的に向かって努力したり、経験を通して何かを感じたり、こうした心の持ち方による要素が大きいのです。
皆さんも自分の幸せが何か、ゆっくり考えてみてはどうでしょうか?

カウンセリングを通して自己肯定感を高めることができたら良いかも知れませんね。
2021.03.10

「うつ病」と聞いてどんなイメージを抱きますか?

身近になった「うつ病」

近年、「うつ病」は大変よく耳にすることが多くなりました。昔と比べるとそれほど、「うつ病」は身近なものになっているのだと思います。統計的にも、10年間でうつ病患者数が倍増し、約6~15%の生涯有病率(一生のうちにうつ病を発症する人の割合)が示されています。

「うつ病」=心の弱さ??

ところで、皆さんは「うつ病」と聞いてどのようなイメージがありますか?
「心が弱いから」「辛抱強くない」「甘え」「怠け」などなど、“うつ病になる人=弱い人”というイメージもあるのではないでしょうか?
 たしかに、性格的に「不安を感じやすい人」がうつ病にかかりやすかったり、「産後うつ」というように環境や体の変化によって発症リスクは高まることはデータから示されています。
一方で、「うつ病にならない」という性格は存在しません。「精神的に強い」と思っている人でもうつ病発症の可能性はゼロではありません。そのため、うつ病は誰もが発症する可能性があるのです。
 そのため、“うつ病になる人=弱い人”ではないということをまずはご理解いただけたらと思います。

脳が正常に働いていない状態…

うつ病は気分の問題ではなく、脳の機能が正常に働かなくなっている状態です。そのため思考が極端にネガティブになり、何をやっても楽しいと感じなかったり、意欲も失ってしまいます。
 脳が正常に働いていない状態であるため、集中力が続かなかったり、記憶力が低下して忘れっぽくなったり、見間違い、聞き間違いも頻発します。考える行為そのものが上手くいかず、考えがまとまらないことも増えます。
 決して怠けているということではなく、脳の機能が正常に働いていない状態がうつ病であります。
 
 症状についてですが、不安感や倦怠感、自己嫌悪といった感情もうつ病の心理的な症状と言えます。しかし、心理的な症状だけではなく、身体症状として、不眠、動悸、息切れ、めまいが現われることもあります。
 原因のはっきりしない頭痛が頻発する場合、うつ病の兆候とも言われています。

心と身体のどちらにも症状が出る

このようにうつ病は心理的にも身体的にも不調を呈する病気です。
現在のネット環境では手軽にうつ病のセルフチェックが出来ますが、あくまでも参考程度とし、心身の不調を感じたら医療機関の受診を検討しましょう。うつ病は正しい治療を受ければ症状も改善していきます。まずは正確な病状の診断が必要不可欠ですので、一人で抱え込みすぎずに、一度受診を検討しでみましょう。

他人事ではありません

「うつ病」が誰にとっても実は身近なものであり、他人事ではありません。自分は絶対うつ病にはならないとは言い切れないものです。心が強い、メンタルが強い、我慢強いなど、“弱くはない”と思っている人でも発症するリスクがゼロとは言い切れません。
 よく耳にする「うつ病」についての理解が深まったり、新たな気づきになればと思い、今回取り上げさせていただきました。
【参考文献:「うつヌケのお得技ベストセレクション」 沢井竜太 晋遊舎】
2021.03.03

誰にも理解してもらえない夫婦間の悩み―カサンドラ症候群とは?②

カサンドラ症候群の奥さんの悩み…

前回、非協力的な夫に振り回されたり、夫婦での会話が上手くいかずにイライラや孤独感をつのらせてしまうなどなど…「社会性」「コミュニケーション」「想像性」の未熟さが特徴として挙げられるASD(自閉症スペクトラム)の特性を持つ夫との関係に悩んでいる妻の状態、「カサンドラ症候群」についてご紹介しました。
 
 今回はそのような特性を持つパートナーへのちょっとした対応のポイントをご紹介してきたいと思います。

特性①女性特有の何気ない会話が難しい

会話のポイントとして・・・

・やってほしいことは言葉にして伝える
・なぜこの話をしたのか、目的を明確にする。あるいは、目的や結論を先に述べて、夫の興味を引き付けてから話を始める
・共通の趣味を持ち、共通の話題をストックする
・妻と良い関係を築くことが「社会的な評価の向上」になることを示す

特性②妻の大変さを想像し理解することが苦手…

予め、役割分担を意識していく・・・

・夫に手伝ってほしいことは具体的な言葉にして伝える
・できれば、結婚するとき、子どもが生まれたときなど、生活に大きな変化があったときに、お互いの役割分担を決めてしまうとよい
・「何時から何時までは○○の時間」というようにスケジューリングする
・役割を書いた紙を目につくように壁に貼ってみる
・夫の得意な作業は夫の担当にしてしまう
・短時間で終わるような作業を任せる
・少しオーバーなくらい褒めたり、感謝の言葉をかける

一人で抱え込まずに相談してみる

簡単に対応ポイントを挙げさせていただきましたが、会話のひとつにも工夫が必要だったり、伝えるのにもエネルギーを使うなあ、大変だな・・・と感じた方もいらっしゃると思います。

日頃の夫婦間のコミュニケーションに疲れてしまっていることがあれば、一人で抱え込まずに話せそうな他者に相談してみましょう。そうすることで、客観的に気づけたり、ご自身のことを
必要以上に責め過ぎないことにつながるのではないでしょうか。
身近で話しやすい人にパートナーのことについて相談してみることもひとつですし、医師や専門家に聞いてみることももちろん
よいでしょう。
まずは一人で抱え込まないようにするといった気づきのきっかけなればと思いまず。

カウンセリングのご予約はこちらから
【発達障害の夫に振り回されないために カサンドラのお母さんの悩みを解決する本 
監修 宮尾益知  河出書房新社 】
2021.02.24

誰にも理解してもらえない夫婦間の悩み―カサンドラ症候群とは?①

●「カサンドラ症候群」って耳にしたことはありますか?

「カサンドラ症候群(カサンドラ)」とは、簡単に言えば、発達障害のパートナーとのコミュニケーションや情緒的な夫婦間の交流が上手くできずに悩んでいる妻の状態のことと言えます。

例えば、妻の具合が悪い時でも「ご飯はまだ?」など平気に言ってきたり・・・
夫婦の会話が続かなかったり、妻としては聴いてほしいグチなども聞いてくれず、温かい言葉もかけてくれない・・・
家計のことは極端にケチなのに趣味には衝動的にお金を使ってきたり、相談もなく高額な買い物をしてきたり、家族のことよりも自分のことを優先することが目立つ・・・
メイクや髪型を変わったのに気付かなかったり、夫婦らしい会話もなく、甘えたり甘えられることもなかったり、触れたり触れられることを喜ばない、などの夫婦生活の乏しさ・・・などなど
このように特にASD(自閉症スペクトラム)のなかでもアスペルガー症候群の特性があるパートナーとのコミュニケーションや情緒的な夫婦間の交流がうまくできずに悩む妻の状態を表している呼び方として、「カサンドラ症候群」というのがあります。
 周囲からは“真面目な旦那さん”と見られていることが多く、夫婦間での妻としての悩みや大変さが周囲には理解されづらく、妻としては孤独感を感じることも多いです。場合によっては、ストレスから抑うつ状態になってしまうこともあります。

●ASD(自閉症スペクトラム)の特性について

その特性は「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」「こだわり行動」という3つの特性があります。
 「社会性の障害」のために、他人に対して関心を持ったり、仲間意識を感じることがあまりなく、仲間や職場、家庭のルールよりも自分のルールを優先してしまいます。そもそも、“人に合わせる”という発想がないと言えます。また、その場の状況を的確に掴み、融通を効かせて行動するといったことも苦手であるため、奥さんが忙しくしているのに、手伝うこともしないので、奥さんのことをイラ立たせてしまっていることもあります。本人には悪気はありません。
 「コミュニケーションの障害」とは、自分の興味のあることだけを一方的に話し、相手の言うことには一切耳を傾けないなど相互的なやりとりが苦手であること意味しています。また、相手の表情や反応を読み取ることも上手ではないため、話している相手が笑っているのか、怒っているのか、困っているのかが、分からない人もいます。
 「こだわり行動」というのは、興味や活動の限定のことで、自分が好きなこと、興味があること、自分が決めたルールに強いこだわりを持っています。融通がきかないことから、周囲からすればやりにくさを感じてしまい、人間関係を築くのがむずかしい要因となっています。
このような「一方的な会話」「自分の都合優先」「融通のきかなさ」などから
他者とのほどよい人間関係や夫婦関係を構築し、長続きさせることが苦手と言えます。
 次回以降の機会にはそんなパートナーへの対応や工夫についてお伝え出来たらと思います。
 
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【参考文献】発達障害の夫に振り回されないために カサンドラのお母さんの悩みを解決する本 
監修 宮尾益知  河出書房新社
2021.02.15

統合失調症の3つの時期

統合失調症をご存知でしょうか?

統合失調症を含むこころの病気の治療では、「リカバリー」という考え方が注目されています。リカバリーには「回復」「改善」「取り戻すこと」という意味があります。単に「症状がなくなることを目指す」という一元的な見方ではなく、周囲のサポートを受け、薬を使いながら、自分らしく生活できることを目指すということを表しています。リカバリーが注目されたのは「自分らしく生きる」ということが、こころの病気がある人やその家族にとっては、とても難しいという現状があるからです。これは統合失調症に対して誤解されている部分が多いことが一つの要因です。

今回は統合失調症の3つの時期の症状についてお話します。
統合失調症は慢性の病気です。回復への道はゆるやかで個人差が大きいうえに、病気の時期によって、症状がかなり異なります。そのため、本人がつらいこと、家族が困ることは時期によって変わります。
発症直後、神経の興奮が激しい時期です。精神的に興奮しやすかったり、落ち着きなく動き回ったりします。幻覚や幻聴、妄想などの症状が現れます。

多くの場合、発症の前に不眠などの前兆があります。周囲の人は「なんとなくおかしい」と思っていたところ発症し、驚いてしまいます。
●幻覚や妄想に悩まされます。
自分の中から様々な声が聞こえ、行動を監視されたり、命令されたりするなどの症状がみられます(幻覚・幻聴)。「死んでしまえ」など自分を脅かす内容の声が多く、実際に痛みを感じる場合もあります。また、「やくざに狙われている」「悪の組織が自分を監視している」などの思い込みが生じることもあります(妄想)。身の回りの些細なことを、すべて自分に関係があることと解釈し、不安を強めてしまいます。

●否定的な内容の妄想が多く、強い不安にさいなまれます。
妄想は本人にとっては非常に現実的であるため、不安もそれだけ強いものです。妄想を自分でそんなはずはないと否定することも難しく、消えることはありません。

●周囲が症状を理解せず、孤独を感じる
発症直後は、家族も病気の知識がありません。そのため、苦しさや不安を分かってもらえない、自分にとっての現実を否定されるなど、孤独を感じる場合があります。
●何がなんだか分からない
症状が身体の不調として現れないため、初期には周囲の人が「病気」とは思わない場合もあります。本人の様子がいつもとは違うことは分かりますが、言動があまりにも突飛なので、つい否定したり、説得したりしてしまいます。

●突然の症状にどう対処していいか分からない
「なんとなくおかしい」とは感じていたものの、突然の症状に家族は戸惑います。その戸惑いから「そんなことあるわけないでしょう」「馬鹿な事いわないで」と否定したり、「気の持ちようだ」「しっかりしなさい」と説得したりする場合も少なくありません。

●予期せぬ事態に恐れを抱く
「なぜこんなことに」「あれがいけなかったのではないか」と思い悩みます。
休息にエネルギー不足に陥り、回復には時間がかかります。幻覚や妄想などの症状は治まりますが、元気が全くなくなってしまいます。
●つらくて何をする気も起きません。
「やらない」のではなく「できない」状態です。感情の起伏が乏しく、口数が少なくなり、外出しようとしません。疲れやすく、本人もなぜこんなにも動くことができないのか歯がゆさを感じます。

●何を見ても心が動きません。
体力も気力も充実せず、寝てばかりいることが珍しくありません。薬による鎮静作用が効きすぎている場合もあり、ものごとに集中したり、自分から進んで何かをすることが難しい状態です。
●もどかしく感じます
急性期を超え、症状は落ち着いたにも関わらず、元気がなくボーっとしたり、寝てばかりいる状態にもどかしく思います。「外に出てみたら?」と励ましたり、「家事くらいしなさい」「ずっと寝てないで早く起きなさい」と説得したりと期待を向けてしまいやすくなります。

●先行きを不安に感じますそれでも少しずつでも元の生活に戻る気配が見られないと、家族は不安を感じます。「まだできないのか」「まだ無理なのか」と嘆きやすくなります。


●元気のない本人にどう接していいか分からないと悩みます。
ちょっと落ち着いてきたし、少しくらい何かさせた方がいいのではないかと周囲は思いやすくなります。しかし、当事者は身支度すら非常に苦しいなど、普段できていたことができなくなっていることのギャップに、家族は戸惑いを感じます。
ゆっくり体を休めていると、少しずつエネルギーが溜まってきて、体や心が動き出します。活動範囲が広がり、出来ることが増えてきます。この時期に入ってきても、回復のペースはとてもゆっくりです。それが家族にも歯がゆく感じられるかもしれません。
●焦りが強くなります。
かつての自分の「当たり前」ができなくなっているので、とても苦しく、焦りを感じています。いい年齢や経歴を持っていれば、「いい年下大人が…」「家事くらいしないと」「働かないと」「大学まで出たのに」と自分を追い込んだり、「気持ちが重くて、やりたいことができない」「仕事が好きで頑張ってきたのに戻る自信がない」と以前の自分ならできたことに苦しさを感じます。

●思うようには回復しないことに腹を立てることがあります。
やらなければいけないことは分かるので、焦りを感じて動こうとしますが、上手く動かない自分自身に腹立たしく思うことがあります。また、何とか頑張って外に出たとしても、失敗してしたり、怒られたりすると、それが自信喪失に繋がることもあります。

●周囲の期待がプレッシャーになることがあります。
回復にはそれぞれペースがありますし、自分がしたいことと家族がしてほしいことの間にもギャップがあることがあり、急かされると辛くなります。復職、復学には、体力的にも、能力的にも、自分がどこまでできるのか分からず、不安を感じます。
●回復のスピードに期待しすぎてしまいます。
当事者にとっては、ようやく少し元気になってこれたところですが、家族にとっては「今なら行ける」という期待になり、励ましたり、気晴らしに誘ったりすることもあります。しかし、当事者には「しょせん、わかってもらえない」「理解していない」と受け取られてしまうこともあります。

●思ったより回復が進まないと失望や戸惑いを感じます。
回復期に入ったはずなのに、思ったよりも回復が進んでいないと焦りを感じます。
病気を持っている人自身も、偏見や理解不足だと「自分はもうだめだ」と悲観してしまうことがあります。しかし、慢性の病気や障害を持っていても、工夫を重ね、サポートを受けることを通して、社会の中でのびのび生きていくことができます。これが最初にお話した「リカバリー」の考え方です。統合失調症の人の中には、「今は親がいるから安心だけど、青やいなくなったあとを考えると自信がない」という人もいます。将来への不安を感じながら過ごしている人が多いことが伺えます。仲間や支援者とこのような点についても話しながら、具体的な解決策を一緒に探していきましょう。

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参考文献:伊藤順一郎・NPO法人地域精神保健福祉機構(2010)「統合失調症の人の気持ちが分かる本」講談社
2021.02.08

死(喪失)を受け入れるプロセス

私たちは誰しも必ず「死」を経験します。
しかし「死」を迎えるのが突然の人もいれば、病気や老えを通して「死」を少しずつ感じていく人もおり、経験の仕方はさまざまです。精神科医のキューブラ―という医師は「死」について関心を持ち『死ぬ瞬間』という著書も書いています。今回は、キューブラ―が唱えた「死の受容過程」についてご紹介します。
キューブラ―はシカゴ大学で200人以上の終末期の患者と面接を行い、録音、分析をし、「死の受容過程」を発表しました。人が死を先刻されてから受け入れるまでには、5段階のプロセスを経験すると言われています。
自分の生が残りわずかである宣告を受けると、あまりの衝撃に「いや、そんなはずはない」「何かの間違いに違いない」とその事実を否定します。

患者本人は「何か道があるはずだ」と考えますが、周囲は医師の宣告を受け入れ、死の事実を否定する患者を「死を受け入れられていない」と認識するため、考え方が食い違います。周囲は患者にどう接して良いか分からなくなってしまい、会いに来る人や時間が減っていきます。次第に、患者と周囲には距離ができ、患者は孤立していきます。
生が残りわずかという事実を否認しても変わらないので、否認の維持が難しくなってきます。そうすると、「なぜ自分がこんな目に合わなければいけないのか」「なぜあの人は生きているのに自分だけがこうなるのか」と怒りを示すようになります。

看護師や見舞いに来てくれた人に対して羨ましさがあり「まだ生きていられていいね」と皮肉っぽいことを言ったり、「なぜ自分はこんなに苦しんでいるのに、笑っていられるのか」という思いを抱いたりすることがあります。

地位や立場がある人は、これまで築き上げたお金や労力に関係なく、医師の指示のもと今まで通りの生活を送ることが難しくなるので、そのことにも腹を立てることがあります。

怒りは、ますます患者を孤立化させていきます。
信仰のありなしに関わらず、神様に取り引きを持ちかけようとします。「これからはもっといい行いをするから、長く生きられるようにしてください」と願うのです。

この段階は一番短い段階であると言われています。
取り引きをしても、体の悪化を止めることができず、毎日治療を続ける日々に抑うつ感や悲壮感を抱きます。心も体も元気ではなくなってきて、今までよりも静かに過ごすようになります。落ち着くとこれまで頭で理解してた死を受け入れられるようになります。

また、体の健康や仕事など失ったものとマイホームの断念や孫の顔を見られないというこれから失うものに対しても、抑うつ感を抱くようになります。

この段階に入ると、「自分の人生にはどんな意味があったのだろうか」と生の意味を問うようになります。
死と向き合う十分な時間と周りの助けの中で、死は誰しも訪れる自然なことだと受け入れるようになります。否定も怒りも抑うつもなく、かといって幸福というわけでもなく、静かな平穏が訪れます。


死の受容過程は必ずしもすべての段階を通るとは限りません。否定はするけれど、怒りにならずに受容していく人もいます。死は「生の喪失」ですから、死の受容だけでなく、恋人の喪失(失恋)、家族の喪失などが、このプロセスに当てはまる場合もあります。

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