心の傷-トラウマとは
みなさんは、ずっと昔に経験した辛かった出来事の夢を見ることはありませんか?何年も、何十年も前の出来事なのに、夢の中ではまるで今起きているようです。
目覚めてしばらくは現実との区別がつかなくて混乱し、意識がハッキリしてくるとようやく夢であったことを認識できます。ところが、不快な気持ちは1日中消えません。まるで寝ている間に過去にタイムスリップしてきたような感覚です。
これはあなたの心に残っているトラウマです。過去の辛かった出来事が心の傷となって、それが完全に癒されていない証拠と言えるでしょう。大ケガをして、見た目で傷はふさがっていても、何かの度にズキズキ痛むのと同じで、過去の出来事が何度も蘇ってくるのです。心理学ではこれを「再体験」と呼びます。
トラウマになる出来事は、災害、事故、事件、性的被害が代表的です。それだけでなく、いじめ、親からの虐待や厳しい教育、大切な人との別れ、信頼していた人から裏切られる、厳しい試験勉強などもトラウマになる可能性があります。
トラウマの原因は人それぞれで、他人にとっては「そんなことで苦しんでいるの?」と思われる出来事でも、その人にはトラウマになります。同じ災害の被害者でも、トラウマになる人とならない人がいるのと同じことです。
今回は、心の傷・トラウマについて解説しましょう。
1 フラッシュバック
トラウマは夢の中で再体験を繰り返すと言いましたが、再体験は夢の中だけではありません。例えば、いじめを受けたトラウマを持っている人は、テレビでいじめのシーンを見ただけで当時の辛い記憶が蘇ります。過去の出来事に関連する内容に触れるとスイッチが入り、心は過去にワープしてしまうのです。
再体験は、何かのきっかけでいつでも起こりうることです。これをフラッシュバックと呼びます。
2 時間がたってからトラウマに気づくこともある
例えば、交通事故の被害にあって、その場では取り乱すことなく過ごすことができても、数カ月してからトラウマとして再体験することもあります。
周りの人から、「あの時普通にしていたじゃない?」と言われても、事故の直後は警察に連絡したり、体のケガの確認で必死だったり、やるべきことに意識が行ってしまい、心の中で起きていることを冷静に感じることができなかったのです。また、動揺して感情が動かなくなっていたのかも知れません。ところが、心には大きなトラウマが残っていて、後から症状が現れることがあるのです。
このようにトラウマは後から気づかれることがありますが、数カ月どころか数年たってから蘇ることもあります。例えば、小学生の頃に受けたいじめの経験が、何かのきっかけで大人になってからフラッシュバックを繰り返すようになることもあります。
3 その場所や話題を避ける
酷い仕打ちをした人とは二度と関わりたくないのは当たり前ですが、それがトラウマになると、その人に関係する場所や話題すべてにアレルギーのようになってしまい、全く触れることができません。
無意識のうちにトラウマの出来事に関係することを避けて生きて行くようになります。これは、心が自分を守るために、過去を連想させるような出来事を避けるようになっているのです。
4 また起きるのではないかという緊張感がとれない
トラウマが深刻であると、また起こるのではないかという不安がとれず、1日中緊張感が取れません。食欲はなくなり、夜も熟睡することもできなくなります。常に気分がすぐれず、うつ状態となり、日常生活もふつうに送れません。
このような深刻な状態は、災害、犯罪、性的被害のように命の危険にさらされるような出来事によって起こりやすく、これをPTSDと呼びます。
5 トラウマが消えるのは人によって違う
トラウマがいつ良くなるかは、人によって違います。軽症の場合は2カ月くらいで改善されていきます。ただし、PTSDのような深刻なトラウマの場合、70%の人が何らかの形で一生残ってしまうとも言われています。症状は必ず徐々に減っていきますが、軽いフラッシュバックや夢で見ることがいつまでも続くことがあるのです。
以上、トラウマについて解説しました。
体の傷を治すためには、傷の部分を保護して守り、自然にふさがるのを待つことです。トラウマも同じで、安心できる生活を送りながら、癒されるような体験を重ねることで自然に消えて行きます。
関西の方では、「日にち薬(ひにちぐすり)」という言葉があります。「どんな悲しみや苦しみでも、月日を経ることによって、それを乗り越える力を時間が与えてくれる」という意味です。トラウマを治すためには、むしろ過去の出来事を意識しないようにして、楽しいと思える体験、癒されるような体験を重ねていくことが大切なのです。
また、信頼のできる人といっしょに、トラウマになった出来事を話し合うことも、トラウマを解消する方法です。安心のできる人の前で、辛かった思いを言葉にすることで、トラウマの毒が消えて行くのです。ただし、無理をして話すのでなく、自分から話したいという自然な気持ちを大切にしましょう。無理をして話すことは逆効果にもなるので注意してください。
眠れない、食欲がない、不安、うつ気分で日常生活に支障があり、前に進めない場合は精神科で薬の治療を受けることもできます。あくまでも対症療法ですが、体調や気分が楽になる分、トラウマも解消されやすくなります。
トラウマが良くなるには、「日にち薬」が大切です。「過去を自然に話せるようになった」、「夢で見なくなった」、「近寄れなかった駅に行くことができた」、こうしたことが起きているならば、あなたのトラウマは消えかかっているサインです。
双極症の8つの特徴
双極症は、うつ状態と躁状態を繰り返す病気ですが、ほとんどがうつ病から始まります。どういうことかと言うと、ほとんどの双極症の人は、うつ状態が数カ月から数年続いた後に突然躁状態になり、改めて双極症と診断されます。
逆に躁状態から始まる双極症はわずか30%です。ですから、うつ病と診断されて、5年、10年たって初めて躁状態になり、実は双極症だったという人も珍しくありません。
このように説明すると、双極症とは、うつ病に躁状態がくっついただけの病気と勘違いされやすいのですが、実は双極症とうつ病は最初から別の病気です。そもそも、うつ病の「うつ状態」と双極症の「うつ状態」には違いがあります。
このようなことを踏まえながら、今回は双極症の8つの特徴を紹介しましょう。
1 過眠・過食
普通、うつ病というと「眠れない」、「食べられない」ことが特徴ですが、双極症のうつ状態は、過眠と過食をするのが特徴です。「1日10時間以上寝ても寝たりない」、「いくら食べてもお腹がすいて仕方ない」といった感じのことが起こります。
また、双極症は季節の影響を受けやすく、秋から冬にかけてうつ状態が起こりやすいという傾向もあります。ですから、寒くなると熊が食いだめをして冬眠するのと同じように、双極症の人も寒くなると、やたらと食欲が亢進し、睡魔に襲われるようになります。
2 体が鉛のように重くなる
双極症の人は、うつ状態になると寝込んでしまうことが多く、「体が鉛のように重い」と表現します。これを鉛様麻痺(なまりようまひ)と呼び、双極症のうつ状態に大変よく見られる症状です。まるで手足に鉛を入れられたような感覚になり、体を動かすことが億劫になります。
ずっと立っていることも辛くなり、すぐに横になりたくなるのです。その上、過眠・過食が加わりますから、「1日中ゴロゴロして、起きている時は何か食べているだけ」という怠惰な生活です。
注意していただきたいのは、過眠・過食・鉛様麻痺は双極症だけでなく、「非定型うつ病」というタイプのうつ病にも見られます。このために双極症とうつ病は鑑別が難しいのです。
3 突然元気になる
「三年寝太郎」という日本昔話をご存じの人は多いと思います。寝太郎は3年間ただずっとゴロゴロ寝て過ごし、ある日むっくり起き上がります。そして、外に出ると大きな岩を一人で動かし、川の水が流れるようにして村の飢饉を救ったという話です。双極症の人も似たような感じで、何カ月も何年もずっと寝て過ごし、ある日突然活動を始めます。
うつ病ならば、数カ月かけて徐々に回復していくのが普通ですが、双極症の場合は回復が急激です。ある日を境に、掃除、おしゃれ、買い物、SNS発信など、それまで何もできなかったことを取り戻すような感じで動き回ります。
そのまま普通に生活ができれば良いのですが、段々言動がエスカレートして元気すぎるようになることもあり、これが躁状態です。
4 大きな買い物をする
躁状態になると気持が大きくなり、「いくらでもお金が湧いて来る」という感覚になります。ブランド物、高級時計、高級車、マンションなど次から次へと欲しいものが止まらなくなり、無茶なローンを組んでしまいます。100円ショップに立ち寄ったところ、支払いが1万円だったという話もあります。
5 すぐに結果を出そうとする
躁状態では大きなことを考えるようになり、同時に、寝込んでいた期間を取り戻そうと焦ります。元々コツコツ積み上げて何かをすることが苦手なので、すぐに結果が出るような仕事に手をつけます。深く考えずにうまい儲け話にのってしまい、騙されてしまうこともあるでしょう。宝くじやギャンブルで一攫千金を狙う人もいます。
6 何ごとも待てない
待つことができないので、すぐに実行です。失敗した時のことは考えられません。すでに買い物のことを紹介しましたが、就職、退職、起業、投資、結婚、離婚など、人生の大事なことも深く考えずに決めてしまうことがあります。
もちろん身近なところでも「待てない」が出て来ます。レストランで注文したものが遅いと怒る、レジの行列もイライラして文句を言う、といったことでトラブルになることがあります。
7 ドタキャン
寝ないで動き回っていたら、人のエネルギーはいつまでも続きません。数週間から数カ月過ぎると、ある日突然、電池が切れたように動けなくなります。体が重くなり、睡眠時間が長くなり、うつ状態に逆戻りです。人と会う約束、面接の予定、大事な会議など、すべてドタキャンすることになります。
双極症のうつ状態は突然やってきます。仕事などがうまく回り始めた時に突然うつになってしまうことが多いので要注意です。
8 手を広げ過ぎて後悔
躁状態の時に色々なことに手を広げ過ぎてしまうので、うつ状態になると収拾がつかなくなります。「新しい会社に勤めたのに通えない」、「会社を起業したのに寝てばかり」、「買ったマンションのローンが払えない」、「高級ゴルフセットを買い揃えたけれども、ゴルフをしたくない」といったように、後悔や借金が残ってしまい、周りの人に助けてもらいながら、辛い期間を過ごすことになるのです。
双極症の治療を受けないでいると、「躁状態で手を広げて、うつ状態になって後悔」という失敗のパターンを何度も繰り返します。周りの人からは、「何で一度の失敗で学ばず、同じ失敗を何度も繰り返すのだろう」と不思議に思われますが、これは脳の活動が病的な変化をするために起こる現象です。
特に躁状態では気分が良くなるので、「治療は必要ない」と思ったり、「もう2度とうつにはならない」という根拠のない自信を持ったりするために、治療を受けない人もいます。
双極症は治療に長くかかる病気ですが、薬の治療で気分の変動を最小限に抑えることができます。治療には炭酸リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなどの気分安定薬が中心に使われています。薬で気分をうまくコントロールしながら、社会で活躍し、成功している人もたくさんいます。
また、双極症と発達障害のADHDは似ているので間違えられやすい病気です。今回紹介した症状がある場合は双極症ですので、精神科に相談してみましょう。
迷惑をかけたくないのに迷惑をかけてしまう人
世の中には、悪意でわざと迷惑をかける人がいますが、「人に迷惑をかけないで生きて行きたい」と思うのが普通の人です。
ところが、何か事件が起きてみんなが大変な時に、自分だけ感情のコントロールがつかなくなり、人と違う行動をとってしまったり、パニックを起こしたりする人がいます。周りの人は自分のやるべきことで精一杯なのに、それを邪魔する存在になってしまうのです。
こうした人は、好きでそうなっているのではないのに、「迷惑をかけるな!」と誤解されてしまうことがあるでしょう。世の中には、こうした誤解のために自信を失っている人がたくさんいるのです。
このような人は、なぜ周りに迷惑をかけてしまうように見られるのでしょうか?今回は、「迷惑をかけたくないのに迷惑をかけてしまう人」について詳しく説明しましょう。
1 繊細な人
心が繊細な人は、人一倍物事の大変なことを理解できてしまうために、感情のコントロールがつかなくなることがあります。自分の大変さを言葉で伝えることが苦手であると、人と違う行動をしたり、パニックになったりすることがあります。それで周りに迷惑をかけてしまうのですが、これは、その状況の大変さを一番つよく感じていることが理由です。
実際にあった話を紹介しましょう。Aさんは知的な障害があり、とても繊細な人です。Aさんの家庭ではおばあさんが認知症になってしまい、介護が大変になりましたが、Aさんは障害のためにほとんど手伝えません。ある日、Aさんは捨て猫を拾ってきました。おばあさんが猫好きだったので、喜ぶのではないかと考えたからです。
「家族が介護で大変なことが分からないのか!迷惑だよ!」と、お父さんはAさんのことを叱りました。Aさんは泣いてしまいましたが、猫を見たおばあさんはニコニコ笑顔です。何年も笑ったことのなかったおばあさんの姿を見て両親は驚いて、それ以上Aさんを叱れません。結局その猫を飼うことになり、おばあさんは猫と遊ぶようになりました。
そして、認知症にも改善が見られるようになったのです。実は、おばあさんの孤独な気持ちを一番理解していたのが、両親でなくAさんだったのです。
2 能力が足りない人
チームでの競技や仕事をしていると、能力が足りないがためにチームの足並みを乱してしまう人がいます。特に結果のみを最優先するような職場では、能力の劣る人に批判が向きやすくなります。一生懸命やっているのに、周りの冷ややかな視線を感じた人は、「自分はみんなの足を引っ張る迷惑な存在なのかな」と悩むようになります。
しかし、チームとは本来、互いに援助しあい、知識を共有しながら、成果を上げていくところに意味があります。能力の優れた人が、能力の足りない人を「迷惑な存在だ」と言っている限りは、よい結果は生まれません。
それどころか、いじめやパワハラにつながります。むしろ、「迷惑だ」と言っている人の方が、チームにとって迷惑な存在なのです。
3 依存的な人
頼り過ぎてしまうことから、人に迷惑をかけてしまうことがあります。「頼ってもいいよ」と言われても、相手の事情を考えずに、24時間いつでも連絡を取り続けていたら、さすがに迷惑に思われることがあるでしょう。これは一人の人にだけ頼り過ぎてしまうことから起こる現象です。相手を束縛するくらい頼ってしまえば、「依存」と呼ばれても仕方がありません。
こうした人は、「依存してばかりいないで、自立しなさい」と怒られてしまうことがあります。では、そう怒る人は、誰にも頼らないで生きて来たのでしょうか?そんなことはなく、親や先輩など、たくさんの人を頼って生きて来たはずです。人を全く頼らないで生きている人など世の中にいません。
自立とは、たくさん頼るところを持っていて、一つのところばかりを頼らないことなのです。たくさんの人に広く浅く頼っているから一人で立っているように見えるだけです。不器用なために、一人の人にしか頼れないから依存的に見られてしまいます。
私たちは、子供の頃から「人に迷惑をかけない人になりなさい」と言われて来ました。実は、この「迷惑」という言葉は、仏教から来ています。
仏教では、すべての人は必ず誰かに迷惑をかけて生きて来たのだから、迷惑をかけてくる人のことを許すことが大切であると説いています。決して、人に迷惑をかけてはいけないとは説いていません。ましてや、「お前は迷惑な存在だ」と人を批判するために使う言葉ではありません。
ですから、自分のことを「迷惑をかけている存在だ」と悩む必要はないのです。むしろ、他人のことを「迷惑だ」と言ってくる人こそ、何事も自分だけでやっていると勘違いしている本当に迷惑な人なのです。
ADHDの人の考え方
注意欠如多動症・ADHDの人の思考回路はとても独特です。ADHDには、不注意、多動性、衝動性の3つの症状がありますが、これらが考え方に影響しています。そこで、今回はADHDの人がどのような考え方をするのか解説していきましょう。
ADHDの人は、感情的で落ち着きのない人というイメージをもたれてしまい、誤解される傾向があります。しかし、その思考のパターンを理解すれば、周りの人とのすれ違いの原因を知ることができます。また、周りの人もADHDの人の言動を納得するきっかけになるでしょう。
1. 連想ゲームのような思考
ADHDの人と会話をしていると、話題が次々と飛んでしまうことがあります。これは、会話の内容と関係なく、頭の中で新しい話題が連想ゲームのように次々と湧いてくるのが原因です。例をあげて説明しましょう。
「この間久しぶりに飲みに行って楽しかったんだ」と、共通の友人の話題をしていたかと思うと、突然「最近小麦粉が高くなってるよね」と話題が変わります。相手にとっては、友人の話題から全くつながりのない「小麦粉が高くなっている」話題に突然変わったのでビックリしますが、本人の頭の中では、友達と飲みにいって、行った帰りにラーメン屋に寄りそこで食べたラーメンが値上がりしていたので、小麦粉が高くなっている話題が出てきただけなのです。本人としてはつながりがある話題ですが、相手には理解できません。
いつもこんな感じであると、話についていく相手が疲れてしまいます。一つの話題で話している最中にも、頭の中で連想ゲームが始まってしまうのです。
ただし、この症状がつよい場合、例えば、次々と話題をかえて、マシンガンのように話す場合は双極症の可能性もありますので注意しましょう。
2. 遅刻したくないのに遅刻をする
遅刻癖はADHDの人によく見られます。何度失敗しても治りません。ADHDで遅刻の多い子供を観察していると、外出の時間がせまっているのに準備をしないでのんびり他のことをしています。出かけることよりも、今やっているゲームや遊びに意識が集中してしまい、外出のことがどこかへ飛んでしまうのです。
大人のADHDの人も同じような理由で遅刻をします。何を着て行こうか、忘れ物はないかと迷っているうちに、そこに意識が集中してしまい、肝心の出かける時間を逃してしまうといった感じです。このようにADHDの人は悪気があって遅刻しているのではありません。
3. 目先のことが優先で長期的なことが考えられない
ADHDの人は家計簿をつけられず、お金の収支を把握することが苦手です。例えば、欲しいと思ったら借金をしてでも買ってしまう衝動買いがあります。今月の生活費があと1000円しか残っていないのに、欲しかったバッグを見つけたらカードで借金して買ってしまいます。
普通の人ならば、今月1000円でどうやって生活するかが最優先ですが、ADHDの人の場合、欲しいものを見つけたらそれが最優先されるのです。「欲しい」という思いが頭の中を占領してしまい、残金1000円のことはどこかへ飛んでしまいます。さらに負債を増やしてしまうので後悔をしますが、その後も衝動に負けてしまい、同じ失敗を繰り返すことがあります。
ところが、ADHDの人の中には、この衝動性が行動力につながり、事業を成功させることがあります。スティーブ・ジョブスのように有名な経営者の中には、ADHDの人が多いのもこれが理由です。
4. 興味のないことは手につかない
学校では、好き嫌い関係なくすべての教科を平均的に学ばなくてはいけません。ADHDの人は、興味の湧かないことに対しては、高いハードルを感じてしまい、「できない」と感じます。それでも頑張ってやろうと努力しても、全く頭に入って来ません。ですから、学校の成績にもムラができてしまいます。
大人になってからの仕事も同じです。興味の湧かないことには、やはり「できない」と感じて尻込みをしてしまいます。そして、無理やりやろうとしても集中ができません。イライラを感じる人や投げやりになる人もいます。大事なことが先延ばしになるということも起きます。
5. 余計なことを言ってしまう
つよい感情が湧いてきて理性で抑えられません。言うべきでないことを言ったり、手が出てしまうこともあります。後悔しますが後の祭りです。例えば、職場で上司の指示に「はい」と言っておけばよいことを、一言「それは違います」と余計なことを言ってしまい、職場の評価が下がってしまいます。
夫のちょっとした小言に「私は悪くない」と反発してしまい、大喧嘩に発展します。それを言ってしまうと、関係が壊れて大変な結果になると頭で分かっていても、言葉が先に出てしまうのです。
6. 集中し過ぎると他のことが入ってこない
何かに集中している時は、声をかけられても反応しないことがあります。これを過集中と呼びます。頭の中では、いまやっていることだけを考え続けているのです。疲れているのに、それを感じることなくやり続け、終わった後にどっと疲れを感じて数日寝込んでしまうこともあります。
2002年に韓国では、オンラインゲームに集中するあまり、80時間飲まず食わずでゲームに没頭し、エコノミー症候群で突然死をした24才の青年がいました。
逆に興味のないことには全く集中できません。感覚過敏は、ADHDの人にも見られることがあり、光や音の刺激や、頭の中に浮かぶイメージが、注意や思考の流れを乱します。大事な作業中でも、ちょっとした物音で集中が途切れたり、「そういえばドラマの新作いつ配信されるんだっけ?」「夕食何食べよう?」といった考えが浮かんで、手が止まったりもします。
以上、ADHDの人の考え方について紹介しました。今回の内容がすべてのADHDの人に当てはまるわけではありませんが、「そういえばこんな感じかな」と似ている項目があるかも知れません。どれも不注意や衝動が抑えられないという脳の構造から来ていることですが、人間関係で損をしている人がたくさんいます。
我慢すれば良いものを、余計なことを言ってしまったことから出世を逃した、離婚になった、という話もよく聞きます。しかし、自分の特性を理解することで、若干の改善も期待できます。また、思いっきりの良さから大成功を収める人もいますので、「災い転じて福となす」と考えましょう。
自分を大切にできていない人の7つのサイン
誰でも好きな人に対しては、愛情をもって接します。強制された訳でなく、愛情は自然にあふれてくる感情で、相手に注ぐことを通して自分自身も幸せを感じることができます。
愛情とは、相手を大切に思う気持ちです。家族、恋人、友達、会社の仲間、憧れの人、ペットなど、様々な愛情の対象があります。
ところで、肝心の自分自身には愛情を注ぐことはできていますか?自分自身を大切に感じていないと、自分に愛情を注げません。そもそも人は成長の過程で、自分を愛することを学び、次に人を愛することを学びます。自分を愛することができなくて、人を愛することはできないはずなのです。人は大切にできるのに、自分を大切にできないことはとても矛盾した生き方です。なぜこのような生き方をしてしまうのでしょうか?必ず理由があるはずです。
今回は自分を大切にできていない人の7つのサインを紹介しましょう。この中から自分自身を大切にできない理由を知ることができるかも知れません。
1. 自分を否定する考えが多い
人生で人から褒められたことがない、ずっと失敗や挫折ばかりだった。このような生き方をしていると、自己評価が低くなり、自分のことが好きになれません。どうせ何をやってもダメだと考えるようになります。
自分自身に対して「ダメだ」、「できない」と否定的な言葉をかけることが多く、常に最悪のケースを考える傾向もあります。そうすると新しいことに挑戦する気持ちも失っていくでしょう。仮にうまくいったとしても、「たまたまだ」と考え、自分の評価につながりません。
これが習慣になってしまうと、自分自身を大切にする気持ちがなくなってしまいます。
2. 他人の評価に敏感
自己肯定感が低くなると、それに反比例して、人からの評価が気になるようになります。自分で判断することに自信がなくなり、すぐに人の意見に左右されてしまうでしょう。
SNSをやっている場合は、他人のコメントや反応が気になりすぎて、つねにチェックをしています。否定的な内容を読むと具合が悪くなるのですが、自分の評判が気になるので、発信することもチェックをすることもやめられません。
3. 自分の気持ちを抑え込む
自分を大切にできない人は、自分の感情を抑え込んで本音を言いません。仕事や人間関係で辛いことがあっても、我慢して嫌な気持ちを心の中にため込んでしまいます。
「本当はこんなことをやりたい」、「あんなことをやりたい」という願望も抑え込みます。まるで、心に蓋をしてしまっている生活を送っています。
4. 自己犠牲的な行動を取る
他人の期待に応えようとするあまり、自分の本音を我慢することがあります。表面的に自己犠牲に見えるのですが、気持ちよく自分を犠牲にしているのではなく、認めてもらう見返りであったり、不満を我慢していたりと、決して志(こころざし)の高いものではありません。心の根っ子に「誰かの役に立っていないと価値がない」という考え方があるのです。
5. 自分を優先することに罪悪感を感じる
周りの人よりも良い思いをすることに罪悪感を抱きます。例えば、ファッションや美容にお金をかけたり、習い事をしたり、旅行を楽しむなど、自分に投資することに罪悪感を感じます。
それとは反対に、他人に付き合ったり、おごったりすることにはためらいがなく、むしろ積極的です。自分に投資することよりも、人に認めてもらいたい気持ちが優先してしまうのです。
6. 無理をしがち
疲れていても、休むより仕事を優先します。自分の限界を超えて無理をすることが多く、「もう少し頑張らなければならない」と義務感が働いてしまうのです。この背景には、忙しさでさみしい気持を誤魔化したり、忙しくすることで自分に価値を見出そうとする気持ちがあります。
7. 自分の健康を疎かにする
無理をするので、健康を疎かにしがちです。仕事や人の世話を優先するので、不摂生な食生活、睡眠があっても放置してしまいます。背後に「もうどうでもいいや」という投げやりな気持ちがあります。健康診断で引っ掛かっても気にしない人もいて、タバコやお酒をやめられないこともあるでしょう。
自分を大切にできてから、他人を大切にできるようになります。自分を大切にしないで、他人を優先するのは、本来の生き方ではありません。これを続けていると、徐々に心が病んでいきます。
自分の本当の気持ちに正直になって、「嫌なことは嫌」、「できないことはできない」と少しずつ主張するようにしましょう。「やりたくないことは断る」という態度も必要です。
また、自分が心からやりたいことにお金を使って、自分に投資してみましょう。「どうせお金の無駄になる」と考えないで、自分にご褒美をあげるのです。これを続けていくと気持ちが変わって行くでしょう。お金は貯めるためにあるのでなく、使うためにあるのです。
いつもSNSで人と比べる生活もやめるべきです。自分の価値は他人の目が決めるのではなく、自分で決めるものです。「人はどう思おうとも、私はこう思う」という気持ちを大切にしましょう。
愛情を感じられない4つの原因
ちょっとしたことでも愛情や喜びを感じられる人は幸せです。どんな状況にも感謝できるので、適応力があります。つらいことを乗り越えられる底力がある人です。反対に、愛情を受けても、否定したり、ひねくれて捉える人は、不平不満も多く、幸せを感じにくいかも知れません。
はたから見たら色々恵まれているのに、本人は「自分は不幸だ」と言っていたら、不思議に思われます。その上、周りの人が色々やってあげても、喜んでもらえなければ、「こんなにやってあげているのに」と嫌われてしまいます。このような人は、なぜ愛情を素直に受け入れることができないのでしょうか?
愛情を感じられないことにはいくつかの理由があります。単に性格の問題で片づけられるものではありません。今回は、愛情を感じられない原因を4つ紹介しましょう。愛情の感じ方で困っている人がいるならば、解決のヒントになることを願っています。
1 愛情を理解できない
心に湧いてくる感情を、言葉で理解できないことを失感情症・アレキシサイミアと呼びます。感情がないわけではありません。自分が体験して心で感じたことを分析することができないのです。例えば、修学旅行の感想文を書けと言われても、出来事を羅列するだけで、感じたことを書けません。職場でハラスメントを受けても、文句を言わずに働き続けます。心の中で起きていることを理解できないことから、気持ちを伝えられなかったり、相手の気持ちも理解できません。愛情を受けても実感を持てないのが失感情症です。
失感情症は病気ではなく、未成年では30~40%、成人したら10~20%に見られる症状で、特別なことではありません。年齢を重ねて減っていくことから、言葉やコミュニケーション能力の未熟さが大きな原因です。また、虐待やいじめなどを受け、つよく感情を抑え込むような状況からも起こります。極端な例をあげると、強制収容所で働かされる人たちです。絶望から感情を押し殺すようになると、ただ黙々と働くだけの人になってしまいます。収容所とまでは言えなくても、一般社会でルールに縛られていたり、自分の主張ができないような生活をしている人にも見られます。
失感情症は、自分の気持ちを表現する経験を積み重ねることを通して、少しずつ改善されます。自分で感じたこと、思ったことを日記に書くことも効果があります。カウンセリングを受けるのもよい手段です。
ただし、対人関係をほとんどつくれなかったり、こだわりがつよい場合は、アスペルガー症候群などの発達障害の可能性があるでしょう。
2 愛情を受けても心に残らない
心の底から人を信じられず、「この人は、いまは優しくしてくれているけれど、将来きっと私を裏切るに違いない」という思いがある人は、愛されている実感を持てません。これを「見捨てられ不安」と呼びます。子供の頃に親子の信頼関係を築けていないことが原因と考えられ、大人になっても残り続けることがあります。
人から愛情を注がれても、「人は裏切るものだ」という信念は変わらず、愛情を素直に受け入れられません。底の割れたコップは、いくら水を入れてもいっぱいにならないように、いくら愛情を注がれてもどこかに流れ出てしまうのです。
見捨てられ不安は治らないものでなく、良い人との出会いやカウンセリングを通して、少しずつ改善されることがあります。ただし、情緒が不安定であったり、衝動性がある場合は、境界型パーソナリティ症という精神疾患の可能性もあるでしょう。
3 愛情を拒否する
人を信用できないため、人との深い交流を避ける人も、愛されている実感を持てません。子供の頃に、親から虐待やネグレクトを受けたり、いじめを受けたことから、人とつながることが怖くなっているのが原因です。深い関係になりそうになると、自然に自分から遠ざかります。孤独が好きなわけではありません。孤独でつらい思いをするよりも、人と深く交わることで傷つくことの方が怖いのです。
見捨てられ不安がある人を割れたコップで例えましたが、愛情を拒否する人は、蓋をしたコップに例えられるでしょう。水を注いでも中に入って行かないように、愛情を受けても心の中に入って行きません。
愛情を拒否する状態も治らないわけではありません。やはり良い出会いやカウンセリングを通して、少しずつ改善されていきます。
4 愛情を誤解する
相手の気持ちを誤解しやすく、好意を悪意としてとらえてしまう人も、愛情が通じません。例えば、親切にしてもらっても、「どうせ下心があるに違いない」と考えます。心の底に「自分は人に好かれない」と思っている人が多いようです。これは、人から大切にされた経験がないことが原因です。愛情を受けても、誤解して跳ねのけてしまうのです。
誤解の仕方がつよい場合は被害妄想と呼びます。うつ病や統合失調症の症状として現れることもあるでしょう。
愛情を感じられないことには必ず理由があります。人から大切にされた経験が少なかったり、子供の頃からのつらい体験が原因となって、愛情を信じられなくなっているのです。もしかすると、何らかの心の病気があるのかも知れません。
もしあなたが、「何で人の気持ちが分からないの?」と言われ、嫌な思いをしているならば、今紹介した4つの理由のどれかが当てはまるかもしれません。カウンセリングなど、誰かに相談する機会を持ってみましょう。
また、あなたの近くに愛情に頑な人がいたら、嫌な人と決めつけがちですが、そうなる理由があるはずなので、誤解しないで接してあげることも大切です。
子どもの頃のストレス 5つの後遺症
虐待、ネグレクト、いじめなど、子どもの頃にたくさんのストレスを受ける人がいます。つらい思いをした人ほど幸せをつかんでもらいたいのですが、子どもの頃にストレスを受けると、大人になっても心と体に後遺症が残ることもあります。
特に思春期までの期間は、心と体がつくられるとても大切な時期です。この時期に虐待、ネグレクト、いじめなどを受けると、それを跳ね返すことはできず、トラウマになって残ったり、神経系やホルモン系に異常を残してしまいます。
今回は、子どもの頃のストレスで大人になっても残ってしまう5つの後遺症を紹介しましょう。
1 自己肯定感が低く、良好な対人関係をつくれない
子どもの時に十分な愛情を受けられず、ネガティブな感情をぶつけられてばかりいると、自己肯定感が育ちません。「自分は必要な人間だ」、「生きていていいんだ」という感情がないままに大人になってしまいます。
自己肯定感が低いので、良好な人間関係もつくれません。他人と仲良くなることが怖かったり、親しくなると依存的になったりと、適当な距離感を保つことができないのです。
また、大人になっても感情を表に出せなかったり、コントロールを出来なかったりするので、発達障害と診断される人もいますが、実は子どもの頃のストレスが原因であるケースも大変多いことです。
2 ストレスに敏感な体質
子どもの頃にストレスを受けすぎると、大人になってからストレスに敏感な体質になります。問題に直面すると冷静に対処できず、うつや不安を感じやすかったり、疲れやすい体質になるのです。
ストレスに敏感になるのは、ストレスホルモン分泌のコントロールがうまくできないことが原因です。ストレスホルモンとは、ストレスを受けた時に副腎から分泌されるコルチゾールと呼ばれるホルモンで、ストレスに対応できるように、全身の細胞を活発にさせる効果があります。非常事態に疲れていても頑張れるように、体に無理をさせるホルモンと言えるでしょう。
研究によると、子どもの頃にストレスを受けすぎると、ストレスホルモンが高い状態が慢性的に続くようになります。このような状態は、脳に悪い影響を与え、特にセロトニンの分泌が減ることから、ストレスに敏感になるのです。
3 うつ病になりやすい
脳のセロトニン分泌は、うつ病やパニック症などの精神疾患と深い関係にあります。子どもの頃にストレスを受けると、ストレスホルモンの影響でセロトニン分泌が減りやすくなり、うつ病やパニック症になりやすくなります。研究では、うつ病になる割合が健康な人よりも2~3倍も高いと言われています。
4 アレルギー体質になりやすい
ストレスホルモンは免疫系の働きを抑えるため、高い値(あたい)が続くことで、アレルギーの症状が現れることがあります。例えば、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなどの病気になりやすいことも報告されています。
5 生活習慣病になりやすい
高い値のストレスホルモンが続くと、食行動や睡眠にも影響が出ます。具体的には、ストレス食いなどの過食の傾向が出たり、不眠症になります。こうしたことから、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病になりやすいことが知られています。
子どもの頃のストレスの後遺症により、心では自己肯定感の低下、体ではストレスホルモンが高い値になることを説明しました。マイナスのことばかりを話しましたが、心にも体にも自然治癒の力があるので、子どもの頃のストレスの影響は少しずつ改善させることができます。今回のサインに当てはまる人は、自然治癒を後押しできるような生活が大切です。
まず、毎日心が安らぐ時間をもちましょう。楽しみを増やすこと、趣味をすること、人と話すことなど、「生きていて良かったな」と感じられる時間をできるだけ多くすることです。当たり前のようですが、毎日の生活に安心や癒しを意識することで、自己肯定感も上がり、ストレスホルモンの分泌も減るようになります。
ストレスホルモンを減らすためには、睡眠、食事、運動の生活習慣を見直しましょう。最低でも1日7~8時間の睡眠が必要ですので、睡眠時間が不規則になりがちな残業の多い仕事、夜勤の仕事、シフトのある仕事は避けた方が良いかも知れません。「みんな寝不足でも頑張っているのに、寝てばかり」と自分を責めないで、ストレスに敏感な人はともかく睡眠を大切にするべきです。
毎日の軽い運動は、ストレスホルモン分泌の切り替えに効果があります。ストレッチでも散歩でも良いので毎日体を動かす習慣をもちましょう。また、これを食べたらストレスホルモンが減るという食べ物はありませんが、栄養バランスを良くすることが大切です。
自殺の直前に見せる8つのサイン
何事もなかったのに、ある日突然自殺をするということはありえません。必ず、自殺に至るまでの長いプロセスがあります。お金や仕事の心配、人間関係の悩みなど、辛いことがあると心はどんどんと弱ってきます。これが、限界に達してしまうと、何かのきっかけで衝動的に自殺を試みます。引き金になるのは、いじめや争いごとで、心が傷つく言葉を浴びせられることが最も多いようです。
ある調査では、自殺者の70%には遺書がなく、自殺のほとんどが衝動的な行為と言われています。自殺を試みるときは、「死んだらどうなるのだろう?」「みんなを悲しませるかな?」「死ぬ時って痛いのかな?」と、普通ならば思いつくことを考えるスキもありません。正常な精神状態ではないのです。
自殺をする人は甘えと言われることがありますが、助けをもらえなかった人が自殺をしてしまいます。大切な人が自殺をしてしまうことは、大きな心の傷になります。「もしかしたら助けられたかも知れない」と、後悔をしないように、今回は「自殺の直前に見せる8つのサイン」をご紹介いたします。
1 生気がない
いつもと違って明らかに元気がないような場合は要注意です。好きなことをしなくなったり、「何をしても楽しくない」という言葉を発します。休日は寝たきりになり、自分から外に出て行動をすることがなくなります。
2週間程度で元に戻る場合は問題ないですが、それ以上続くようであれば、うつ病の可能性があります。自殺の原因のほとんどに精神疾患が背景にあると言われています。
2 いつもと言動が違う
自殺の直前に、人はいつもと違う言動をとります。例えば、「このままではいけない」と言って突然仕事を辞めたり、精神科に通院している場合は、「薬に頼っている場合でない」と言って薬を飲むのをやめたり、普段と違う行動をするのです。
「死にたい」と漏らしていた人が、急に言動が変わった時は要注意のサインです。特にうつ病で治療中の人が急に薬をやめてしまうことは大変危険なことです。
3 自殺の仕方をサイトで調べる
「自殺の仕方」や「楽に死ねる方法」などをサイトで調べる行為は、とても危険なサインです。本人のスマホを調べることはなかなか難しいので、会話の中で「自殺」などの言葉が出てきたら注意が必要です。
「死にたい」という言葉は簡単に出てくる言葉ではありません。きっとその人はあなたなら相談に乗ってくれると思って打ち明けたのだと思います。「死にたい」と言うと、相手の気を引くために言っているのではないかと疑う人もいますが、本当に自殺してしまうケースも多のです。聞く側が真面目に受け止めてあげなくてはいけません。また、「死んでほしくない」と相手にきちんと伝えることも大切です。
4 自傷行為
リストカットなどの自傷行為を行うことが、すぐに死につながる訳ではありませんが、自傷行為が繰り返されて、自殺に至る可能性もあります。自傷行為は本人が何らかのSOSを出しているサインでもあり、本人の辛い気持ちに目を向ける必要があります。もし自傷行為を発見したら、無理やりやめさせようと説教するのではなく、何が辛いかについて優しく聞いてあげましょう。
5 薬を沢山飲む
命の危険をかえりみずに、快楽目的で大量の薬を飲むことを、「オーバードーズ」、略してODと言い、最近では「トーヨコキッズ」と呼ばれる子供たちの間で行われていたことがニュースになっていました。自傷行為の1つであり、「自己破壊的行動」とも呼ばれています。
薬は多く飲まれないように医師が調整していますが、いくつかの病院をはしごして、たくさんの薬を蓄えている人もいます。死につながる危険な行動のため、注意が必要です。
6 感情の起伏が激しい
突然怒ったり、泣いたり、感情の起伏が激しい状態は、自殺の危険なサインです。気持ちが落ち込んでいるときは、自殺をするエネルギーはありませんが、むしろ、感情の起伏が激しいときに、衝動的に自殺が起こりやすいと言われています。
例えば、口喧嘩をしてしまい、そのまま窓から飛び降りてしまう、などもあるので気をつけましょう。相手が感情的になっているときこそ、冷静に対応することが求められます。
7 お酒を飲み過ぎている
お酒を飲んでいて、理性が働かない状態は、自殺の危険なサインです。特に、楽しくお酒を飲んでいるのは良いのですが、やけ酒のような場合は非常に危険です。普段から死にたいという気持ちを強くもっている場合、お酒を飲むことで衝動的になり、自殺を実行に移してしまうことがあります。
8 大切な人がいなくなる
家族との死別、失恋など、大切な人がいなくなった時、人は大きな悲しみを感じ、これを喪失体験と言います。喪失体験はうつ状態と似ていますが、薬が効きにくいことが多く、時間が解決してくれるのを待つしかありません。絶望に陥ってしまい、生きる希望がなくなり、後を追いたい気持ちが出て来ることもあります。これは危険なサインです。
今回は、自殺の直前の8つのサインをご紹介しました。
統計データによると、どの国でも自殺者は圧倒的に女性よりも男性が多くいます。困ったとき、女性の方が、周囲に助けを求めることができるからです。別の調査では、男性の方が、相談相手のいないケースが多く、辛い時にがまんして、弱音を吐くことを嫌う傾向がありました。孤独で相談相手がいないことや、「弱音を吐いてはいけない」という考えを持っていることが、自殺につながる大きなリスクであることが理解できるでしょう。
自殺を防ぐためには、周りの身近な人の対応が重要です。もし、「死にたい」と相談されたら、「何で死にたいの?」「何が辛いの?」と聞いてあげるようにしましょう。
逆に、「その考えは間違っている」、「私も苦労を乗り越えてきたんだ」と説教や自分語りをしても意味がありません。話を遮らずに聞いてあげて、気持ちを理解してあげることが大切です。自殺を食い止めようと努力するよりも、気持ちを理解してあげようと努力するべきなのです。
大人の愛着障害 3種類の人間関係
人間関係の悩みがない人は、世の中にいません。相手の好き嫌いもありますが、親密が好きな人、距離を置くのが好きな人と、人によって居心地のよい距離感が違うことも理由です。中には、「いつも人に依存している」、「人と決して交わろうとしない」という、極端な人間関係の人もいます。これでは、生きづらさを感じ、付き合う人もつらい思いをします。こうした極端な人間関係をとるのはなぜでしょうか?心理学では、子供の頃の親子関係が大きく影響していると説明しています。
親子の情的な絆を愛着と呼びます。愛着は大人になってからの心の土台になるもので、人間関係のとり方も愛着の影響を受けています。子供の頃に親から愛情を注がれていないと、愛着が育ちません。愛着の障害を引きずると、人間関係が不安定になります。これを大人の愛着障害と呼んでいます。
本来の人間関係は、相手を信頼・尊重し、必要に応じて助け助けられる関係です。親から愛され、良好な親子関係で育てば、このような人間関係をつくることができ、これを「安定型」の人間関係と呼びます。ところが、大人の愛着障害では、「いつも人に依存する」という近すぎる距離感や、それとは逆に、「人と決して交わらない」という遠すぎる距離感をとる傾向が出てきます。さらに、この両極端の距離感が、一人の相手に揺れ動くという人もいます。
今回は、大人の愛着障害の3種類の人間関係のとり方について説明しましょう。
1 人に依存する
親の情緒が不安定であると、子供を可愛がる時もあれば、大きな理由もなく突っぱねたりと、子供の扱いに情的な一貫性がありません。子供は、親から安心感を得られないために、人を心から信頼することを学べません。自分が愛される価値があるかどうかに不安を抱き、相手からの愛情や安心感をつよく求めるようになります。このような不安を「見捨てられ不安」と呼びます。
大人になってからも、パートナーや友人に見捨てられることを恐れ、常に束縛しようとします。姿が見えないと、仕事中にも電話をしたり、常につながりがあることを確認したがります。相手の愛情に確信をもてないので、わざと相手を困らせたり、愛情を試すような行動をすることもあるでしょう。これでは、付き合う人は疲れ果ててしまいます。
このような人間関係のとり方を「不安型」と呼びます。自分の寂しさを満たすことが、人間関係の目的となるために、相手に依存してしまうのです。
2 人と交わらない
親が子供を放任したり、常に冷たく接していると、子供は、「自分の願いは他人を通して叶えられない」と学ぶようになります。人に何かを求めても失望が待っているので、親しくすることが怖くなるのです。すると、常に感情を抑え込み、自己完結的な行動を取るようになるでしょう。
大人になっても、感情的に深い人間関係を築くことを避けます。人に頼ることが苦手で、全て自分で背負い込み、孤立します。しかし、本音は誰かと親しくしたいという矛盾した状態にいるのです。
パートナーから束縛されることを嫌い、常に一人で過ごそうとします。これは、親密なことが不快であり、自分のプライバシー空間に誰かが踏み込んでくることに不安を感じているためです。
また、心の内を明かさず、共感することが苦手なために、周りからはクールな人に見られます。恋愛関係や友達関係でも、表面的となり、情的に深く関わることができません。このような人間関係のとり方を「回避型」と呼びます。
3 依存と回避が共存する
子供の頃に親が突然いなくなったり、虐待やネグレクトなどの酷い仕打ちを受けた場合は、「不安型」と「回避型」の両方の傾向をもつことがあります。相手に対して、安心感を求めて親しくなろうとする気持ちと、近づきすぎて傷つけられるのを恐れるという矛盾した気持ちの間で苦しむようになるのです。
仲良くしていたのに、ちょっとした相手の言葉や態度で感情が爆発し、関係を壊してしまうといった激しい変動がみられます。パートナーになると、情緒の不安定さから相手を振り回してしまうこともあるでしょう。このような人間関係のとり方を、「恐れ・回避型」と呼びます。
見捨てられ不安から、自殺未遂や暴力事件を起こす場合は、「境界型パーソナリティ症」という病気の可能性もあります。
愛着の問題から、人間関係で悩んでいる人は沢山います。その根底には、自己肯定感が低く、自分に自信を持てないために、人が自分をどのように見ているかを過度に気にすることがあるのです。同時に、自分は愛される価値がないと感じてしまい、これが人との親密な関係を築くことへの恐怖につながります。この根本の問題を解決しない限りは、人間関係も改善されません。
では、愛着の問題はどのように克服すれば良いでしょうか?一番良い方法は、思いやりのある「安定型」の人と交流することで、愛着を学び直すことです。「不安型」の人に対して、感情が安定している「安定型」の人ならば、優しく要求を満たしてあげる関係を持つことができ、「人から裏切られる不安」が解消されていきます。また、「回避型」の人に対しては、適度な距離をとった関係を持つことができ、この関係が長く続けば、人と親密になることへの不安が解消されていくでしょう。
ところが、実際には、自分に似ている人からパートナーや友人を選ぶ傾向があります。人間関係のパターンも、似たもの同士がつきあう確率が高いのです。例えば、「不安型」同士で付き合ってしまうと、お互いが依存的になり、愛を確かめる行動をとってしまうため、不安傾向がよけい強くなる結果となります。「回避型」同士であると、なかなか互いを信頼することができず、疎遠になってしまいます。互いに心の傷を深める結果となり、さらに回避傾向がつよくなります。愛着の問題を抱えている人にとっては、友人やパートナー選びはとても大切なことです。
良い出会いがないからといっても、落胆することはありません。愛着の問題を、自分自身でケアをする方法もあります。例えば、カウンセリングに通って自己理解を深める、仕事や得意な分野で努力して成功体験をする、ペットや植物を愛してみる、といった方法もあります。映画やドラマを通して疑似的に学ぶこともできます。
兄弟が仲良くなれない5つの理由
昔から、「兄弟は他人の始まり」と言います。子供の頃はあんなに仲が良かったのに、大人になったら全く縁をもたない兄弟も大変多いのです。
仲の良くない兄弟と言えば、聖書には、カインとアベルという有名な話があります。アダムとエバの長男がカイン、次男がアベルです。カインとアベルは神に供え物をしましたが、神はなぜか弟のアベルの供え物だけを受け取り、兄のカインのことは気にかけませんでした。このことをアベルは自慢したため、カインは嫉妬してアベルを殺してしまいました。聖書によれば、人類最初の殺人事件は、嫉妬が原因で兄弟の間で起きたのです。
カインとアベルのように、兄弟の間には複雑な心理が働きます、そのために仲良くなれない兄弟もいるのです。今回は、兄弟が仲良くなれない理由を5つ紹介しましょう。
1 親の愛情を奪い合う関係
弟や妹が生まれると、親はそちらの世話に追われます。それまで、親の愛情を独り占めにしていたのに、弟や妹に奪われてしまうのです。子供にとって親の愛情ほど大切なものはありませんから、その奪い合いが兄弟関係を悪くさせます。
これとは逆に、親が上の子の世話に追われて、下の子の世話が十分にできないこともあります。「何事も上の子が優先、下の子の服や持ち物はすべてお下がり」、という状況が続くと、やはり兄弟関係が悪くなるでしょう。
こうした時に親がうまく立ち回れば良いのですが、余裕がないことが多く、さみしがっている子供を叱ったり、無視することもあります。兄弟間の憎しみはさらにつよくなり、兄弟の溝が埋まらないまま、大人になることもあるでしょう。
2 ライバル関係の兄弟
勉強でもスポーツでも、成長するに従い、周りからの評価が伴うようになります。良い評価をとろうとするのが当たり前ですから、年の差が近い兄弟ほど競争になってしまいます。競争ですから、仲良くしていては、よい結果を出せません。いつのまにか兄弟がライバル同士になってしまい、互いを遠ざけるようになってしまいます。
3 兄弟格差がある
同じ親から生まれた兄弟でも、能力の差があるのが普通です。片方は勉強ができて、片方は成績が悪いと、助け合おうというよりも、見下したり、気まずかったりでお互いの距離が離れがちになります。姉妹だったら、片方が美人で周りからチヤホヤされると、やはり見下したり、気まずかったりで、姉妹の距離は離れてしまうでしょう。
4 傲慢さ
子供は周りからチヤホヤされると、自分が何でも1番であると考えます。兄弟で優劣の差がある場合、優秀な子はそうでない兄弟を見下すようになるでしょう。自分は兄弟の中で一番なのだと驕り高ぶってしまうのです。
特に問題になるのは、下の子の方が優秀な場合です。その子は上の兄弟を馬鹿にしてしまうので、兄弟げんかが絶えなくなります。まさに、カインとアベルの時と同じように、兄弟の優劣が逆転すると激しい嫉妬が生まれてしまうのです。
5 親の愛情に偏りがある
兄弟関係を調整できるのは、唯一親だけです。兄弟仲が悪いのは、親にも原因があります。親はつい優秀な子や可愛い子に対して、より多くの愛情を注ぎがちですが、これが兄弟間のバトルを炎上させます。親が優位な子の立場だけを認めていたら、劣る子の立場は完全になくなってしまうからです。
親の対応によっては、兄弟関係は完全に分裂してしまいます。それだけでなく、親にも兄弟にも認められない子供は、心の病気になったり、家庭の外に癒しを求めて非行に走ることもあるでしょう。
兄弟関係を良く観察しながら、注ぐ愛情のバランスを調整するのが親のあるべき姿です。できる子だけを褒めるのでなく、できない子にも愛情を注いで慰めてあげる努力をしなくてはいけません。
兄弟が仲良くなれないのは、兄弟に格差があることと、親が間をとってあげられなかったことが原因です。年をとると親も入る余地はなくなりますから、兄弟同士で歩み寄らなければ、距離はどんどん遠ざかってしまいます。それでも生きていく上では問題はないのかも知れませんが、仲の良かった兄弟が大人になって絶縁してしまうのはさみしい気もします。
一度壊れた関係を修復することは大変難しいことです。兄弟が関係を修復し、昔のように仲良くなるためには、優位な立場にいる兄弟から優しく訪ねてあげることが必要でしょう。もし、兄弟を見下したことで関係が壊れてしまったのならば、見下したことを謝罪して仲直りする必要があります。いつまでも「俺が上だ」と言っている限り縁は戻りません。兄弟であっても、仲良くするためには、互いに謙虚な気持ちが大切なのです。
もし弟のアベルが、「たまたま俺の供え物が受け取ってもらえただけだよ」と、カイン兄さんに謙虚に歩み寄っていれば、人類初の悲劇は起きなかったかも知れません。